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鮫とオオタニと私 (1)

偶然が重なって生まれた藤崎さんとの出会い

 2015年、当時父は癌と闘っていました。その父が小倉に行きたいと言い出したため、福岡に用事を作ることにしました。Facebookで福岡で取材させてくれる人を募集したところ、友人が紹介してくれたのがオルターブースの藤崎さんでした。

 父が小倉に行きたいと言い出さなかったら。藤崎さんと共通の友人がいなかったら。どれが欠けても出会う接点さえないままだったでしょう。そんな貴重な機会を得て、私は藤崎さんに出会い、JAWS-UGというものを知ったのでした。

JAWS北九州 藤崎 優氏に聞くITでの地方活性、「俺がなんとかする」という気持ちが大事
IターンやUターンには色々なカタチがある。東京でできないことをやるために地方へ行く人、やむにやまれぬ事情を抱えて地元へ戻る人。それぞれの理由を抱えながら地方へ軸足を移したエンジニアたちは、どのような活動を行っているのだろうか。今回は、東京から福岡県北九州市へIターンしたことで、自ら働きかけるエンジニアへと変貌を遂げたオルターブース シニアアーキテクトの藤崎 優氏にインタビューを行った。
(ソフトバンク ビジネス+ITに掲載)

 当時の地方取材では、「友達の友達は友達方式」で次の取材先を決めていました。「この人面白いよ」「この人に会っておくべき」という人を、取材相手に紹介してもらい、そこに行くのです。藤崎さんが紹介してくれたのはヘプタゴンの立花さんでした。

「九州の次は青森でしょ」と、藤崎さんは立花さんを紹介してくれた

 ヘプタゴンの立花さんとの出会いは、刺激に満ちていました。まず、三沢市を訪ねること自体が初体験でした。「三沢でもかっこいい働き方ができるんだと若者に示したい」という思いにも強く共感しました。

JAWS-UG青森代表 立花拓也氏に聞く、地方でIoTとクラウドが受け入れられる理由
青森県三沢市。1931年、太平洋無着陸横断飛行を達成したミス・ビードル号が飛び立った地であり、空のまちとしても有名だ。その空のまちから、雲(クラウド)の情報を発信し続けている人たちがいる。AWS(Amazon Web Services)のユーザーグループJAWS-UG青森支部だ。今回、JAWS-UG青森支部とJAZUG青森の合同勉強会に参加する機会を得て、JAWS-UG青森代表である、ヘプタゴンの代表取締役社長 立花 拓也氏にも話を聞いた。
(ソフトバンク ビジネス+ITに掲載)

取材を通じてコミュニティ活動を知る

 地方取材を通じて知ったのは、各地にITコミュニティがあり、それぞれがつながって補い合いながら活動しているということでした。オープンソースコミュニティ、オープンデータコミュニティ、Azureのユーザーズグループ、AWSのユーザーズグループ。多くのグループが、各地で活動していることを肌で知りました。

 そうしたコミュニティ活動を紹介してくれる方がよく「○○東京に行けば、色々な人を紹介できるよ」というお話。たとえばOSC東京やJAWS Daysのようなイベントで、各地のキーマンを紹介してくださるというありがたいお申し出です。しかし、それらはすべてお断りしました。

 ○○東京では、1日で各地のキーマンに会うことができるでしょう。しかし相手から見れば私は、東京に行って会った大勢のうちのひとりに過ぎません。こちらから取材に伺えば、自分に会うために関東から来た記者として記憶していただけます。私は効率的であるよりも、ひとりひとりと対峙することを優先したかったのです。


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