見出し画像

【ゲスト紹介#5】「人が持っている可能性を生かしたい」」|篠崎ロビン夏子さん/ICU4年生・TECHRISE Founder

〈何に命を燃やしているか〉
「人が持っている可能性を生かしたい」

大学3年生の時、日本人たった2人でネパールに渡り、現地ネパール人学生のプログラミング教育支援を行うTECHRISEを起業した夏子さん。
なぜ夏子さんは異国の地、ネパールでの起業を選択したのでしょうか。
そこには、訪れたネパールで死を覚悟するような強烈な経験と、現地の人々への想いがありました。


〉なぜネパールでの起業に至ったのですか?

元々、ネパールに行こうと思ったのは、10歳の時、インドネシアでのストリートチルドレンの実情を目の当たりにしたことがきっかけだったんです。
彼らは全然可哀想な人たちなんかじゃなくて、可能性も能力もあるのに、生きる場所が違うだけでその可能性を生かせない彼らをみて、何かできることがあるんじゃないかと思って。
それから、より深く現地を見てみようと思って同じ途上国だったネパールに飛び込んだんです。

そのちょうど1ヶ月目くらいに、ネパール大震災があったんですよ。それがすごく大きくて、8000人くらい亡くなった大きな地震でした。

〉それは大変でしたね…

はい。私も数日間は路上で寝てたりしていたんですけど、そんな時にネパールの人たちが手を差し伸べてくれたんです。自分たちだって何もないのに。
特にネパールの若者たちが瓦礫でいっぱいのなか立ち上がって、自らバイクを走らせ物資を現場に届けたり、Facebookグループを立ち上げて支援活動を始めていて。
国際機関でも支援できない場所まで彼らがカバーしていて、本当に能力とかパッションがある人たちなんだなっていうことを痛感しました。

〉震災がのちにネパールでの起業の意思を固めたポイントだったのですか?

やっぱり震災での経験がいちばんおおきかったですね。東北の震災後もNPOや会社を立ち上げる人たちはいたと思うんですが、やっぱり自分の命が危険にさらされた時に、突き動かされるものがあるというか。
ネパールでの地震は、本当に死ぬかもしれないと思ったので、そこで自分の人生をどう生きていかないといけないのかを考えた時に、やっぱり人の繋がりが大切だと思ったんです。ビジネスしたいというよりも、もっと根底には人との繋がりをより濃く、深くつくっていきたいという想いがありました。

そんなネパールでの被災経験を経て一年後、日本に戻って何かしたいなと。
地震での経験を通してネパールが戻りたい国になったんです。助けてくれた恩返しと、彼らが生き生きできるような、もっと選択肢を活かせるなビジネスや事業を作りたいというモチベーションで起業を志すようになりました。

〉ネパールへの思いを強めた夏子さんは、その後アメリカに留学し、スタートアップ界隈でビジネスの興し方を勉強。そんな中、アメリカではプログラミングスキルを身につけることで多くの報酬を得て、経済的に自立していることを知ります。当時同じ留学先で、プログラミングを学ぶ日本人学生(のちの共同創業者)と夏子さんは「これならネパールでも活かせるかもしれない!」と直感したそうです。

〉早速オンライン上でプログラミングスクールを開設し、3ヶ月間ネパールの学生にプログラミングのレクチャーを始めたところ、3ヶ月学んだ生徒が、早速アメリカで雇用契約を獲得します。この結果を目の当たりにして、やっぱりできる!と確信し、現地ネパールでのプログラミングスクールを始めました。


〉TECHRISEの活動は順調に進み、プログラミングを学んだ学生が、アプリ開発の仕事を得るなど、着実に成果を上げていきました。
しかし、異国の地で経済的・物理的に自給しなければならない厳しさ、事業継続の難しさから共同創業者の1人が脱退してしまうことに。

〉一度は夏子さんも帰国を余儀なくされ、TECHRISEのチームも瓦解しかけました。しかし、もう一度ネパールの学生たちとTECHRISEの活動を始めることを決意した夏子さん。

〉恐怖とか、怖いことに対して逃げたい、離れたいと思うのが普通ですが、もう一度やってみようと思えたのは何故ですか?

