衛星衝突警報だってさ
「日本時間10/16(金)09:56に南極上空991kmでロシアの衛星と中国のロケットが衝突の危機」との警告をアメリカの民間企業LeoLabs社が発した。
News Week誌の記事
https://www.newsweek.com/russian-satellite-chinese-rocket-space-collision-1538954
LeoLabsのツイート
https://twitter.com/LeoLabs_Space/status/1316410780552699909
衝突危機ある物体は双方とも利用の終わったゴミで、ひとつはソ連時代のTsiklon-B航法システム衛星。もう一方は2009年に中国が衛星打ち上げに使った長征4号Cロケットの上段。
宇宙的事象だと1-2%でも「高確率」と言われるがこいつは確率20%だって。最接近距離は25m。このあたりの低軌道衛星って極地では密度が詰まる傾向だが、ここまでの接近は珍しい。
重さの合計が約2.8㌧とでかく、しかもかなり正面衝突に近いのでスペースデブリの拡散が危惧される。
高度2,000kmまでは「低軌道」に分類されるが、ISSの約408kmなどよりは高度があるぶん、軌道上にデブリそのまま残りやすい。
高度200km位まで下がると燃えてくれるので、デブリをそのあたりまで移動させるサービスをやろうとしてる会社があるくらいで、今回の衝突ではかなりやっかいなことに。
2009年に稼働中の携帯電話通信衛星イリジウム33が、ロシアの使用済衛星と高度約789kmで衝突し破壊されたことがある。
今年の初頭にも実は衝突危機はあった。確率1〜5%と言われてて、実際は衝突しなかったが。このときは1983年と1967年に打ち上げられとっくに運用を終えてた1㌧と85kgの衛星だった。
高度900km界隈はスペースデブリの多いとこだそうだが、いずれにせよやっかいな話。衝突が発生したら地上からも観測はされるだろうね。南極からしか見えないけど。
以前にインドが低軌道で衛星破壊実験をやって、破片がISS軌道の上まで上がって「アホなことすんなゴルァ」と怒られてた。
スペースデブリは何十年も回り続ける弾丸みたいなものだから、宇宙開発においては嫌なリスク。
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