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プラットフォーマーが壊した消費&市場経済を再構築する未来図と未来職種 その1

表現は悪いのだが、プラットフォーマーは消費市場を破壊した!と僕は捉えてる。
もうちょっと具体的に言うと、スマホと検索エンジンとSNSが(狙ったのではないと思うけど)生活者に対する『思考停止エンジン』として機能してしまい、かつ依存性のあるSNSは一日の生活時間を埋め尽くして奪ってしまった。結果として消費市場のデフレ化を助長していると感じるのだ。
スマホに見入ってる時間がもし無くなったら、人はもっと生活をより良く、楽しくする工夫をする・思考を巡らす…ように思うのだ。
以下、同じ様なことをジャロン・ラニアー氏が書いてるね……。

詳細は僕の過去記事や引用するスライドを見てもらいたい。
スマホは便利なツールだけど、消費を喚起したり生活者を刺激して新しいライフスタイルを生み出したりするような『シーン提示』や『選択肢(バリエーション)提示』が全く苦手な道具だ。ともすると“タイムライン専用デバイス”…に思えてくる。
しかし新興国には普及させやすい標準化された個人向けハードウェアであるという理由で、グローバリズムを信奉する各社はこのツールをひたすら世界に普及させることに躍起になった。まさに個人プラットフォーム。だけど、生き生きとした生活のプラットフォームにはならず、生活効率化(利便性)のプラットフォームになっちゃったね。

そして、スマホ上の人の行動をあたかも消費経済のKPIであるかのようにポジショントークするデジタル担当が居て、実は単なるレジツール&個人認証ツールでしかないスマホを、経済をささえてるかのごとく(嘘じゃないけど)吹聴し、他のもっと大事な部門(売場開発や商品開発やメディア開発部門)から予算を奪った

上記のEコマースの伸長率、確かに一見するとリアルでの販売は停滞して、スマホ上のオンライン売上が伸びているように見えるけど、それはスマホが決済ツールとして便利でかつその運用組織がローコストだからであって、スマホ上でモノやサービスがが魅力的に見えて選ばれて売れてるわけじゃない。既に価値を知ってるものを便利な手法で買ってる…というだけだろう。逆にスマホ自体は極端にデフレを助長してる。生活提案をして消費喚起を行ってるのはリアル施設および売れてはいないが雑誌の力がまだ大きいだろう。

しかし、この消費や生活を刺激しない『便利だけど』『依存性の高い』ツールに予算をつぎ込んでも経済は活性化しないと思う。むしろスマートスピーカーの方が中途半端な画面UIが無くて、遠隔操作(と言っても部屋の中だけど)できる分、ライフスタイルを変える要素を孕んでいる。
スマホは画面が小さいくせにGUIなので、多面的な機能を付加したり、クリエイティブやコンテンツ開発の工夫の余地がない。
なのでUIデザイナーは職を失い、プランナーも制限が大きすぎて何もできず、さして面白くもない(?)スマホサイトをひたすら運用する人に退いたりしてる。

そもそも、ヒトというイキモノは『便利だけど工夫の余地のないもの』を与えると『何も考えなくなる』傾向がある。
逆に『難易度は高いけど、試行錯誤すれば素晴らしい未来が開けるもの』を前にすると創造性が高まる。
2000年前後のインターネットの勃興期がそれだったな。何一つフォーマットが決まってなかったから、みんな手探りで工夫して考えていた。今の時代だとAI(人工知能)はそれにあたると思う。しかしAIは目に見えない
視界の中に大きく見えて人を刺激する…デザインやプロデュース次第で世界が180度変わってみえる…そんなデバイスが中心になり、その裏方としてAIが存在しないとダメだと感じる。

こんな状況を招いたGAFAには猛省を促したい(なんて日本的表現…笑)と思ってるけど、愚痴っても始まらないので今一度、新しい市場と創造性と夢のあるライフスタイルを我々の手に取り戻すための見取り図を定義しようと思う。

どんな空間とデバイスがあって、それを支えるどんな職種の人が居れば、
夢があって生活が楽しくなる未来が開けるのか?

その2に続きます。