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【遊戯王デュエルリンクス】2024年3月GRフェスレポートとラッシュリンクス入門

GRフェス終わってから随分経ちましたが結果はどうだったでしょうか?
自分は54位でリンクス、マスターデュエル含めて1年半ぶりに銀アイコンを取ることができました。
最近はなかなか遊戯王する時間が取れずまとまった練習時間も確保できてなかったので、KC形式の大会は全く勝てず、半分諦めて遊戯王から離れてましたが、久々に結果が出せて素直に喜んでます。

使用デッキは
事前準備していた【雷】と途中で握り替えた【GS】です。

土曜、日曜日しか走れなかったので、できる時間に集中して走りました。結果、対戦数は今まで走ってきたKC形式の中で最少の対戦数で銀アイコン取れました。3日間フルで走る時間がなくてもやり方次第で勝てる経験ができたことはまた1つ経験値になりました。

本記事では、事前準備と環境考察を中心にまとめます。WCSの種目になることが発表されたので、これから競技環境に参入してみようか考えてる人もいると思います。新規勢が知識0ベースでも今から始められるように、ラッシュリンクスのゲーム性と自分が実践した競技環境への参入方法にも触れようと思います。
必要な項目を拾いながら読んでいただければ幸いです。


1. ラッシュリンクスとは(リリースから3月以前の環境事情)

1.1 はじめに


自分はリンクス版ラッシュデュエルのことをOCGと区別してラッシュリンクスと呼んでいます。スピードデュエルのデュエルリンクスと併設する形で半年前にリリースした発展途上のゲームです。GRに向けて取り組んだ事前準備から書いてもよかったですが、現在のラッシュリンクス事情にも触れておいた方が環境理解できると思い半年間のラッシュリンクス事情について書いておきます。

見出しに「3月以前の環境」と敢えて書きましたが、3月以前と以降でラッシュリンクスの環境は激変しました。3月以前までがどういう環境だったのかを基本的ルールに沿って説明します。
ラッシュリンクスの始める上で最初に覚えておかないといけない基本ルールがいくつかあります。初期ライフポイントが6000毎ターンドローフェイズに手札が5枚になるようにドロー(5枚のときは1ドロー)、通常召喚権に回数制限がないチェーンの概念がないデッキ枚数が30枚以上40枚以下、スピードデュエル同様にモンスターゾーン魔法罠ゾーンは3つずつメインフェイズ2は存在しない、リンクス特有の追加要素としてスキルの存在があることです。
いきなり頭に入れておかないといけないことが多いですが、全部重要な要素なので1つずつ掘り下げていきます。

1.2 ステータスのラインについて


ライフポイント6000であることは現在のラッシュリンクスの攻撃力の基本ラインを語る上で重要な要素です。このゲームの攻撃力の基本ラインに下級モンスター1500、上級モンスター2500の2つの重要な数値があります。

一部例外を除くと攻守増減効果なしでは素の打点1500、2500が下級、上級モンスターの最大値です。攻撃力同様守備力も1500、2500がラインになりそうですが、守備力は少し事情が異なり、攻撃力と守備力が同じ場合守備表示モンスターは戦闘では破壊できないため、守備力も1500、2500を基準にカードデザインしてしまうとずっと守備表示にして引き籠ってるだけで勝ててしまうつまらないゲームになってしまうことをカード開発者はよく理解していたようで守備力のほうは低めのモンスターが多いです。上の画像のディアンケトのように、基本的には攻撃力1500、2500モンスターで破壊できる守備力が設定されています。
攻撃力の基本ラインを理解した上で改めて初期ライフ6000を考えてみると、最低でも上級モンスター2体と下級モンスター1体の攻撃が全部直接攻撃で通ってやっと0にできる数値だと言うことが分かります。下級モンスターだけで0にしようとすると、最低でも4体は直接攻撃通さないといけない数値です。実際は相手の場に壁モンスターがいるので全部のモンスターが直接攻撃で通ることはありません。基本ルールの毎ターンドローフェイズに手札が5枚になるようにドロー、通常召喚権に回数制限がない2つの要素があるので、毎ターンお互いに3体モンスターを展開すれば3体同士が殴り合うだけで直接攻撃は発生しないことになります。
ここで重要なことは、初期ライフ6000はお互いがモンスターを展開してモンスター同士殴り合ってる前提では、決して低い数値ではなく、むしろ高めに設定されているということです。下級モンスターのみで6000ポイント削り切るのは現実問題難しく、上級モンスターは勝負を決めるフィニッシャーという重要な役割を持っています。

1.3 コスト論(コストの概念、ずらすプレイ、ダブルコストモンスター)


上で少し触れましたが、次に毎ターンドローフェイズに手札が5枚になるようにドロー、通常召喚権に回数制限がない2つの要素について掘り下げてみましょう。カードゲームの基本であるアドの概念はラッシュデュエルでも概ね応用できるため、基本的にはアドを多く稼いだ方が有利に立ち回ることができます。従って、毎ターンの5枚ドローはラッシュにおいて最も重要な要素であり、なるべく毎ターン手札を消費して大量ドローを狙うのは基本的なプレイです。手札ははモンスターを召喚するか魔法罠カードを発動・セットすることで消費できますが、現カードプールではEXデッキか召喚できるモンスターが存在しないので、手札コスト要求カードを除くとモンスターを最も消費できる方法は上級モンスターのアドバンス召喚です。
ここで、ラッシュデュエルをやる上で一番難しいが最も重要な概念「コスト」について説明していきます。一般的にカードゲームにおけるコストと言う言葉は、カードゲームの種類によってコストには大きく2つの意味があり、1つはOCGやスピードデュエルにも存在するハンドコストやライフコストと言った「発動条件を満たすためのコスト」、2つ目はマナ制カードゲームのマナ要素に該当する「行動を縛るためのコスト」があります。適切な表現が思いつかなかったので上記の表現で区別しました。
言葉だけだと分かりにくいので具体例を見てみましょう。

上の画像のハンマークラッシュは今回自分が使ったデッキにも採用されてますが、ラッシュリンクスで使われているバック干渉札です。手札コストを1枚払うことで1枚魔法罠カードを破壊できます。手札を1枚捨てるという部分が「発動条件を満たすためのコスト」に該当します。
発動条件を満たすためのコストは発動条件さえ満たせば任意のタイミングで発動することができるカード。OCG、ラッシュのカードには手札やライフコストを要求するカードはあっても、別にマナコストが要求されることはありません。遊戯王のカードはマナ制カードゲーム視点で考えたとき全てのカードが0マナコストカードだと言えます。
ラッシュのカードは全て0マナコストカードであると一旦理解した上で、もう1度ハンマークラッシュの手札コスト1枚について考えてみましょう。ラッシュデュエルは毎ターン手札が5枚になるようにドローできますが、手札コスト1枚は軽いでしょうか?重いでしょうか?ラッシュ初心者が最初に勘違いしやすいことですが、ラッシュの手札コストは重たいです。5枚ドローできるから1枚の手札コストくらい軽いと考えがちですが、これは間違いです。
例えば手札が下級モンスター2体、上級モンスター1体、ハンマークラッシュ1枚、手札コスト1枚の計5枚だとします。このとき上級モンスターをアドバンス召喚とハンマークラッシュの発動両方プレイする場合、最終的に場に残るカードは上級モンスター1体のみです。手札5枚使って上級モンスター1体しか残らないのはかなり弱く、上級モンスター1体突破されると大ダメージを貰います。前述した3体壁モンスターがあればダメージを貰わない前提は、手札5枚の中で攻めと守りを両立しようとすると要求値が高くなり、5枚ドローしてもコストは重いです。

ラッシュデュエルの「発動条件を満たすためのコスト」が実は重たいことが分かりましたが、コストが重たい問題を解決する方法が2つあります。1つは発動ターンをずらすことです。ここで先述したマナ制カードゲームの「行動を縛るためのコスト」という概念が必要になります。手札5枚で重い手札コストも1回セットして次のターンの5枚ドロー込み計10枚を使ってコストを払うなら重いコストを軽減することができます。重い発動コスト要求カードを1回セットするプレイが疑似的なマナチャージのようなプレイになります。発動ターンをずらすというプレイはインフレが進んだOCGだとあまり馴染みがないですが、大昔の遊戯王では当たり前に行われてました。1例を挙げると激流葬ケアのモンスターセットです。

