見出し画像

ポジショントークが増えた理由【その2 】

本記事の第一回は、昨今「自分が帰属する会社や仕事をしてるブランドに乗っかって自分を売る『ポジショントーク』のヒトが増殖しており、それはなんと、フリーランス界隈まで及んでいる!」という話を書いた。

もちろん、自分がご飯を食べてゆくために、営業に勤しむ、自己アピールに勤しむのは全然OK。僕も30代のフリーランス時代から、前のめり営業で過ごしてきた。

では何が引っかかるかというと、
今のビジネスパーソンやフリーランサーは全体を見てないというか、大局観がない…ことかな。とても近視眼&短期的なものさしでモノを見てる部分が気になるのだ。
自分の今居る場所の周辺だけで精一杯で、とにかく自己承認のストーリーをムリヤリ作ってる。市場の潮流や変化するそれへの自分のリポジショニングの観点が弱い……そんなところだ。
ITとかデジタルのフレームワークとか成功法則とかって、その時々のトレンドがあり、根底の概念そのものが一瞬で無くなったりする。
昔懐かしい職種=スキルでいうと『インフォメーション・アーキテクツ』とかかな。『データサイエンティスト』も今後機能分化していゆくと、この本体の言葉は無くなるかもね。それを売りにしてる企業も然り。

【自分レーダーチャートの例】

分かりやすい例で言えば、エネルギー業界の原発ムラの人たち。
311が起こるまではデジタル業界以上の巨大な影響力を保持する業界ムラだった。いや、実はそれは今でも変わってない。廃炉への移行も含めて「原発絡みで職にありついてご飯を食べてる人」は、むしろ増えてるんじゃないか?
そりゃ自分が生きて行くためには、色んなことから目を反らせて口をつぐむ。その村から足を洗う覚悟をしない限りは、不都合な事実は見ない、触れない、蓋を開けない。人類社会がずっと通ってきた道だ。

でも、そこまでのムラ構造の締め付けが強くなくて、アメーバの様に激しく変化してるデジタル業界で、ポジショントークな人が増えてる理由は何だろう???

これは、思うにコバンザメ型=「蛭(ヒル)型経済人」の特徴だ。自分が生み出したものを売って生活してるんじゃない人、お金のありそうなところに張り付いてその養分を吸い取って生きる人だ。

社会資産が蓄積して、人が何かを生み出さなくても、自動で収益が上がる仕組みが定着してくると、この手の人が増える。既に収益が上がっている仕組みの事業会社に出向いて行って、上手く立ち回って、自分の手柄(成果風)にして報酬と名声を享受する。

本来ならデジタル業界にこのタイプの人は少ない?はずなのだが、何故か我が国においては、異様なほど多い気がしてる。まあ、以前から良く居た外資系ホッパー※が、国内企業やフリーランサーまで含めたデジタル業種全体に広がったってことかな?
日本人で『一からイノベーションを生み出したい!』と思ってる人は少なくて、デジタル業界のトレンドに乗っかりたい人が7割くらい居る。これは、米国、欧州、中国、インドと比べても、極端に多い気がしてる。


予め断っておくけど、デジタルは今の単なるトレンドであって、唯一無二の正しい人類史じゃないよね?というか、GAFAにしてもシリコンバレーのスタートアップやシェアエコノミー企業にも、ぼちぼちボロが出始めてる
以下、最近の筆者の記事の引用。

言ってみればこの状況はまさに、1800年代初頭の産業革命後の混迷期に酷似してる。まだそこまで来てないかな。これから二段階・三段階の混迷に拍車がかかるのだろう。

ポジショントーカーが増えたのは、『先が見えない人々の不安感』を体現したものなのかもしれない。
あと、とにかく皆自分に自信がない……。あなたが頼るべきブランドは企業じゃなくて貴方なんだけどな。
実はどんなに職種とか企業が無くなろうが貴方は生きて行ける。あなたが透徹&達観した視野と毅然とした態度を堅持し続ける限りは。

逆に、必死になって自分(今のポジション)を守ろうとする行動そのものが貴方を追い詰める。そのことに気づいて欲しいな。