森喜朗の件をちゃんと考えとこう

森喜朗のオリパラ組織委員会会長辞任の件、考えるといろいろ不愉快だし過ぎた話でもあるので先のことを考えたいのだが、ちょっとだけ立ち止まって考えておこう。

どうせ辞める流れになるに決まってるのにジタバタしたのもみっともないし、勝手に後継者を決めようとして川淵さんが全部バラしちゃってむしろ追い込まれたのも、なんともなあ。

ただ、許されざる言動をちゃんと批判し追い出せてよかった。一介のボランティアであっても会長居座りを認めない、だから辞退するという姿勢によって考え方を表明したのは偉いし、そうしたひとりひとりが成し遂げた成果だよ。

小池都知事がバッハ会長との会合を欠席表明したことと、オリンピックの大大スポンサーであるNBCが森喜朗は退場すべきというコラムを掲載したあたりももちろん大きいのだが、皆の力で成し遂げたのだからこれは誇っておこう。

そしてこの件は、日本にはびこる「老害」がなぜ&どう悪いのかをしっかり考えるいい機会でもある。日本社会において普遍的に発生していることだから。

「俺は蔑視と思ってないから蔑視じゃない」という教養不足

森喜朗は「私は蔑視と思ってないから蔑視じゃない。意図的な報道だ」と言ってるわけだが、これはまさに教養不足。

人種や性別などにともなう差別、ジェンダーイクオリティなどの問題では「俺は蔑視なんてしてるつもりはないから差別はしてない」という論法は絶対に通用しない。これ非常に大事なポイント。

差別っていうのは無意識にやっちゃうからこそ問題なんすよ。「俺はそう思ってないのだからセーフ」ってのは一番ダメなの。

差別であるか否かは聞き手が決めること。そんなの当たり前。しかしね、これがわからない教養不足な人間がより支配的な立場にいる。これが日本社会のとても大きな問題

「教養や知識や技術が足りない人間が偉そうにしてる」っての、皆さんの会社や組織でもないですか?あるよね。じゃあそいつらがなぜ偉そうにしてるかというと、詰まるところ「人事」を握ってるからでしょ。

森喜朗は人事を握ってたし、不祥事で辞任しても後任を自分だけで決めようとした。いままでも森喜朗に逆らうような人物は招致委員会に入れてもらえないし、次のイベントで呼んでもらえない。だから内心「バーカ」と思ってても咎められないのだ。

同じ構造はどこでも起こってる

有名企業様でもお役所様でも、教養や知識や技術認識が全然ダメなヤツが偉そうにしてるって、あるでしょ?僕は自営業だからそういう連中の下についたりはしないけど、目撃はよくしてるよ。

お役所のお偉いさんにそういうのいたんだけど、部下達は指摘も何もできないんだよね。逆らってしまうと現実問題として仕事ができなくなるから、おだてとくしかないからね。

そういう構造そのものが「老害」なんすよ。森喜朗が「老人ばかり悪いというのは不愉快」と言ってたけど、まさにおっしゃるとおり。老人が、じゃなくてお前が悪いんだよ。

ということで、この事例をちゃんと捉えて、間違った戦略を勝手に進める老害を社会のあちこちで追い出しましょうね。

そして僕自身も老害世代なので、謙虚に生きるようにします。

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