マスターデュエルのフェスで04環境体験イベントがあったのでやったことあるプレイヤーもいるかもしれませんが、激流葬をいきなり踏んでしまうと負けに直結してしまうのでモンスターセットから入り、次のターン反転召喚を行い前のターンにしたかったカードを次ターンにずらしてプレイして激流葬ケアは大昔は必須プレイでした。モンスターセットが疑似的なマナチャージにあたります。相手の妨害をケアするためとコストの重さを抑えるためのセットは若干状況が違いますが、重いコストを払って最終盤面が弱くなって負けに直結するリスクを回避する意味では類似しています。ラッシュリンクスでは「発動条件を満たすためのコスト」が重いため「行動を縛るためのコスト」が疑似的に発生しずらすプレイが頻繁に要求されます実際はラッシュリンクスも遊戯王なのでマナは存在しませんが、マナチャージと類似のプレイが要求されることがラッシュリンクスでは一番難しいところです。マナの概念が存在しないのにゲームシステムの関係からマナチャージと同等のプレイが要求されるため、プレイヤーはこのカードを今プレイすべきかずらして使うべきか対戦中に考えることが要求され、さらにデッキ構築の段階ではこのカードが何マナ相当に値するか正確に評価することが要求されます。親切にカードテキストに何コストかは書いてはいません。

もう1つのコストが重たい問題を解決する方法がダブルコストモンスターを採用することです。ダブルコストモンスターと言っても何のことか分からないので具体例を見てみましょう。

ラッシュリンクス現役のダブルコストモンスターアッシーホースです。召喚したターンに1体モンスターを墓地から回収するだけの効果ですが、ラッシュデュエルは通常召喚権に回数制限がないので回収してすぐ召喚することでモンスター2体が並びます。1体が2体に増えるモンスターを自分はダブルコストモンスターと呼称しています。ラッシュリンクスでは1枚が2枚以上になるカードは例外なく強いです。現在ダブルコストモンスターには何かしらの制約もしくはリミットによる枚数制限がされています。
ダブルコストモンスターの強さを具体例で見てみましょう。例えば手札が下級1体、上級1体、ハンマークラッシュ1枚、アッシーホース1枚、任意のカード1枚とします。ダブルコストモンスターがなかったときは任意のカード1枚が手札コストになってましたが、ダブルコストモンスターがいる場合はいくつか分岐が発生します。1つは、アッシーホースからモンスター2体にして上級モンスターをアドバンス召喚、下級モンスターを召喚してハンマークラッシュでバック1枚破壊です。この場合最終的に盤面には上級モンスターと下級モンスターが並びながら相手のバックが1枚破壊できました。上級モンスター1体しか並ばなかったときより1体モンスターが増えました。他の選択肢としてアッシーホースで回収したモンスターを上級モンスターの召喚に使わずにハンマークラッシュのコストにするパターンがあります。この場合は残りの任意の1枚のカードに手札コスト以外の役割が生まれます。もちろん、ハンマークラッシュをセットしてずらすプレイの選択肢もあります。ダブルコストモンスターが1枚あるだけで行動できる選択肢が広がり、ダブルコストモンスターは疑似的なマナブーストのような使い方ができるわけです。

ここまでラッシュリンクスと言うよりラッシュデュエルの基本的なセオリーについて説明してきました。ここまでの内容を一旦まとめると、ラッシュリンクスでは、打点ラインが存在すること、ライフ6000は高めの設定であること、コストの概念が存在することがポイントになります。

1.4 スキル


話題を変えて、OCGのラッシュデュエルにはなくラッシュリンクス固有の要素であるスキルについて見ていきましょう。スキルはデッキ構築する際、デッキと一緒に設定し、デュエル中にカードをプレイするとは別にスキルを使うことできます。結論だけ先に言ってしまうとラッシュリンクスで最も強い要素はスキルです。スキルは並のカード以上に強く、デッキ構築、プレイング、勝敗全ての面でスキルが絡んできます。
3月以前に環境上位デッキだった【バブリー】のスキルを1例に見てみましょう。

何が書いてるのかよく分からないですよね?ラッシュリンクスのスキルテキストはラッシュのカードテキストに似た様式で書いてありますが、「条件」と書いている部分はあくまでも発動条件のみが書かれており、構築や効果のデメリット部分は別に書かれているせいで少々読みにくいです。構築の制約は条件より上の欄、効果のデメリットがある場合は条件より下の効果欄に書いています。
スキルテキストの読み方が分かったところでスキル「バブリーフィーバー」の効果を見てみましょう。まず、構築の制約欄に採用できるモンスターの縛りが書いてあります。要約すると光属性、水族主体でデッキを組むこと、下級モンスターには採用の制約ないですが上級効果モンスターの採用には縛りがあると書いてます。上級効果モンスターを敢えて強調してますがこれについては後述します。採用カードの制約は攻撃力、守備力、レベル、種族、属性などいろいろなパターンがありますが、概ねアニメキャラクターのイメージに合ったカードを使うようにデザインされてます。リンクスはキャラゲーだという建前があるのでアニメキャラ無視してデッキを組むことに制約があるケースが多いです。バブリーフィーバーの場合は前述して紹介したディアンケトのキャラデッキなので光属性・水族を軸にデッキを組む制約があります。採用カードを制限するスキルが多いですが、制約に引っかからずに採用できるカードもあります。類似カードなのに下位互換だから採用されないはカードゲームあるあるですが、下位互換だけどスキルの制約に引っかからないおかげで下位互換が採用されるパターンもよくあり、スキル要素はカードプールの可能性を広げているとも言えます。逆に、カードプールを把握できていないとスキルを読んだだけでは何が起きるスキルなのか意味が分からず、カードプールを把握するのが大変だから新規カードゲームに参入するのを躊躇しがちな新規層に優しくない設計とも言えるので難しいところです。ラッシュリンクスはカードプールの把握が非常に大事です。
話が逸れたので戻します。採用カードの制約が分かったので肝心なスキル効果を見てみましょう。場のレベルが10以下になるように光属性・水族モンスターを選んで各モンスターの攻撃力を700アップさせると書いてあります。ラッシュリンクスの光属性・水族にどんなモンスターがいるか分からないと強さが伝わりにくいので1枚例に挙げてみます。

レベル4、攻撃力1400の通常モンスターです。ここまで読んでいただいた人なら下級の攻撃力のラインが1500であることが分かっているはずです。攻撃力1400のモンスターがスキルで700アップすると大変なことが起きることが何となく察したと思います。スキルを使うとただの下級モンスターが下級のライン1500を超えて2100ポイントの中級モンスターと同等の攻撃力になって攻撃できます。ライフポイント6000は高めの設定だと前述しましたが、あくまでもそれは素の打点同士で殴り合ってる前提の話です。バブリーフィーバーの場合は場のモンスター全ての攻撃力がアップするので最大2100、中級モンスター1体と同等のダメージ量になり実質4体で殴っているようなものです。流石にスキル込みのバカ攻撃力まともに通ったらライフポイント6000消し飛びます
スキルの強さを多少分かってもらえたと思うので、ちょっと視点変えてみましょう。もしもスキルがなかったらと考えてみると、攻撃力のラインが1500と2500を軸にデザインされているため、打点1500の下級モンスターですら同じ1500打点モンスターで相打ちするか、上級モンスターで殴る必要が発生します。2500打点上級モンスターに至っては上級モンスターでしか処理できなくなります。打点の大きいモンスターを打点の大きいモンスターでしか相殺できないゲームは、OCG黎明期の攻撃力こそ正義みたいなゲーム性を彷彿とさせてそれはそれで面白いかもしれませんが、相手のでかいモンスターが越えられなくて負ける消極的な対戦も増えてしまいます。スキルの存在はお互いに殴り合う積極的な対戦をしてほしいという運営の意図があるのでしょう。
先にスキルは並のカードより強いと言いました。上で述べたお互いのでかいモンスターが相殺し合うケースは、各種攻撃サポートカードをデッキ内に採用することで回避可能です。スキルがない普通のカードゲームなら当然デッキ構築に回答を求めます。ただ、デッキ構築に回答を求めると言うことは状況に応じて特定カードを引くことが要求され、引けなければ役に立ちません。ここで、もう1度コストについて思い出してみましょう。ラッシュリンクスのコストは決して軽くないので、ずらすプレイやダブルコストモンスターで補ってあげる必要があります。それは戦闘サポートカードにも当てはまり、せっかくタイミングよくサポートカードを引いたとしてもコストが払えない状況だと意味がありませんし、ずらすプレイをしてる間に相手の場のモンスターに攻撃されて負けてしまいます。しかし、スキルは条件さえ整えばいつでも使うことができます。つまり、スキルはコストの概念から外れた+αの確定手札ということです。スキルが並のカードより強い理由がこれです。スキルで勝敗が決まると言っても過言ではないほど、このゲームのスキルは最強です。

