ITダメ社長

ITダメ経営者は実在しない。新しいことダメ経営者が居るだけだ!

以下の記事、非常に共感した。

これと全く同じ幻想が経営のジャンルで喧伝されてると感じる。
その筆頭が『ITダメ経営者』という言葉。
日本には『ITがわかってない経営者が多いから世界に乗り遅れてる』という“逸話”だ。

これもっともらしいんだけど、ちょっと考えて欲しい。
ITわかってる経営者とITわからない経営者のギャップってどれほどあるだろう?もちろん、元エンジニア出身でプログラム開発経験のある経営者も沢山いるだろう。彼らは果たして成功してるだろうか?
逆に、純・文系だったり体育会系でもIT企業やテクノロジー企業を急拡大させた経営者も沢山いる。

後者の経営者はITのことを必死で勉強して凄く詳しくなって経営したのだろうか?わかり易い例だとソフトバンクの『孫さん』とかが良い例だと思うけど、確かに勉強もしただろうし知識は身に着けただろうが、別にそれで成功したわけじゃないよね?

結論を言うと世の中で『ITダメ経営者』とか言われるのは、ある意味”ITベンダー業界”の、プロパガンダというかレトリック(rhetoric)だ。
以下のような人のコトを『ITダメ経営者』と呼んでるだけで、実は幻想である。本当のところは『戦略&チャレンジ・ダメ経営者』なのだと思う。

●自分がわからない分野に手を出さない経営者
●自分が弱い分野について意思決定しない経営者
●自分と異なる世代や文化圏、価値観のスタッフと会話ができない経営者
●保守的で『守り型
の経営者
●現行の数字でしかモノを判断できず、未来が読めない経営者
●自分が疎い分野の専門家を上手に使えない経営者
●想像力や推察力が弱い経営者
●チャレンジができない経営者、投資できない経営者

とは言っても、日本の経済界に、このタイプの経営者が異様に増殖してしまったというのも事実だ。その状態だと、この不確実性とチャンスの時代に一歩も前に進めなくなる。

いずれにせよ、
ITベンダー諸氏は事実を脚色するのは止めた方が良い。デジタル予算を増加させる吹聴のための『ITに弱い経営者はダメ』論は止めよう。
『戦略&チャレンジ・ダメ経営者』に対して、『ITを入れればこんなに経営が好転します』とか言い含めたところで、使われないシステムが導入されるだけだ。そして、『導入企業は多いが使われてないシステムやサービス』は日本のIT業界を歪める。

そして経営者諸氏に問いたい。
『自分の任期期間だけ会社を持たせれば良い。』という後期高齢者経営(苦笑)は止めてもらいたいな。たとえ自分は大失敗して叩かれても、次の世代に資産と教訓を残す経営をしようよ。