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顧客体験価値・体験型サービスって何だ?

世は体験価値流行り
商業施設も店舗もサービスも、コト型・体験型を目指すべき!~という話になっている。

なんだけど、そもそも体験型とか体験価値ってなんなんでしょう?
それちょっと紐解いてみたい。
実は筆者が若い頃=1990年代の商業施設とか小売には「劇場型」という言葉が流行ったときがあった。こんな感じに使われてました。

あとももう一つのキーワードがライフスタイル型。生活提案という言葉も良く使われていたな。
「生活提案力のない企業・事業会社はNG!一億総生活プロデューサーを目指せ!」なんて言葉が語られた古き良き時代だ。
そんな時代から25年以上経ってみると、あの時代のちょっと歪曲されたライフイスタイル提案=憧れを喚起して高い物を売ってしまおう(等身大の自分じゃなくても…)という発想はちょっとこそばゆくてキナ臭い。
もっとちゃんとしたコトや体験を提供すべきだという気持ちになる。

今、シェアエコノミー、飲食やイートイン複合物販、ショールーミング型店舗、VRやARを駆使したリアリティのあるバーチャル系のエンタメ、などが恐らく体験型の急先鋒と思われてるだろう。
だが筆者は最近、別件プロジェクトで大手商業施設内の店舗をチェックしてみたのだが、残念ながら『異業種サービスをくっつけだけ』『空間を“にぎやかしてるだけ』『滞在時間は増えそうだが売上は伸びそうにない』『コトを詠って在庫を減らしたがために魅力に乏しくなってしまった』…等の傾向が強まってる。これって、コト型の本質を見誤ってるからだよね。

そしてもう一つ
等身大とか言いつつ、今の生活者の現実的な利便性に寄せすぎるケース。
これだと今度は……
①ただのコンビニになってしまう、➁ランドリーカフェ(コインランドリーにカフェが着いたもの)みたなベタな生活コンセプトに引っ張られる、③生活者の消費チャレンジ(衝動買い=生活変革)が起きなくなる……
そんなマイナス面も露呈してしまう。

なので筆者は今後のコト型・体験型のあるべきパタンを以下提唱したい。

●コトそのものに課金する。入場料・利用料を課金する。

●商品販促だけに留めず、ライフサポートを価値として提供する。

●商品在庫は置かずに、VRやAR技術でバーチャルに体験させる。

●VRやAR技術で生活者の実生活シーンや職場を再現する。

●顧客をビジネスそのものに参加させる。顧客をスタッフ化する。

●顧客間の商品やサービスのシェアやレンタルを支援する。

●VRやAR技術で狭い店舗空間を想像力の働く広い空間に変える。

●お洒落そうな生活ではなく「未来の生活
を提案する。

●テーマ性を持った顧客の集いや出会いを促進。

●滞留時間内に新しい気づきやサプライズを提供して、価値観を変えてゆく。

ポイントは単なる商品販促や集客策ではなく、顧客の生活感の中に入り込んで…予期しない何か、次の何か…を投げ込むことだ。
ただの便利さやお得さを提供するだけだと消費創造や生活創造にはつながらない。

ライフスタイルというお題目で集客するのではなく、利用した生活者の価値観や日常生活そのものが知らず知らずのうちに変化してゆく……そんな提案が必要なのだと思う。