1.5 チェーンの概念がないとは


ルール関係について、最後の話になりますがチェーンの概念がないことについて説明しておきます。ラッシュデュエルにはOCGに存在するカード効果の発動に対して効果を重ね撃ちするチェーンの概念が存在し細かくルールで規定されています。ラッシュデュエルは子供向けという建前があるので多少複雑なチェーンの概念はなく子供でも感覚的に理解できるようにルールが整備されています。OCGをやっているとチェーンの概念が存在しない世界が想像しにくいのですが、チェーンの概念がない世界では相手のカードの発動に対して効果は一切発動できず、効果の処理後や相手が召喚したとき、攻撃宣言したときといったチェーンが発生しないタイミングで使える効果に限定されます。ターンプレイヤーが優先権を行使して発動したカードに対して相手は一切効果を発動できない状態なので、当然ですが効果処理の観点ではターンプレイヤー側が圧倒的有利です。OCGがお互いのターンに攻撃を繰り出す格闘技だとすると、ラッシュは攻守がターン制で完全に分かれた野球に近いイメージです。
少し話が逸れますが、チェーンの概念が存在しないのでOCGで言うところの場にいるだけで強い効果がある制圧モンスターは基本的には存在せず、制圧効果持ちモンスターは永続効果に限られます。永続効果の制圧と聞いて悪いイメージを持った人もいるかもしれませんが、この話は本文の内容と無関係なので深堀りはしませんが、ラッシュリンクスでは現在、永続効果の制圧モンスターは暴れていないので安心して始められることだけ強調しておきます。

露骨に強化が避けられている謎のカード

話題が逸れたので戻しましょう。チェーンの概念が存在しないということはターンプレイヤーが発動した効果は必ず通ります。特に除去効果は強力であり、チェーンして効果を発動できないので一方的に除去が通ります。前述したハンマークラッシュはコストは要求されても何でも魔法罠カードを確定で破壊できるわけです。
3月以前の環境で実際に使われていた除去カードをピックアップして2枚紹介します。1枚目は水分補給です。

前述した【バブリー】デッキで3枚確定で積まれていた魔法罠破壊カードです。モンスターが場にいる条件付きですが、コストが一切要求されません。ハンマークラッシュと違ってコストを考えずに引いたらすぐに打てます。更にこのカードよく読むとライフポイントが回復する効果がメインの効果であり、魔法罠破壊は使わなくてもいいおまけ効果です。つまり、相手の場に破壊するカードがなくてもライフ回復する目的としてのみ使うこともできます。ここまで読んで、コストの概念とライフポイント6000という数値が高めの設定であることが伝わっていれば、水分補給と言うカードがどれだけ強力なカードか理解してもらえると思います。ライフポイントを回復して長い対戦に持ち込むことは実質防御札です。除去と防御が一体となっていながら引けば引くだけ打てる水分補給は、相性いいデッキが環境にいないだけでラッシュリンクスを代表するパワーカードの1枚です。

もう1枚紹介したい除去カードは最強戦旗エースブレイカーです。

強そうな名前をしたカードですが【最強戦旗】というテーマ名のエースカードです。最強の名前を背負ってるテーマですが実装されてから1週間だけは本当に最強でしたが、もっと強いカードがすぐ後に実装されたせいで一瞬で最強から陥落した残念テーマでした。エースモンスターであるエースブレイカーは上級モンスターなので下級モンスター2体をコストに召喚して、さらに手札コスト2枚使ってモンスター1体破壊するコスパが悪すぎる効果をしています。このカードは概ね順当にコストを払って召喚されることが多く、ダブルコストモンスターのコスト軽減込みでも除去効果を使うにはあまりにもコストが重すぎます。効果を使うにはずらすプレイがほぼ確定で要求されるので1ターン生き残って次のターンに効果が使えたらラッキー程度に使い、主な役割は除去より打点目的で使われていました。3月以前の環境でも特別強くなかったエースブレイカー紹介しましたが、このカードの存在を知っておくと3月以降の環境で何が起きたのか対称的に分かるので敢えて紹介しました。
除去効果が強力なのは開発もよく分かっていたようで、3月以前は除去効果が容易に使えるデッキには厳しい規制や条件が設けられており、除去より戦闘をメインギミックに置いたデッキが多かったです。

上で、チェーンの概念が存在しないラッシュリンクスは攻守がターンで分かれた野球に例えました。ターンプレイヤー側が圧倒的に有利なことは事実ですが、非ターンプレイヤー側が無抵抗のまま攻撃を受け続けるわけではないです。ちゃんとアウトを取る手段が用意されてます。それが罠カードによる防御です。OCGで言うところの「妨害」とは区別して敢えて「防御」と表現しましたが、現在ラッシュリンクスでは相手の攻撃宣言時に発動する罠カードしか使われておらず、相手の攻撃を防御することが実質アウトを取る手段です。
3月以前に使われていた防御罠カードを1枚紹介します。

カード名をザ☆バリアと言います。ザ・防御札みたいな名前をしてるカードですが、相手の攻撃宣言に反応して墓地のモンスターをデッキに戻しながら相手モンスターの攻撃力を400ダウンさせます。打点のラインが下級1500、上級2500だと前述しましたが、打点の相場が決まってるため400ダウンさせるだけでも結構強く採用率が高かったカードです。
攻撃に合わせて攻守を増減させてカウンターを狙うコンバットトリックはラッシュリンクスではよく使われている防御方法です。非ターンプレイヤー側が不利なラッシュですが、コンバットトリックが成功した場合は非ターンプレイヤー側がものすごいアドバンテージが得られます。例えば、モンスター3体並べて相手の場のモンスター3体に攻撃したとき、コンバットトリックが成功して1体だけ戦闘破壊できず場に残ったとします。ターンが返ってきて自分のターンになり5枚ドローすると、5枚ドローに加えて場にモンスター1体いる状態からターンが開始するので、このターン使えるカードが5枚から6枚になっています。つまり、コンバットトリックの成功はずらすプレイやダブルコストモンスターと同等の状況が発生するわけです。
コンバットトリックが成功するかどうかが重要であることを説明しましたが、ラッシュリンクスには前述したスキルがあり、スキルで打点がコンバットトリックでは防御できない値まで上昇することもよくあります。ザ☆バリアも簡単にケアされやすいカードでしたが、条件が緩くコストでモンスターを回収することがむしろアドに繋がるので、コンバットトリック成功したらラッキー程度の延命札として使われてました。ザ☆バリア自体は採用率の高さの割には特別強いカードではありませんでしたが、コストでモンスター回収しながら攻守の増減は3月以降とあるカードたちに引き継がれます。これも比較として紹介しました。

以上長くなりましたが、ラッシュリンクスの基本的なセオリーについて説明しながら、3月以前のラッシュリンクスの環境について説明しました。

1.6 ラッシュリンクスの真理(ここだけ読めばいい)

ここまでの説明をまとめると以下のようになります。

  • ステータスには下級1500、上級2500のラインがある。

  • ライフポイント6000は高めの設定である。

  • コストの概念が存在し、コストは決して軽くなく、ずらすプレイやダブルコストモンスターが重要である。

  • スキルは並のカードより強く最も重要な要素である。

  • チェーンの概念が存在しない世界では、攻守が完全にターン制で分かれ、攻撃側の除去効果は強力であり、非ターンプレイヤーの主な防御手段はコンバットトリックである。

以上が概ね3月以前のラッシュリンクスのゲーム性でした。いくつかデッキについても触れましたが、環境デッキは【バブリー】、【最強戦旗】、説明はしませんでしたが【魔法使い】などのデッキが存在しており、比較的中長期戦になりやすい環境でした。


ここまで、長大な前置きをしてきましたが、ここからラッシュリンクスの真理について話します。

3月以前のラッシュリンクスには他の実装カードとは一線を画した別格に強い4枚のパワーカードが存在しました。

1枚目のパワーカードは粛聖のライトソーサラーです。

300ライフポイントを払って相手の場のモンスター1体の攻撃力を光属性・魔法使い族の数×300ダウンさせるシンプルな効果です。このカードが強い理由はコストが非常に軽く軽く、自身が光属性・魔法使い族であり、攻撃力が1200であること、つまり書いていること全てが強いからです。下級の打点ラインが1500のゲームですが、ライトソーサラーは単体でも1500モンスターと相打ちができる効果を持っており、効果使用済みのライトソーサーラーを使ってアドバンス召喚に使えば上級モンスターで打点が下がった相手モンスターを攻撃することもできます。似たような役割の下級モンスターは他にも存在しますが、コストが重かったり、条件があり、1枚で完結した戦闘サポート下級モンスターは希少です。さらにライトソーサラーはかなりの数のスキルの制約に引っかからないため、ほぼ全部のデッキに採用できる汎用性の高さがあります。3月以前の環境ではほぼ全てのデッキに採用されていたと言っても過言ではないくらい採用率は高く、ライトソーサラーがラッシュリンクス界の増殖するGです。
たしかに強力なカードであり、全デッキに採用できる汎用性の高さはありますが、カードパワーは良カードの範疇であり、良カードの中の最上位みたいなカードです。ただ1つだけこのカードには欠点があり、課金必須の構築済みデッキ限定カードだと言うことです。ラッシュリンクスはパックの通常弾と構築済みデッキの2つの方法でカードを集められますが、通常弾のほうはゲーム内アイテムを使って無課金でも集められる仕様になってますが、構築済みデッキは1箱限定でアイテムを使って買えますが、2箱目以降は課金限定です。3枚揃えるには1280円の課金が必須になります。1280円払ったら今すぐラッシュリンクス始められるとも言えますが、課金必須ゲームだと印象を与えかねないカードでもあると思います。
ちなみに自分は、公式大会がないオフシーズンに1280円払うのは高過ぎる、戦闘サポートカードは他にもあるのにわざわざ剥く必要はない、カードパワーがインフレしたら使われなくなると自分に言い聞かせて構築済みデッキは買いませんでした。3月以前は必須カードなしの縛りプレイをしてたわけですが、対戦相手に一方的にライトソーサラーを使われて、当然めちゃくちゃ負けました。3月以前は本当に対戦してて苦しかったです。