なにが大事かって考えた時に、やっぱり向こうのメンバーのことが大好きなんですよね。だから頑張るならみんなのためにっていう思いがあって。元々リーダー気質でもないし、エンジニアでもないですが、リーダーとしては引っ張ることの中で、自分の役割がチームを作ったり、つなげることだって思うようなって。そうしてチームへの想いも深まっていったんですよね。

〉その後、新しい日本人パートナーとも出会いTECHRISE初期の現地メンバーがスタッフにもなり、今でも事業は継続しています。


〈最近脳が痺れたこと〉
〉再びTECHRISEの活動がリスタートし、Facebookに就職も決まった夏子さん。最近どんなことにハマっているのか聞いてみました。

今は、ネパールの現地チームがやっと自主的にあれやりたいこれやりたいって言うようになりましたし、このインパクトを東南アジアの他の国にも生みだせれたらなって考えています。

〉では今後は会社に入社して力をつけていこうかなという感じなんですか?

両方やるつもりで考えてます!

〉えー!そうなんですね!

本業ともう一つの仕事を両方やるというスタイルをもっと広めていきたいなという思いもあって。就職した大学の友達と話していると、仕事一本になって、学生の時にやってきた社会的な活動だったり、自分は世界の中で何をして生きたいのかを考えていたのに、そういうことができなくて寂しいと思っている人も多いんですよね。それなら、軸とか好きなことをやりながら自分の仕事をやって行くというのもアリなんじゃない?というのを実現させてみんなにも広めていいたいなって思っています。

これからもいろんな人にいろんな機会を提供できる人になりたいなって。
Facebookで実力をつけ、途上国の人たちが活躍できる場の幅を広げていきたいですね。ポテンシャルも能力もあるのに埋もれた人たちが途上国にたくさんいることを自分の目でずっと見てきましたから。その上でプログラミングっていうのは魅力的ではあるんですけど、自分の中では手段なので、別の事業やるにしても根底の思いは変わらないのかなと思います。


〈なぜ引き受けてくれたのか〉
最初は一度断ったんですよ。自信がなかったというか、実績も出してないから。本当に伝えられるものがあるのかなと思って。ただ、挑戦の仕方は人それぞれいくらでもあるということは私からでもみんなに伝えられる部分だったし、参加者やゲストの方と双方向の対話で、考えを深められると思い、参加を決めました。こういう対話形式だからこそ行きたいと思えたんです。振るわない時もあると思うけど一緒に頑張っていうこう!って応援しあえたら良いなって思います。

〈参加者のみんなにメッセージ〉
いろんな挑戦をする中で見えてくることがあると思うので、話を聞く中で、私も挑戦したいと思ってもらえたら嬉しいなあって。
ペーペーだからあんまり偉そうなことは言えないんですけど、頑張ってきた中で多分こんなことしたい、あんなことしてみたいという風にいろんな想いも新しく生まれたので、是非みなさんにもそういう思いを持ってもらえたら!



〈この人をゲストに推した私の思い〉
夏子との出会いは、大学1年生の春でした。同じ寮に入寮した時の印象は、底抜けに明るく、英語がペラペラで、自分をしっかり持っているちっちゃい女の子。田舎から出て来た筆者にとっては出会ったことのない人種で驚きました。
大学生活の中で夜のキャンパスを散歩しながら将来について話したり、互いに寮を出てからもお互いの近況をskype等で共有したりする中で、いつもまっすぐに自分のやりたいことを見つめ、それを実現させるために、フルパワーで突き進んでいる夏子から僕はとても多くの刺激をもらって来ました。シゴトカイギのゲストを考えた時にも、自然と顔が浮かんできて、多くの人に彼女のパワーを届けたい!と思いました。
自然と周りにいる人が楽しくなってしまうようなそんな力を持っている彼女のテーブルは、きっとパワーを感じられる場になります。お楽しみに!
(By夏子さんを推したシゴトカイギメンバー向くん)

【お申し込みはこちらから】


インタビュアー:弘重裕子、北埜航太/記事:北埜航太

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?