第7章―マイクロセービング活動が民族和解の糸口に!

 このマイクロセービングの場を民族和解の一助にする方法としては、現地パートナー団体のARTCFのフィールドオフィサーが、グループミーティングの場で、メンバーたちに和解のためのトレーニングを行います。その場では、皆一緒の人間であるということに気付かせ、民族の違いに関係なく同じ「ルワンダ人」として生きていこうと語りかけていきます。毎週のグループミーティングの場では、元・加害者も被害者も一堂に集まるので、メンバーにお互いのことを知り、理解する機会となっています。

フィールドオフィサーの話を聞くメンバーたち

 実際に、ジェノサイド時に、夫がフツであったツチの52歳の戦争寡婦は、マイクロセービングに参加することによって、自分は変わったと言っています。ジェノサイド終了後に夫を亡くした彼女は、ツチである自分の両親と、夫側のフツの家族との板挟みにあい、当時は誰も受け入れられなくなっていました。しかしマイクロセービングに参加し、誰もが他人を必要としているということが分かり、今では差別せず全ての人と協力できるようになったとのことです。彼女はマイクロセービングで生活が大変良くなり、さらに、彼女は現在南部州にある50の村の代表として、マイクロセービンググループを支えています。

 フツの男性のJさんも、マイクロセービンググループに参加してから半年ほどでツチの人たちを受け入れる気持ちを持てるようになったと言います。

 このように少しずつですが、このプロジェクトが人々の生活改善と民族和解に貢献していることが、明らかになってきました。


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