2枚目のパワーカードは右手に盾を左手に剣を(以下剣盾)です。

このカード自体はOCGにも存在するカードですが、レジェンドカードと言う特殊な扱いを受ける代わりにラッシュデュエルでも使えるカードです。レジェンドカードはルールでモンスター・魔法・罠カードについてレジェンドカードが指定されているカード群の中から各1枚ずつデッキに採用することができます。レジェンドカードは1枚しか採用できませんが、どれも唯一無二の性能をした強力なカードばかりです。レジェンドカードの中でも特に剣盾は抜けて強いです。打点のラインについて話しましたが、あくまでもそれは攻撃力がベースになっており、攻撃力が高いモンスターは守備力が低めに設定されている場合が多いです。相手が攻撃力高いモンスター3体並べてきたとしても剣盾を引くと攻撃力が貧弱なモンスターに変換され、逆に3体モンスター並べて殴ると勝ててしまいます。実質やってることはサンダーボルトです。ライフ6000は高めの設定はモンスター同士が殴り合う前提があって成立するので、実質サンダーボルト打たれて3体のモンスターに殴られたら流石にゲーム終わります。
剣盾は強力なカードではありますが、攻守どっちのステータスも高いデッキには刺さりが悪いところもあり、剣盾に耐性があるかどうかというデッキの強さ評価パラメータを生んだカードでもあり、環境の多様化に貢献してる面もあるため、強過ぎるがギリギリ良カードの範疇に収まっているカードだとは思います。

レジェンドカード繋がりで3枚目のパワーカードを紹介します。万能地雷グレイモヤです。

このカードもOCGに存在するカードですが、こっちのレジェンドカードは現ラッシュリンクス界で最も嫌われているカードだと思います。攻撃宣言時に攻撃力が1番高い相手モンスターを破壊する効果ですが、コンバットトリックが防御手段であり、そこに読み合い要素が発生するゲームでグレイモヤはコンバットトリックのような不確実な防御手段に頼らない確定除去をすることができます。現在ここまで緩い条件のノーコスト除去カードはグレイモヤのみです。コンバットトリックがスキルや戦闘サポートカードでケアされやすいのに対して、一部のデッキ除くとグレイモヤは魔法罠破壊による除去でしかほぼケア不可能です。プレイによるケアが難しいのに負けに直結する効果をしているため、グレイモヤが通るかどうかで勝ち負けが決まる性質上嫌いなプレイヤーは多いと思います。相手がブラフや、ずらすプレイで一旦セットしたカードなのか分からないが、グレイモヤなかったら勝ち、あったら負けだと割り切って突っ込まないといけない状況が頻発するせいで、グレイモヤを不幸にも踏んでしまったとき運で負けたと感じがちです。特に先攻1ターン目に伏せる先1グレイモヤが強力で、先攻側は相手より先にずらすプレイを取りながら次のターン先に5枚ドローできるのに、後攻側は初手5枚のみでグレイモヤを処理しないといけなくなり、処理できずにグレイモヤを踏むとそのまま負けに直結しがちです。先1グレイモヤはOCGで先攻スキルドレインセットされて後攻側が回答握ってなかったら即負けに近い感覚がします。1度やられてみると、このときだけはラッシュリンクスやめたくなります。
特に第1回GRフェスのときはそもそもグレイモヤに対する回答がカードプールにほとんど存在しなかったので、グレイモヤ伏せられるだけで負けが頻発したこともあり、第1回GRフェス以降はグレイモヤ対策のバック干渉札が大量に実装されました。前述した水分補給もそのうちの1枚であり、ノーコストのグレイモヤに対してコストが重いバック干渉札では対策にならないので、条件の緩いバック干渉札が多く実装されました。グレイモヤ1枚のために対策カードが大量実装されたことからもグレイモヤが相当環境を歪めていることが窺えます。バック干渉札が増えて以前よりはグレイモヤ引かれただけで即負けはだいぶ改善しましたが、バック干渉札は所詮引けなかったら意味がないカードであり、グレイモヤとはまだまだ長い付き合いになりそうです。

先1グレイモヤに限った話ではありませんが、先攻側は先にずらすプレイを取れるのに、先に大量ドローできるため先攻が基本的には有利です。環境が全体的に中速かつカードパワーが低いので、先攻の大量ドローをアドバンテージ差で返すのが難しいです。先攻が有利な理由がカードパワーの全体的な低さによる部分もあったので、先攻有利環境が解消するのにはカードパワーのインフレが追いつく1年先くらいだと3月以前は思ってました

4枚目のパワーカードは連撃竜ドラギアスです。
結論を先に言うと、ラッシュリンクスのカードプールに存在する全カードの中で単体性能で比較したときドラギアスが頂点に君臨するカードです。単体カードパワーでドラギアスより強いカードは存在しません。

効果はデッキの上から1枚墓地に送ると2回攻撃できるというシンプルな効果ですが、ラッシュリンクスの打点2500ラインのモンスターでありながら、あまりにも軽すぎるコスト、単体で最大5000ダメージ与えられるため、ラッシュリンクスの基本ルールに則った前提を全て完全否定しています。
OCGのラッシュデュエルはあまり詳しくありませんが、ドラギアスは初期カードプールから存在したカードでしたが、インフレが進んだ現代ラッシュデュエルでもデッキによっては採用される現役カードだそうです。カードゲームあるあるのカードパワーの強弱のラインが分からない初期カードプールに作られがちな調整ミスカードがドラギアスなのでしょう。現代ラッシュデュエルですら強いカードが発展途上のラッシュリンクスに来たら強過ぎるのは当然ですが、それは運営も分かっていたようで現在ラッシュリンクスでは、ドラギアス自身がリミット指定カード、ドラギアスを直接サポートするカードも全てリミット指定カード、アニメキャラカードにも関わらずドラギアスをサポートするスキルは存在しませんあらゆる手段でドラギアスのパワーを抑え込む運営の努力の結果が、ドラギアス最強です。

最強のドラギアスですが、1つだけ問題を抱えており、リミット指定カードのため汎用カードとしての運用はできないようになっています。バブリーのスキルのところでも触れましたが、ドラギアスがキャラ要素無視して汎用カードとして採用されるのを防ぐために、スキルの制約でドラギアスが採用できないようになっている場合が多いです。ラッシュリンクスのスキルにはキャラデッキ用のキャラスキルとは別に、キャラ要素がない汎用スキルもあります。ドラギアスを抑え込むための企業努力の結果、ドラギアスはキャラデッキが組みづらく、キャラ要素ガン無視した汎用スキルで主にデッキを組みます。デュエルリンクスはキャラゲーだと言う建前は何だったのでしょうか?ただ、運営もキャラゲー要素は押し出したいため、基本的に汎用スキルはキャラスキルより弱めのデザインになっています。ドラギアスと一緒に使われる汎用スキルを見てみましょう。

スキル「ハンマークラッシュディール」はハンマークラッシュを1ドローに変換できるシンプルなスキルです。ハンマークラッシュはコストが重いカードだと説明してきましたが、実質コストがスキルでなくなるため、このスキルもドラギアス同様、ラッシュリンクスの前提を否定しています。ここまで読んでコストの概念を理解した人ならこのスキルが強いことは理解できると思いますが、強いとは言え1回1ドローできるだけでスキルを使い終わればノースキルデッキと変わりありません。スキルが並のカードより強いラッシュリンクスにおいて、ノースキルデッキは大きなハンデを背負っていることになりますが、ドラギアスは並のカードではないため、実質半ノースキルデッキにも関わらずこのラッシュリンクスの環境上位に君臨しています

