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(1)胆石で入院しました

見慣れぬ、天井——と、あまりに定型的な出だしで申し訳ない。年間4万キロを走り地方取材を続ける私ですが、取材旅行先の熊本で入院することになりました。胆石に起因する胆嚢の炎症、胆嚢炎の状態にあるそうです。

前夜

2018年3月3日夜、自宅を出発。途中で大学生のヒッチハイカーを拾ったりしつつ楽しく順調に南下し、4日午前には福岡まで到着。太宰府で長男の受験合格最後の祈願をしてから、熊本県熊本市までやってきました。

4日の滞在地に定めたのは、道の駅 植木。道路を挟んでコンビニ、斜向かいはドラッグストアと、一般的に車中泊を考えるなら好立地です。が、落とし穴がありました。3月5日に入金の予定があったため、5日に現金を引き出してから取材活動を始めようと思っていました。手元には数千円しか現金はありませんでしたが、SuiCaとクレジットカードがあればなんとかなるだろうとたかをくくっていました。

ところが。植木にはクレジットカードを使える飲食店が見つかりませんでした。ネットでの情報収集だけではなく飲み屋が集まる一画にも足を運びましたが、クレジットカードのブランドロゴはどこにも見当たりません。熊本ということで馬刺しを期待していたのですが、手持ちの現金が乏しい状態で知らない土地の個人経営の飲食店に入るのは勇気がいります。しかたなく馬刺しを諦め、価格帯が想像できるラーメン店で夕食にしました。ラーメンは価格なりに美味しかったのですが、馬刺しが食べたかったなあと悔いが残りました。

突然の痛み

明けて5日。朝8時前、腹痛で目を覚ましました。以前にも何度か急性胃腸炎で明け方に目覚めたことがあり、その類かなと最初は考えました。市販の鎮痛剤を服用して様子をみましたが、一向に改善する気配がありません。吐き気はなかったのですが、胃が空っぽになれば楽になるかもしれないと思い敢えて嘔吐を試みましたが、昨夜のラーメンは消化済みのようで、起きてから摂取した水分しか出てきませんでした。

自分で運転して救急外来へ、そして入院

時間は、もうランチタイムにさしかかろうとしていました。多くの病院は12時で外来受付を締め切ります。決断するならそれまでにと、ナビで近隣の病院を検索。熊本市立植木病院がすぐ近くとわかり、痛みをこらえて自力で運転し、外来受付に立ちました。

様子を見て症状を聞いた受付の方は、通常外来ではなく救急外来にすぐに連絡してください、あっという間にストレッチャーに乗せられ、生理食塩水の点滴をされながら各種検査が始まりました。CTスキャンで胆嚢に影があることがわかり、より詳細に調べるためにMRIへ。胆石が原因で胆嚢が炎症を起こしていることがわかりました。

よく聞く胆石の治療は、外科手術による胆嚢摘出か、超音波による結石の破砕です。しかしどちらを行なうにしても、まずは胆嚢の炎症を鎮めなければならないとのこと。症状が緩和しないことには千葉まで戻ることさえできないので、入院して抗生剤治療を行うことになりました。

ちなみに、「胆石を薬で散らした」という話を聞くことがありますが、あれはどうやら、この胆嚢炎を抗生剤で抑えることを指して言っているようです。つまり、胆石自体は解決しないんですね。もっとも、胆石自体は珍しくなく、それが胆嚢に炎症を起こしたり胆管に詰まったりしなければ問題なく、誰にでも起こり得る病気です。いつ炎症を起こすかは、神のみぞ知るってことですかね。

「だからって旅先で救急外来に行く羽目になるとは」

そうこぼした私に看護師さんが教えてくれましたが、旅行者や出張者の救急外来は珍しくないとのこと。普段の生活や仕事とは場所もリズムも変わるのでストレスがかかるのでしょうという話でした。なるほど。

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