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豊かな自然と世界遺産のまちの中を駆け抜ける。CicloFreeのサイクリングツアー

2日目は「パラッツォーロ」という町が丸ごと世界遺産になっている場所の外れのホテルに宿泊。

翌朝は海外観光客向けのサイクリングツアーを提供する会社「CicloFree」の創立者、Giuseppe Montalto氏へのインタビューからはじまりました。

代表のGiuseppeさんは強面の元サイクリスト。きけばこれまで、観光畑でのビジネス経験は一切なかったのだとか。ですが、シチリアは景色、食べ物、歴史的遺産豊富なので自転車旅と相性が良いという点にチャンスを見出し、起業。

・ガイドツアー(1週間):ガイドベタ付きで自転車で各地を回る
・セルフガイド:グッズ提供(バイク・マップなど)・24時間電話サポート
・グループツアー:様々なバックグラウンドをもつ参加者が出会う場に
・バイクレンタル:1500台(!)の在庫の中から好きなものを選べる

の4つの事業を展開されています。

観光客のほとんどは中央ヨーロッパ、イギリスなどからやって来ます。
彼らの住んでいる場所は、冬場は雪や曇りが多くて気候が良くないので、
比較的温暖で気候の良いシチリアはそれだけで勝てると判断したのだとか。なるほど。

また、事務所のあるパラッツォーロは、
・都市シラクーサに近い(アクセスが良い)
・世界遺産の街で、景観申し分なし
・標高が高く、どこへ行くにも下りになるので自転車旅のスタート地点として適正
と考えてそこに事務所を構えたのだそうです。たしかに、標高700mは高い。夜寒かったし…

また前夜に私たちが宿泊したホテル Colle Acreさんとも提携しているそうで、オーナーのグラッツィアさんのお話も少しだけ伺いました。3人の娘さんのお母さんですが、ホテルの他にワイナリーも経営しているそう。
パラッツォーロはお祭りが多く、シラクサにはギリシャ式の神殿(?)があるのでシーズン(7-9月ごろ)には結構来客があるのだとか。こうやって宿泊施設とツアーオペレーターとが連携できてるのってやっぱりいいなぁ。

お話のあとは、百聞は一見にしかずということで!ミニバスで少し移動して、次なる行き先のFerla町まで、およそ20kmの道のりをサイクリング!

エトナ山を望む草原から出発し、比較的なだらかな舗装された道を走りました〜!

どこを切り取っても絶景。エトナ山、なんだか富士山っぽくないですか?笑



途中にはサボテンがたくさん生えていたり。2日目の朝ごはんで、サボテンの実を食べたのですが案外美味しかったです…!それもあって、つい食べごろそうなサボテンの実を探してしまいました。

真ん中の丸い、ブツブツがある果物?がサボテンの実。

最後の最後にクライマックス!20%の急坂を登るミッションが課せられ、チャレンジする有志たち…おつかれさまです。

ガイドさんは日本のアニメが大好きみたいで、NARUTOの話で盛り上がっていました^^

***

今回のツアーの首謀者(?)である山田拓さんは、まさにこのサイクリングツアーを中心に、日本の原風景を外国人観光客に味わってもらうための体験プログラムを提供している日本の先駆者。日伊首脳会談をみているかのようでした(笑)

私自身はサイクリングツアーの企画とかには正直あまり興味がないクチなのですが、確かに「なにもない」場所でも、平坦な道と美味しい空気、穏やかな気候さえあれば、異国の土地を自転車で風をきって進む体験はたちまち特別な時間になります。実際に体験してさらに納得。

とはいえ、自転車旅をはじめとしたこの手のオペレーター業は、ツアーの対応領域を広域にすればするほど安全上のリスクは高まるし、参加者の人数が増えるほどガイドの人手も必要となり人件費がかかります。それでもGiuseppeさんは、家族の協力を得ながら愚直にこの事業を続けて来られていました。最後の坂でのメンバーへの激励には、すごみがありました。。

イタリアでは、下手な大企業よりも小規模で長年続いている家族経営の企業の方がよっぽど世間からの信頼度は高いらしく、CicloFreeさんも急成長は望まず、少しずつ緩やかに成長していくことを望んでいるとお話されていたのが印象的でした。1日目のカターニャのアートプロジェクトの3人もそうでしたが、やっぱりここでも主体としてやっている人に「無理」や「嘘」がないんだよなぁ。あっぱれです。

私たちがこうして体験したり見聞きできたことは、彼らの活動の氷山の一角、ほんの一部分だと思うのですが。それでも、お互いを信頼し、身の丈で着実に訪れる人たちに対して価値提供をしようと真摯に励む姿勢に、心動かされることが多くありました。日本のわたしたちは、どうだろうか。

次はいよいよ、待ちに待った「アルベルゴ・ディフューゾ」の街へ足を踏み入れる、の巻です。お楽しみに。



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