ここまで4枚のパワーカードを紹介しましたが、4枚のパワーカードを束ねてスキルハンマークラッシュディールを使ったデッキが【ハンクラGS(グッドスタッフ】です。汎用カードを集めただけのデッキですが、これが普通に強く、記念すべき第1回GRフェスでは【ハンクラGS】が1位でした。
【ハンクラGS】が強い環境は長く続き、3月以前は概ね【バブリー】【魔法使い】【最強戦旗】のキャラデッキに加えて、キャラ要素ガン無視した【ハンクラGS】の環境でした。この環境でGRフェスが開かれることはありませんでしたが、結果を予想すると【最強戦旗】はシンプルにパワー不足、安定感の高さは【魔法使い】と【バブリー】なので銀アイコン量産デッキ、上振れたら全デッキに勝ってしまう【ハンクラGS】が金アイコンには多かったと思います。第1回GRフェスと同じ結果では?と思われそうですが、実際それは正解であり、ラッシュリンクスを競技的に始める一番コスパのいい方法は、ドラギアスを3枚揃えて、大規模大会がある直前まではオフシーズン、大規模大会前にそのとき強い汎用カードを束ねて【GS】を組むことです。

実はラッシュリンクスはスキルを除くとサーチカードが存在しません。サーチカードが存在しないため、コンボパーツを集めるようなキャラデッキは毎ターンの5枚ドローでコンボパーツを集めるしかなくドローの要求値が高くなります。サーチカードがないのに5枚ドローで噛み合いハンドを要求されるカードゲームと聞いて察したかもしれませんが、ラッシュデュエルはめちゃくちゃ手札事故が起きます。事故らなくても状況に応じた手札をドローで揃うことを祈らないといけないので手札が弱くて負けはよくあります。これは逆も然りで、自分の手札は強いのに相手は弱かったから勝ちもよくあります。お互いがやりたいことやっていい感じに競り合うような対戦はどちらかというと対戦数全体で見るとマイナーケースです。こういう事情もあるため、コンボ性が要求されるキャラデッキより強いカードを束ねただけの【GS】のほうが手札事故で負ける対戦数を抑えられやすく、競技的に始めるなら組むことを推奨しています。
あまりにもキャラゲーを推しているデュエルリンクスを完全否定してますが、これがラッシュリンクスの真理です。

ここまで長い道のりでしたが、3月以前のラッシュリンクス事情でした。


2. GRフェスレポート(3月以降の環境、事前準備、GRフェスの走り方)


2.1 3月以降のラッシュリンクス

3月以降のラッシュリンクスはとんでもないインフレをしました。感覚的には1~2年分カードパワー、スキルともにインフレしたと思います。まだリリースして半年しか経ってない発展途上のゲームとは思えないほどのインフレでした。順番に見ていきましょう。

急激なインフレが進んだ原因はマキシマム召喚の実装です。

マキシマム召喚はOCGにはないラッシュデュエルオリジナルの召喚方法です。特徴として3種類で1セットのマキシマムモンスターが手札に揃った場合、1体のモンスターとしてコスト一切払わずに召喚できます。上の画像のユグドラゴの場合はユグドラゴ、ユグドラゴ[L]、ユグドラゴ[R]が揃ったらマキシマム召喚できます。マキシマムモンスターはマキシマム召喚しないときは他のカード同様に単体のカードとしてもプレイできますが、効果がなかったり弱めの効果とステータスになっています。マキシマム召喚した場合はマキシマムモードになり、攻撃力はMaximum ATKに書かれた数値、効果はマキシマムモードと書かれている効果と個別のカードが元から持っている効果を得ます。ユグドラゴの場合は攻撃力4000、罠カードの効果では破壊されず、相手の守備表示モンスターを攻撃表示に変更、レベル8以下のモンスターを1体破壊できる効果盛り盛りの化け物になります。マキシマム召喚は他にも専用のルールがあり、マキシマムモードのときは守備表示が存在せず守備力を持たない、守備表示が存在しないので単体のカードのとき守備力は全て0マキシマム召喚する際は場に既にいる自分のモンスターは全て墓地に送られる3体で1体分のモンスターとしてカウントするがモンスターゾーン3つ使うのでマキシマムモードの時は横にモンスターを追加召喚はできないマキシマムモードのモンスターをアドバンス召喚のためにリリースはできるが1体分として扱います。要約すると、揃ったら召喚できて効果強すぎるからマキシマムモンスター1体だけで戦ってねということです。

マキシマム召喚の実装は東京ドームで開催された遊戯王25周年記念で初解禁されました。余談ですが、東京ドームではOCGは当然として、スピードデュエルはVRデュエルが発表されたりと盛り上がっていたのに、ラッシュリンクスはマキシマム召喚と実装予定マキシマムモンスターの情報しか解禁されなかったので、ラッシュリンクス専業のプレイヤーからはラッシュリンクスは見捨てられたと嘆かれていました。

しかし、そこは運営しっかり準備していたようで他にも強力な新規カードとスキルが多く実装されました。マキシマム召喚以外の強力なカードも実装されましたがマキシマム召喚関係から先に見てみましょう。

まずは超魔機神マグナムオーバーロードです。結論だけ先に言うとマグナムオーバーロードが現在ラッシュリンクスに存在するマキシマム召喚を主軸にしたデッキの中では最も強く、環境でもtier1デッキ【オーバーロード】の主力モンスターです。
東京ドームで情報解禁されたときはユグドラゴ、オーバーロード、後述するハーピィと一緒に発表されましたが、その時点での評価はハーピィが最強、ユグドラゴも強い、オーバーロードは弱いとされていました。なぜこの評価になったのかは半分謎ですが、オーバーロードの単体性能が問題視されたからだと思われます。単体だとステータスが貧弱な下級モンスターと上級モンスターでありほぼバニラです。一応上級モンスターには罠カード破壊耐性があるのでグレイモヤに耐性がありますが、元の打点が上級モンスターにしては低い1900と貧弱なのでアタッカーとして期待するにはパワー不足です。マキシマムモードになると勿論強力であり、素の攻撃力が3500であることに加えて、自分のライフが低いときライフの差分攻撃力上昇、相手の場のモンスターを指定してレベル×200アップします。個々のパワーは低いが出たらどんな状況からでも一発逆転できる如何にもアニメ主人公用のカードです。
マキシマム召喚は手札にパーツを抱えないといけない性質上、手札にパーツをキープしながら、マキシマム召喚できるまでは単体カードとして使いながら時間稼ぎをする必要があります。ラッシュリンクスにはサーチカードが存在しないためパーツを揃えるためにはドローフェイズの大量ドローで揃える必要がありますが、手札にキープするとドローフェイズのドロー枚数が減ってしまいます。こういう事情から普通にデッキを組んでも現実問題マキシマム召喚を軸としたデッキは組みづらく個々の単体性能が重視された結果、オーバーロードは最弱評価を受けていたと思われます。しかし、こういった事情は運営もちゃんと理解していたようでマキシマム召喚専用スキルを用意してくれていました。

スキル「マキシマムロード」です。これが現在ラッシュリンクスに存在するマキシマム召喚専用スキルとしては最も強いです。効果は採用できるモンスターに縛りがありますが、手札のマキシマムモンスター1体を手札コストにして手札の任意のモンスターを裏側で召喚(出したターンに反転召喚可能)しながら、相手のモンスターの攻撃力を800下げます。さらにおまけでエンドフェイズに墓地にマキシマムモンスターをデッキトップに置けるので次のターンのドローで確定でマキシマムモンスターを引くことができます。効果あまりにも詰め込まれていますが、要するに手札にマキシマムモンスター1枚でもあれば手札の好きなモンスターを毎ターンコスト無視で召喚できるわけです。同時に墓地回収効果もあるので手札にキープするマキシマムパーツの枚数を抑えることもできるのでドローフェイズの大量ドローも狙うことができます
3月以前の環境ではダブルコストモンスターが強かったことを説明しました。スキルマキシマムオーバーロードは手札コスト1枚使って下級モンスターどころか上級モンスターも出せるので、実質マキシマムモンスターをダブルコストモンスターに変換できます。とは言っても出て来る上級モンスターが弱かったら強いデッキではありません。オーバーロードが打点1900なので800ダウンさせて2700以下戦闘破壊できるとは言えまだ許容範囲です。他の上級モンスターを見てみましょう。

