見出し画像

なぜ、ドラクエの武器屋はあれほど強いアイテムを売っているのに、しがない商売を続けたのか?

ドラクエをプレイしている時に、永遠の謎だったことがある。

それは、「なぜ、ドラクエの武器屋の商人たちは、あれほど強い武器や防具を持っているのに、自分たちが装備して敵を倒してお金を稼がなかったのか?」ということだ。


例えば、ドラクエ3のロマリアの町を例にとって説明する。

ロマリアの武器屋では以下のようなアイテムを売っている。


・せいなるナイフ(攻撃力+14)・・・200G

・くさりがま(攻撃力+24)・・・320G

・てつのやり(攻撃力+28)・・・650G

・かわのよろい(防御力+12)・・・150G

・こうらのよろい(防御力+16)・・・350G

・くさりかたびら(防御力+20)・・・480G

・せいどうのたて(防御力+7)・・・250G


このアイテムの中からできるだけ強いアイテムを選び、武器屋の親父が武装化したとする。

武器、鎧、盾とそれぞれひとつずつしか装備できないとして・・・。


・てつのやり(攻撃力+28)

・くさりかたびら(防御力+20)

・せいどうのたて(防御力+7)


おお、攻撃力28、防御力27の商人ができあがった。

初期のちからや素早さがゼロであっても「攻撃力28、防御力27」。

レベル1であっても、なんという強さ。

このステータスで一撃必殺できそうな敵キャラをあげてみると、スライムはもちろん、おおありくい程度は瞬殺できそうだし、ホイムスライムもなんとかなりそうだ。

アリアハンやレーベの村周辺くらいは救えるんじゃなかろうか。


しかし、冷静に考えてみると、ホイミスライムを倒しても1匹につき8ゴールドしか手に入らない。

さらには、敵と出会うために歩き回っていると、それだけで時間が経ち、結局日中の間に敵と出会える数は20回くらいかもしれない。

すべての敵がホイミスライムではないが、1回の戦闘で平均して10Gくらい稼げるとしても、戦闘による稼ぎは大体1日200Gくらいなのかも。


ここで、先ほどの武器リストを経営者視点で見てみよう。

仕入れ値は4掛けくらいが妥当だと判断し、粗利を見てみる。


・てつのやり(攻撃力+28)・・・650G(粗利:390G 仕入れ値:260G)

・くさりかたびら(攻撃力+20)・・・480G(粗利:288G 仕入れ値:192G)

・せいどうのたて(攻撃力+7)・・・250G(粗利:150G 仕入れ値:100G)


うわ・・・。

武器や防具を売るほうが儲かりそうやん。


もし仕入れた武器を自分で使ってしまうと、武器に傷が付くし、売り物にならないかもしれない。だったら、自分は武器を装備せずに、勇者とか必要な人に売るほうが賢いってわけか。

ただ、毎日武器が売れるかというとそれも微妙。

もしかしたら勇者くらいの戦闘狂しか買わないのかもしれないし。


・・・というようなことを考えていたら、この議論には前提条件として避けられない障害があることが分かった。

それはロマリア周辺をうろつく「キャタピラー」の存在である。


画像1


キャタピラーのHPは40。攻撃力は33。守備力は25らしい。


・・・あかん、強すぎる。

攻撃力28、防御力27のロマリアの商人でも、ロマリアの町を出て、こいつに出会ったらひとたまりもない。会心の一撃が出ても倒せない。


なんでこんな凶悪な芋虫が町の外を歩いてるんや。

てか、こんな危険な環境の中、武器や防具はどうやって納品されてるんやろか。


謎が謎を呼ぶが、とりあえず結論は出た。


結局のところ、ドラクエの武器屋の主人たちは、レベル1の自分たちが強い武器を装備しても強い敵に勝てないことを知っているので、商売に徹していた!


さらに調べてみると、どの町の周辺にも、その町の商人が最強装備をしても勝てない敵キャラが最低1匹は外をうろついていることが分かった!


つまり、ドラクエ3は私たちに「命はお金じゃ買えない」ということを教えてくれたともいえる。



せっかくなので、今回の記事をカッコよくまとめておく。

どんな市場にも、増資するだけでは勝てない相手がいる。増資する前に自分たちのレベルを上げておくべし



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?