【ゲスト紹介#7】「藤沢という大きな都市をチームで支え、育てていく」藤間 豊(とうま ゆたか)/藤沢市元副市長

神奈川県南部に位置する人口約42万の巨大都市「藤沢市」。江の島や湘南海岸、活気溢れる街並みを有する南部エリアから、気持ちのいい田園風景が広がる北部エリアまで、属性の異なる多様な顔を持つこのまちでは、年間予算1500億という莫大な金額が動きます。

大学卒業後、市役所に入庁し、このまちを35年に渡って支え続けてきた藤間さん。
2012年には副市長に就任しました。

人口が増えた分、待機児童など膨れ上がる課題を抱えながら柔軟な施策が求められる中、人々が安心して豊かに暮らせるまちづくりを目指して懸命に市政を進めてこられました。

誰も答えを持っていない中、副市長として自ら決定を下し道を切り開いていくことが求められるシビアな現場。どんなことを大切にしてお仕事を進めてこられたのでしょうか。

まず、第一に職員を信頼する。

弘重「2012年に副市長に就任して、改めて町と向き合った時、藤間さんはどの部分に課題を感じ、力を入れて踏み込んでいったのですか?」

藤間さん「そうね、まずは職員が働きやすい環境を作りたいと思ったんだよね。それまでの強烈なトップダウンでなく、ボトムアップ方式で、市民の為を思って職員同士が議論し、その意見が反映される職場を作りたかった。

だから、僕自身も想いを持った若手職員と、直接本音で意見を交わすことを大切にしてきました。

職員は一人一人きちんと仕事をやっていて、藤沢をどうしていこうかという熱い想いを持って議論しているんです。職員がしっかりしていれば、必ず良い市政になる。みんなの想いが発揮され、実現すれば、結果的に全体として良い仕事、良い市政、そして良いまちが作れると思います。」

弘重「そういう風にどっしり構えてもらえると安心感があるし、よりこの市の為に働きたいという想いが増しますね。」

藤間さん「若い頃から、働くことってどういうことなのか、みんなが働きやすいってどういうことなの?って何度も考えてきたことが良かったのかもしれない。自分が副市長としてどう働いていくべきかを考えた時に、職員が力を発揮できるように環境整備をすることが僕の仕事だと気づいたんです。」

一人一人が、例えば福祉であったり、環境や教育、経済や都市基盤整備など分野ごとにその道で熱意を持って何年もやってきているから、私よりも断然知識もあり、よく分かっている。だから、職員を信頼するべきだ、できるだけ任せるべきだと思うんです。

みんな心の奥で良い仕事作ろうよって熱意を持っているから、それを表に出してあげれば、必ず良い結果が出るはずです。」

笑顔で語る藤間さんから、藤沢市の職員が持つエネルギーを信じて、互いに信頼しながら、職員が一丸となって一緒にまちづくりを進めてきたことを感じます。

町を多面的に見て、この大きな都市をどう作り込んでいくのか。
その答えを一人一人の職員を信頼し、一緒に作り上げてきた藤間さんの頑張りが、今の藤沢に繋がっているのではないでしょうか。

現場第一主義にこだわる。

藤間さん「例えば、教育委員会に配属された時は、先生方と随分話をしましたね。国は学習指導要領などで最低限のことを決めているけど、藤沢市にあったやり方は自分たちで現場で作っていかなければならない。だから、現場のことを一番分かっている先生方と意見を交換したり、実際に子ども達の表情や授業風景も何度も見てきました。

こちらが意図したことより、子供達の方が進んでいることもあったな。子ども達の吸収力ってすごいから。最初に予算をつけて用意したものじゃ足りなかったら、その都度子ども達自身で工夫して修正していたよ。」

とことん現場主義で、時には切り込み、ぶつかりながらも何度も関係者と議論を重ねてきたこと、働くということに責任を持ってやりきるというスタンスを感じます。

弘重「受け渡されたプロジェクトを自分の子供のように育てていく感覚を持てなかったり、一歩踏み込んでガツガツいけずに詰まった時はありましたか?」

藤間さん「ありますよ!たくさん!最初のうちは、志しもなくなんとなく市役所に入ったから、いい加減なやつだったんですよ。でも、その後人生で2度ほど、立ち止まって考えた時がありました。これまでの働き方を自分自身で見直してなおさなきゃってね。そこでまた、リセットして目の前のことに真剣に向き合おうと思いました。」

時には立ち止まり、自分を振り返りながら、ご自身のあり方を更新してきた藤間さん。
一緒にお話をさせていただき、まちづくりを多角的に捉え、学びを積み重ねてチームと一緒に住みよいまちを作っていくことの面白さを改めて感じました。

<この人をゲストに推した私の想い>
藤沢市という、これだけの人を抱えた大きなまちをまとめ上げていくには、相当な経験値と情熱が求められるのだと思います。

藤間さんの働き方、仕事に向ける想いを感じ、まちづくりに携わる身として、背筋を正された思いです。
とても学び多い時間でした。

藤間さんがこれまで働く上で大切にしてきたことの中に、私たちが持っておくべき心得やスタンスが沢山凝縮されています。一緒に働きながら、側でこの人を感じられたらどんなに良いだろうと思う方です。皆さんにもこの熱量を隣で感じてもらえたらと思います。


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shigotokaigi

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