メインアタッカーのセブンスロードマジシャン風使いトルネです。セブンスロードマジシャンは墓地のモンスターの属性の種類だけ攻撃力が上がる効果、トルネは手札コストを1枚使って相手のモンスターの表示形式を変更できます。セブンスロードマジシャンは強力ですが、特に厄介なのがトルネのほうで守備表示の壁モンスターを起こしてダメージを取りに行ける、守備力が低いモンスターが多いのでほぼ全部のモンスターを戦闘で処理できます。放置しておくと大ダメージ与えて盤面も荒されるので処理必須カードの2枚ですが、この2枚は素の打点が特別高くないせいで処理してダメージを与えると良い感じにライフポイントが調整できるため、ライフ差が調整できたら一発逆転のオーバーロードがマキシマム召喚されて一撃で逆転されます。
この強いモンスターで序盤、中盤攻めながら、最後はマキシマム召喚の一撃必殺で勝つ戦術がめちゃくちゃ強力で前評判を覆し【オーバーロード】が環境に食い込んできました。【オーバーロード】の環境入りから分かったことですが、ラッシュリンクスのマキシマムモンスターの強さの基準は召喚した時のフィニッシュ力が重要だということです。ユグドラゴはたしかに強い効果はしてましたがフィニッシュ力に欠けるため出したら即勝ちにならないのが評価を落としました。マキシマムモンスターは共通して高打点かつグレイモヤ耐性を持っているので召喚したターンはコンバットトリックもグレイモヤも受けないので無敵ですが、一旦ターンを返すと処理できるカードが複数存在します。召喚までにパーツを集める性質上どうしても中速デッキになってしまい、中盤になると相手も十分処理できる体制が整っており、フィニッシュできずにターン返すと逆に負けます。マキシマム召喚したらそのターン中に勝たないといけないがマキシマム召喚デッキの必須条件です。言い換えるとマキシマム召喚されると負けが確定するのでいきなり序盤にマキシマム召喚されて瞬殺されると初手でエクゾディア揃えられて負けたような気分になります。このときばかりはラッシュリンクスやめたくなります。

マキシマム召喚デッキでもう1つ環境に顔出したデッキがいます。

【ハーピィ】です。ハーピィはOCGのほうの環境デッキだったこともあり実装前から強いことが周知されてました。それは運営も当然分かっていたので、本体のハーピィ三姉妹は3枚実装ですが[L]と[R]は1枚ずつ実装となりマキシマム召喚を軸にデッキを組むのは難しくなっています。マキシマム召喚を軸にデッキを組むのは難しくなっている代わりに各パーツが単体で強く、加えて専用スキルがめちゃくちゃ強いです。スキル「ヒステリックフォース」はマキシマムハーピィモンスターかペット竜の攻撃力をレベル分上昇させながら相手の場が守備表示モンスターのみなら攻撃表示に変更できます。マキシマムハーピィがレベル5なので500アップした2600になるので2500ラインの上級モンスターを戦闘破壊でき、守備で耐えて来る壁モンスターを起こしてダメージを取りに行けます。これだけでも十分強いのですが、各マキシマムモンスターが本体の三姉妹は墓地回収しながら攻撃アップ、[L]が罠カード破壊耐性、[R]が罠破壊耐性を持っているので、超高打点かつ除去耐性で壁モンスター無視して殴ってきます。超高打点が出せるにも関わらずマキシマムハーピィは全てレベル5モンスターなので1体リリースでアドバンス召喚でき、ダブルコストモンスターなくても展開できます。マキシマムモンスターではありませんが、スキルに対応しているハーピィズペット竜も強力でハーピィの数だけ攻撃力も上がるだけでも強いですが、守備力2500が優秀であり、攻撃力2500ラインがあるラッシュリンクスで守備力2500は強固な壁モンスターです。モンスターの単体性能が全体的に高い【ハーピィ】ですが、更に更にすごいのがスキルに制約が一応ありますが、比較的緩い条件なので下級モンスターなら基本何でも採用できます。構築の自由度が非常に高いです。
ラッシュリンクスで強いことをこれでもかと詰め込んだ【ハーピィ】ですが、結果だけ言うと【ハーピィ】が3月GRフェスの1位デッキです。最強に見えるハーピィですが1つだけ問題を抱えておりマキシマム召喚実装記念カードでログインボーナスとして無料配布されたカードだと言うことです。

無料配布なので期間中にログインすれば誰でも手に入ります。今からラッシュリンクス始めるならまずはハーピィを組むのをおすすめします。マキシマムハーピィが単体で強いのに下級モンスターは何を採用してもいい自由度の高さなので、適当に下級モンスター詰め込んでデッキを組んでもデッキが成立し、始めたばかりでカードが揃っていなくてもすぐに強いデッキが組めます。とても初心者に優しいデッキですが、配布期間を過ぎると次回いつ手に入るのか保証はありません。デュエルリンクスというゲームは昔からですが、DCGなのにソシャゲ要素を頑なに曲げないせいで始めた時期でカードプールに差がつく問題があります。貰えるときに確実に手に入れるのが必須です。ハーピィは簡単に組めて強いのでラッシュリンクス興味あるんだよなあと言う人は今すぐ始めましょう

マキシマムモンスターは以上のユグドラゴ、オーバーロード、ハーピィの3種類が実装されました。ユグドラゴは残念ながらカードプールが不足していたこと、フィニッシュ力に欠けたため残念ながら環境デッキになれませんでしたが、オーバーロードとハーピィは環境でも十分戦えるデッキパワーがありました。

しかし、マキシマム召喚が実装されたことで1つ大きな問題が生まれ、マキシマム召喚が揃ったら勝つ性質を持ちながら強いデッキが組めてしまうと環境が絵合わせゲームになってしまい環境のバランスを取るのが難しくなったことです。環境がエクゾディアデッキだらけになったら微妙なゲーム体験が頻発するでしょう。それは運営もしっかり分かっていたようで、マキシマム召喚以外にも強力なデッキが他にも実装されました。これがマキシマム召喚実装の最大の問題で、リリースして半年しか経っていない発展途上のラッシュリンクスはまだカードプールが十分ではないのにマキシマム召喚を急遽実装したため、周りのカードパワーも急速にパワーアップすることになりました。1年くらいかけて少しずつカードパワーを上げて行けばよかったのに急速にインフレしました。

急激なインフレの結果実装されたカードとスキルを見ながら、マキシマム召喚デッキ対抗勢力を2つ見てみましょう。
まずは【ロイヤルデモンズ】です。

【ロイヤルデモンズ】は悪魔族のキャラデッキです。元々ロイヤルデモンズヘヴィメタルは実装済みでしたが、悪魔族のカードプールが充実してなかったこと、表側表示の低レベルモンスターを破壊して攻撃力をアップする除去効果を持ってますが低レベルモンスターは打点が低いので上昇値が小さい、条件が中級モンスターを使ってアドバンス召喚する必要があったためコスパが悪い、そもそも相手モンスターが裏側表示だったら効果が使えない、専用スキルが弱かったこともあり環境で活躍するにはパワー不足でした。
しかし、3月にマキシマム召喚実装と同時に強力な新規ロイヤルデモンズモンスター、悪魔族サポートカード、スキルが実装されました。特に強力だった新カードと新スキルを紹介します。ロイヤルデモンズインヴェイジョンは中級モンスター2体をリリースしてアドバンス召喚した場合、相手の場の表側表示下級モンスター全て破壊できます。ヘヴィメタルが低レベルモンスター1体破壊だったのが、条件が厳しくなった代わりに複数破壊ができるようになりました。これだけだとまず条件を達成するのがほぼ不可能なのでコスパ最悪のカードだったのですが、同時に実装されたスキル「ヘルチューンインヴェイジョン」がロイヤルデモンズが抱えていた問題全てを解決しました。このスキルいろいろ条件があってめんどくさいのですが大雑把に言うと、手札コスト1枚消費して相手の場のモンスターを全て表側攻撃表示にしてレベル4下げる、自分の場のモンスターを中級モンスターに変換できます。つまりロイヤルデモンズの中級モンスターが必要な条件、裏側表示モンスターしかいないと効果が使えない問題がスキルで全て解決しました。スキルによって、ヘヴィメタルの低レベルモンスターしか破壊できなかった効果は上級モンスターを低レベルに変換して破壊から馬鹿打点になる効果に、インベイジョンは手札コスト1枚使うだけで相手の場のモンスター全て破壊できる効果を条件無視して使えるようになりました。最強戦旗が手札コスト2枚使ってたった1枚除去していた3月以前からは信じられないインフレして、手札コスト1枚消費すれば全体除去が飛んでくるデッキが誕生しました。
一応スキルに攻撃制約があるのでワンキルは難しくなっていますが、制約込みでも上級モンスターを2体デュエル中に出して除去から攻撃が通れば6000ダメージ届く、攻撃制約を無視できるモンスターがカードプールに存在した、後述するカードによって後攻1ターン目から6000ダメージ与えられることが可能だったこともあり、ミッドレンジが主流だったラッシュリンクスに明確に速攻デッキと呼べるデッキタイプが確立しました。
GRフェス事前評価の段階では、分かりやすく強かったこともあり使用者最多、強さでも圧倒的tier1、互角に戦えるデッキ候補も少なかったのでtier0評価されることもあるくらい強かったです。結果的に概ねこの評価は正解でありGRフェスでの銀アイコン以上最多はロイヤルデモンズでした。

