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投資マネーは収益を求めて“人の居ない社会”への投資へと向かう。その1

怪談のような話だけど…これが現実なのかもしれない。
これまで国際金融資本とグローバリスト連中は“儲けるため”に消費者や企業や国を操作して、テロ、恐慌、イデオロギー、消費、法人需要、産業資源、人の寿命……など、あらゆる人的環境(=実体経済)を利用してきた。
しかしそれですらもはや、実体経済と金融経済(投資経済)の乖離は止められなくなった。
なので彼らの投資対象は今後『人の居ない世界』へと向かう。
ヒトの代わりに彼らに“儲け”をもたらすのはAIと自動取引だ。

極端な例を出してみる。
以下のような会社が出てきてもおかしく無いのだ。

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ウチの会社は社員を全く雇わず
成長する会社です。
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事業推進は全てAIとロボテクスです。
提供サービスも法人が開発したAIやRPA(Robotic Process Automation)の自動最適化です。そのしくみ自体の最適化もAIが日々高速でやっていて、対応可能顧客法人数も一日あたり10%ずつ拡張してます。サービス提供はクラウドのAPI型で販売は全てオンラインで対面は全くありません。なのでDailyで3%ずつ売上拡大します。
人を全く使っていないので必要リソースはサーバー拡充のみで『資源枯渇』はありえません。サーバー拡充契約も顧客数に合わせて自動で契約更新するような契約をAWSと結んでいます。
さてさて、この会社の売上推移は2年で以下のような感じになる。

普通に中学生くらいの数学をマスターしてればこれは理解できるだろう。この日別伸長3%の計算式だと一日売上100円からスタートしても、二年後の最終日の売上は年商換算で83兆円だ。グローバルのトップカンパニーを軽く上回る。

ただ問題はこの算定式の指数関数的な売上伸長ではない。
この状況を逐一公開していれば、半年以内くらいにグローバルマネーがこの会社に流入する。別にこの会社の事業は、ハードウェアも工場も保有せず粛々とAIが動いてるだけなので、そんな巨大金額の投資は必要ない。だけど巨大な儲けを求めて金融業界・投資家の投資合戦が繰り広げられるだろう。この会社の年商は初年度末時点ではたかだか17億円換算に過ぎないのだが、流入する投資額は軽く数百億円を超えるだろう。
そして投資家が大好物の『時価総額』は簡単に1兆円を超える……。

はてさて?それってどういうこと?
この会社って実体経済に対してどんな貢献してるのかしら?

==この会社==
●雇用は全く創出してない
●消費も創出してない。
●人々の生活も変えてない
●法人に売れてるということは法人ニーズは満たしているだろうが、
それは既存AIやRPAの効率化ニーズ(代替ニーズやコスト削減)に過ぎない。
●地球貢献や社会貢献も特にしてない

この会社の存在意義って何?
投資金融が儲けるためだけに機能する仮想経済会社?

この極論が笑い話ではないのだ。
今まさに世界中で起こってることだ。
ちょっと古い記事だけど、以下時価総額ランキングのここ30年比較。
今や世の中には時価総額50兆円以上の企業が乱発しているのだ。

これを見て『シリコンバレーに席巻された!』とかはあんまり気にしないで欲しい。一番見なきゃいけないのは企業の時価総額の桁が一桁増えてる! ことだ。でもこの辺の上位企業、その金額に見合う経済価値や社会価値を我々にもたらしてるかしら?

投資行為そのものも、もはや
人間の意図による操作を超えてしまうところまで来ている。
さらに、今の大企業の成功=“時価総額が全てという金融評価査定の変化によって、ほぼ全てのグローバル企業が事業会社ではなくて投資会社へとシフトする経済へ変わってしまった。日本で言えばソフトバンクなどの通信&IT大手、そしてシリコンバレーのGAFAも今や事業会社というよりは投資会社だ。
以下、Forbesが発表してる有力企業2000。こちらは経常利益額を参照してるので、投資金融が信奉する時価総額ランキングよりはもう少し実体経済に近いはずだ。


投資金融が作ったしくみや不可思議な評価経済

『モノやサービスを作るよりも、資産となりそうな会社に投資して、その資産価値を増やして時価総額を吊り上げる。』

なにしろ今や金融経済は、実体経済の100倍の評価資産に水増しされている。PL(損益計算書)なんて“メモ用の裏紙にもならない?!
という価値観に変わってしまった。

でも、こんなおかしなことはない。
時価総額が仮に1兆円あったとしても、我々の生活には1円の足しにもならない。投資家が『儲かりそうだ』という評価額が1兆円ということで、1兆円分の“豊かな社会貢献”してくれるわけじゃないのだ。この水増し評価金融社会……もはや、かつてイングランドの哲学者トマス・ホッブズが語ったリヴァイアサンそのものだ。
いやいや!経済と社会のゴールが違うでしょう。
人々の生活と人生に貢献しない水増し経済ってなんですか?

その2に続きます。