コイン01

サブスクは有りだけど『お金払ってることを忘れさせる』のは逆効果。

月額200円とか300円のサブスクリプションって微妙な金額だ。
そして危ない金額!でもある。

昔、i-modeでボロ儲け(失礼…)したdocomoさんが結果的にやってた(狙ってたわけじゃないけど)手法。顧客はアプリとかサービスを契約したこと(毎月の携帯利用料から引き落とされてること)を忘れてしまうのだwww

AmazonやZOZOの定期便ならモノが届くのでそんなことはないのだが、目に見えないサービスで請求が他のものとごっちゃになってる場合、あるあるな話。
これ、サービス事業者にとって、『ラッキー!』『このまま寝た子を起こさずに続けさせよう…』とか経営者はつい考えてしまう。

でも、この発想が一番まずいと思ってる。なぜか?
消費者はお金を払うことによって、商品とかサービスを評価していて、
お金を払う瞬間に・そのサービスを
『もっと使わなきゃ勿体ない』とか、『あ、こんな機能があったんだ…』とか、価値を再認識して使い始めたりする。逆に契約したことを忘れてる場合は使わなくなる。
『忘れ去られた支払って給与天引きの税金みたいなもの。
ポジティブな消費じゃないから……消費者はそのサービスの魅力も効果もあまり学ばない。

これ、結果として、
消費マインドを挫いていって、減退させる効果を生んでいる…んじゃないだろうか?
フリーミアム※も同様のマイナス面を持っていて、消費者は自分でお金を払わず、広告を見せられて、広告主がサービスの費用を負担してるモデル。
でも、自分でお金を払わないサービスに対して、消費者の思入れはどんどん“萎んでゆく。

しかも、メインデバイスがPCからスマホに移行した時点で、
広告は史上最大のウザいものに変化した。
広告が画面上で並んだ時点、またはPOPUPした時点で、消費者の情報取得欲求は半減する。

消費者側の意欲減退だけの問題ではない。
サービスサプライヤー側も、毎回の販売努力不要で継続収益がはいってるくので、サービスそのものの魅力改善は後手に回る。というよりも、そのサービスにホントに魅力があったのかどうか?判定できない状況に陥るのだ。もちろん、解約とか離反防止の司令は経営者から飛ぶけど、それはCRM部門に対してであり、
そもそも①利用意欲の低いユーザーを取ってしまったこと、
そして➁意欲が上がるように顧客育成しなかったこと
への反省はあまり生まれない。

こうして的を得ないSubscription施策が、経済全体を『真綿で首をしめるように縮こまらせている』

仕事で使うアプリやクラウドサービスは、使わないわけにいかない目的性の高いものなので、月額課金型は非常に合理的だ。

しかし、個人消費の対象としてのサービス月額課金は実はメリットとデメリットが半々くらいあると感じる。
使う意欲が無くなったサービスにお金を払い続ける消費者はいない(その人が契約したことを覚えていればね)。でも、使う意欲を喚起しよう!というマーケッターマインドがサービスサプライヤー側に無いケースが多いからだ(立ち上げ時には合ったはずだが、継続時していくうちに消失)。

その意味では、
定額課金ではなくてコンテンツを一つ一つダウンロードするたびにお金を払うという『単発購入型』行為は、
①商品力のテストと➁顧客の消費意欲のテスト を継続的にしていた!
ということなのだ。
サブスクにした瞬間にそれが“判定できなくなるというメカニズム。

消費者ターゲットのソフトウェアビジネスとかコンテンツビジネスは大きな岐路に立たされてると感じる。