余談ですが、今からラッシュリンクスを競技的に始めたい人にはロイヤルデモンズを組むのがおすすめです。アニメ未視聴なので背景を自分は知りませんが、なぜかロイヤルデモンズを使うキャラがラッシュリンクスではめちゃくちゃ優遇されており、ロイヤルデモンズ関係のスキルは3つも存在し、ロイヤルデモンズ新規が継続的に実装されいます。新規カードが全く貰えないキャラもいるのに、なぜかロイヤルデモンズだけめちゃくちゃ優遇されているので当然環境での立ち位置がずっと良いです。多少カードを集めるのが大変ですが、競技的に取り組みたいならロイヤルデモンズは組んでおくべきデッキです。

話を戻してマキシマム召喚デッキ対抗勢力のもう1つのデッキを見てみましょう。

雷族モンスターを中心にした【雷】デッキです。【雷】デッキはマキシマム召喚の情報解禁がされた際には未発表だったため後から判明したデッキだったことや、アニメもマキシマム召喚も無関係のデッキが唐突に実装される形となり、判明当時はあまり騒がれていませんでした。実装されてから研究が始まったデッキでしたが、実装直後はtier1評価されるほど高い評価がされていました。
【雷】が何するデッキなのか説明するのは難しいですが、ラッシュリンクスの雷族は相手の手札が少ないときに強力な効果が使えるモンスターが多く存在し、それらのモンスターを駆使して攻めるデッキです。カードプールもそこそこ充実しているので他にも優秀なカードありますが特にメインギミックに関係する雷闘騎トリガードラゴストームボルトデストロイヤーセンサーダックビルの3枚に触れておきます。トリガードラゴは上級モンスター、素の打点が2500ありながらデッキトップ1枚送ることで300アップ、相手の手札が0枚なら貫通を得ます。2800打点で2500ラインのモンスターを戦闘破壊でき、条件付きですが貫通持ちの強カードです。デストロイヤーは相手の手札が2枚以下なら墓地のレベル4以下通常モンスターを蘇生できます。蘇生先に打点1500下級モンスターがいるのでこっちも強力なカードです。雷族の上級モンスターは今のところこの2枚のみですがどちらも強いので上級モンスター枠は十分です。下級モンスターも優秀でセンサーダックビルは手札コスト1枚要りますが上級雷族を墓地回収する効果があります。
更に雷族サポートスキル「ライトニングトリガー」も非常に強く、構築に制約はありますが、上級雷族を召喚・特殊召喚したターンに相手のモンスター1体を攻撃力ダウン、1体を守備表示に変更できます。攻撃力の下げ幅がレベルを参照するおかげで大抵のモンスターを処理でき、打点で超えられなくても守備表示に変更すればほぼ全てのモンスターを戦闘破壊できます。つまり実質ほぼ全てのモンスターを戦闘破壊できるスキルというわけです。強力な上級雷族を強力なスキルでサポートしてビートダウンするデッキが【雷】です。防御手段の中心がコンバットトリックだった3月以前の環境のパワー感で見ると、信じられないくらい強いカードとスキルだったこともあり、実装当時は非常に高い評価を受けていました。

マキシマム召喚と同時に【雷】が唐突に実装された背景として、マキシマムモンスターとロイヤルデモンズが共通して全て守備力0だったため、強力な2大勢力の抑止力として実装されたと思われます。実際、実装当時は2大勢力のカウンターデッキとして期待されていました。後述しますが、実装当時が【雷】のピークであり、研究が進むにつれて評価を落とし続け、GRフェス開幕直前にはtier3もしくは環境外と言われるほど環境の立ち位置が悪くなりました。OCG含めてここまで評価が180度変わった環境デッキも珍しい例だと思います。

ここまでは3月以降に登場した強力なデッキを見てきました。汎用カードも3月以降とんでもないインフレをしました。特に強力だった2枚のカードを紹介します。
1枚目は昂光天使エッセルです。

最初に結論を言うとこのカードは現ラッシュリンクスの下級モンスターで最も強いカードであり、最もリミットに近いカードの1枚です。
効果はデッキの上から2枚カードを墓地に送るだけですが、後攻1ターン目限定で自分・相手の墓地からモンスター1体何でも蘇生できます。後攻1ターン目限定の死者蘇生が下級モンスター化したわけです。ラッシュリンクスではダブルコストモンスターが強いとされていますが、エッセルで上級モンスターが墓地に送られてしまうと2体分のアドバンス召喚用のモンスターを踏み倒しながら自身が場に残るので実質トリプルコストモンスターになります。上級モンスターが落ちなくても下級モンスター蘇生するだけでもダブルコストモンスターになるので十分強いです。死者蘇生効果が強力なのはもちろんですが、単純に墓地肥やしカードとしても使えるので、デッキによってはいつ引いても仕事するデッキのエンジンカードになります。
エッセルはOCGのラッシュデュエルでつい半年前に発売されたばかりのカードです。まだリリースから半年しか経ってない発展途上のラッシュリンクスに実装して暴れないわけがなく、実装から現在までずっと環境で暴れ回ってます。環境ではロイヤルデモンズがエッセルを採用しており、エッセルの落ちが強かったら後攻1ターン目に6000ダメージ与えてワンキルが成立するときもあります。ラッシュリンクスが先攻有利なゲーム性だから後攻強くするカードを実装したのだと思われますが、流石に強過ぎます
エッセルは効果が現在のラッシュリンクスのカードプールで浮いて強過ぎるのも問題ですが、スキルの制約のせいで採用できるデッキと採用できないデッキが存在し、採用の可・不可がデッキパワー間格差を生んでいることが一番の問題です。個人的には、エッセルはインフラ枠の汎用カードなので、エッセルのおかげでストレスフリーなラッシュリンクスができるため、規制してほしくない派です。エッセルのおかげで先攻・後攻の優劣が緩和されている、コストが重い問題が軽減し多くのカードが使いやすくなっているところがあります。スキルの制約を調整して全デッキにエッセルを採用可能にすることでデッキパワー間格差をなくしてほしいですが、かなり難しいと思うのでいつかはリミット指定されると思います。もしくはエッセルと同等のカードをもっと実装してインフレさせるか。。。

2枚目は陰陽封陣です。

後述しますがラッシュリンクスのゲーム性を大きく変えたカードです。効果は墓地のモンスター4体をデッキに戻して相手のモンスター1体の攻撃力をレベル×200ダウンさせます。剣盾がノーコスト攻守入れ替えでしたが、マキシマム召喚は守備力を持たないため、出ると処理手段が少なく即詰みすることを危惧してマキシマム召喚に対しても打てる打点変更カードとして実装されたと思われます。下げ幅があまりにも大きいため打ったら大ダメージが入り、1枚で勝ちに直結することもあるパワーカードです。剣盾と役割が近いですが、レジェンドカードではないため複数枚積める、デッキに戻す条件がリソース回復のメリットにもなる点で差別化できています。
1点だけこのカードは問題があり、適切な採用枚数が意外と難しいです。ラッシュリンクスの採用枚数の考え方については後述しようと思います。


以上、3月以降の環境の変化をデッキと新規カードを見ながら説明しました。

まとめると
マキシマム召喚が実装
・マキシマム召喚の実装に合わせてカードパワーとスキルが急激にインフレ
超高打点緩い条件の除去効果コストの軽減化

GRフェス開幕前まで、3月以降に登場した【オーバーロード】【ハーピィ】【ロイヤルデモンズ】【雷】の4つが環境の中心でした。カードパワーもですが、特にスキルが3月以前とは比にならないくらい強くなったため、【GS】のような半ノースキルデッキや【バブリー】程度の火力のデッキはオワコンだと大半のプレイヤーは考えていたと思います。例外がありそうな言い回しですが、この環境の結末は後述します。


2.2 事前準備

ここまでラッシュリンクス事情と環境について説明してきました。ここからは、実際にGRフェスに向けて取り組んだことについて書いていきます。ラッシュリンクスの情報を知りたかった人は以降読まなくても大丈夫なので、自分の日記に付き合ってくれる人だけ読んでください。

自分は今回のGRフェス最初から銀アイコンを取ることだけを目標に取り組みました。今回のGRフェス告知が開催2週間前、とんでもないインフレした新弾とほぼ同時に決まりました。予定が合わず土曜、日曜しかまともに時間が取れそうになかったので金アイコン以上狙うには時間的に不利だと思い最初から銀アイコン1点狙いにしました。WCSの種目に正式採用されることが発表されたこともあり、ただの消化試合となった今回のGRフェスに向けて本気になれなかったところもあります。ただ、銀アイコン狙いでもWCS予選に向けて繋がるGRフェスにしたかったので、調整方法と走り方をこれまでとは変えてみて結果がどうなるのかを試すことで引出しを増やすことにしました。

自分はOCGのラッシュデュエルの経験がないので、カードプールをよく知らない、どのカードが強いのかはよく知らない、スキルが難解過ぎてパッと見ではデッキの動きが見えてこない、新弾が出たらまずは情報収集から入ります。今回は幸い露骨に【ロイヤルデモンズ】がスキルを読んだだけで強いと分かったので新弾出る前からロイヤルデモンズを組むことに決めてました。新弾実装前までは【オーバーロード】【雷】が注目されていなかったので、新弾はロイヤルデモンズ1点狙いで剥くことにしました。
新弾発売されてからすぐにロイヤルデモンズを揃えましたが、ここで2つ問題が発生します。1つは既存のロイヤルデモンズカードを持っていなかったことです。3月以前は無課金の味方【バブリー】を使ってたので既存パックを剥いてなかったツケが回ってきました。ここで既存のロイヤルデモンズを揃えに行っていたらGRフェスではロイヤルデモンズを使っていたと思います。もう1つの問題が【雷】が実は最強デッキでtier0だと騒がれていたことです。今思えば新弾出てまだ煮詰まってもいない段階でtier0評価されるのは意味不明ですが、ラッシュデュエルの知識がないので雷最強の流れに乗りました。ロイヤルデモンズを1点狙いしていたせいで雷のカードが揃っておらず追い開封させられました。
寄り道はしましたが最強と噂の【雷】が組めました。

ランクマでキングになったときの構築

早速ランクマに潜ってみると本当に【雷】が強過ぎて27勝で最高ランクのデュエルキングに到達しました。
デュエルリンクスのランクマの仕様ですが、最高ランクの昇格条件は5連勝が要求されます。5連勝要求がラッシュリンクスのなかなかの神仕様であり、1敗でもすると連勝カウントがリセットされ振出しに戻ります。3月以前の環境ではデッキパワー差が微妙かつ引きによる運が絡みやすいゲーム性だったこともあり、最適解取った上で運負けがよく発生し、5連勝がめちゃくちゃ難しかったです。あまりにも運負けが発生するので、3月以前はあまりにも昇格条件が厳しく、多くのプレイヤーが運が回って来るまで一生ランクマをやり続ける精神修行をしてました。あまりにも苦行だったため、キングになると修行から逃げたと逆に攻撃され、昇格戦負けてまた振出しに戻るプレイヤーを見るとよくやった飯がうまいと称賛されました。5連勝要求システムは人の本性を暴く神仕様です。
そんな神仕様のランクマですが、【雷】でほぼ負けなしの27勝でキングになれたので当時は最強デッキだと思ってました。実装直後の【雷】は本当に強くtier0評価されたのも振り返ってみると理解できます。

【雷】が強いと思っていたので練習してました。自分のデッキ理解が進むにつれて【雷】が結構面白いデッキだと気づき、気に入って使ってました。
自分は【雷】の再現性とリソース循環性能の高さに注目してました。【雷】の動きについては前述しましたが、上級モンスターが1枚でも引けたら1体の上級モンスターがセンサーダックビルの効果で使い回せるので継戦能力に優れています。上級を使い回すセンサーダックビルを使い回せるカードもあるので、1度デッキが回るとリソースを半永久的に回復しながら同じ盤面を再現できます。再現性とリソース循環性能が高いことは3月以前の運が絡みやすい環境にはない強みだったので、握っていて安心感がありました。

しかし、【雷】が環境トップを独走できたのは実装直後だけでした。研究が進むにつれて【雷】の致命的な欠陥が明るみになっていきました。
【雷】だけに限ったことではありませんが、第2回GRフェスは第1回目とは状況が異なり、GRフェス開幕前から環境デッキの研究がかなり進んでました
GRフェスの事前メタゲームの中心となったのが、ナナオさん主催の毎日ポイントバトルです。

第1回GRフェスのときはプレイヤー人口も少なかったためポイントバトルを開いても数人が調整してる程度でした。環境を研究する手が少なかったため第1回GRフェスは事前に強いと言われていた環境デッキよりもっと強いデッキが複数存在し、環境デッキがメタられたから環境が変わったと言うより、事前に研究しているプレイヤーが少なかったせいで、GRフェス中に新デッキが複数生まれる異例の結果になりました。
第2回GRフェスは開催前にWCSの種目になることが発表されたことが大きかったためか、競技環境に参入してくるプレイヤーが急激に増え、ポイントバトルは入室競争が起きるほど大盛況でした。スピードデュエルが100人ルムマになかなか集まらない現在のリンクスで100人集まったラッシュリンクスは、想像以上にラッシュデュエルに興味はあったけど始めるきっかけがなくて始められなかった層が多かったのかもしれません。1回目とは異なり2回目GRフェスはポイントバトルが大盛況だったおかげで環境が煮詰まっていったため、環境理解を深めることができました。

自分もポイントバトルで調整しようと思いましたが、開催時間と時間を合わせるのが難しかったので数回しか参加できませんでした。ただポイントバトルに参加してくるモチベーションの高いプレイヤーと調整できたので、数回の参加でもかなり収穫がありました。ポイントバトルの参加者はGRフェスに向けて本気の調整したいプレイヤーや調整中のデッキを試したいプレイヤーなど様々な目的で参加するプレイヤーがいますが、共通して一定のモチベーションの高さで参加してくるので環境を意識して調整できる機会です。モチベーションが高い分、概ねプレイングやデッキ構築のレベルはランクマよりは高いため、上位を狙っているプレイヤー層と調整ができます。GRフェスは上位を狙っているプレイヤーもいればカジュアルに参加するプレイヤーもいるので、ポイントバトルで上位に勝ち上れるデッキ=GRフェス上位デッキとは必ずしもならないですが、上位を狙える可能性は高いです。
自分も【雷】がポイントバトルでどこまで通じるのか確かめるために持ち込みましたが、結果はボロ負けしました。

敗因はいくつかありますが、一番大きかったのは対戦相手が手札をキープしたまま動いてきたせいでライフカット手段を失ったことです。【雷】は相手の手札が少ないときに強力な効果を発揮するカードを中心としたデッキですが、相手が手札をキープしていると効果が使えなくなります。特に貫通効果を持った上級トリガードラゴは相手の手札が0枚の時が条件なので1枚でも手札があれば、守備モンスター3体壁モンスターを毎ターン並べておくだけで【雷】はライフカットできなくなります。
【雷】が手札キープされるとライフカットできなくなることはテキスト読めば誰でも分かることなので、当然ランクマでもボロ負けしそうですが、ランクマではめちゃくちゃ勝てました。【雷】がランクマとポイントバトルで大きく勝率差が開いた理由を考えたところ、環境に手札をキープして戦えるデッキが複数いたこと、ポイントバトル参加者はうまいプレイヤーの割合が高かったからだと思います。
環境に手札をキープして戦えるデッキが多かったのは考えてみたら当たり前のことで、3月以前の環境は戦闘を中心とした中速ビートダウン環境だったため5枚ドローすることが重要視されてましたが、3月以降はマキシマム召喚があることを前提にした環境であるため、手札にパーツをキープしながらドローは最低限引ければ動けるデッキが増えました。ただ、対面雷は必ずハンドをキープしておかないといけないわけではなく、当然ドロー枚数が減ると展開は先細りしていくので状況を見てドローすべきであり、ドローのタイミングをしっかり読めるうまいプレイヤーに勝てる回答が【雷】はありませんでした。特に序盤はライフに余裕があるので中速デッキの雷はワンキル取るのが難しいので5枚ドローしてデッキを回して、中盤も防御が十分なタイミングではデッキを回すのが対面雷は大事です。
マキシマム召喚デッキである【オーバーロード】は当然手札をキープしてきますが、【ロイヤルデモンズ】も上級モンスターを2回通せば勝てる強みと3面展開が苦手な性質が合わさって結果的に手札をキープして戦うことが可能だったため、特にこの2つのデッキがきつかったです。

基本的に自分はKC形式の調整はランクマでやるようにしてます。マスターデュエルはもちろんですが、スピードデュエルも最近はかなり複雑な展開をするデッキは増えています。展開が複雑になると自分が使っているデッキを正しく回せるようになるだけでも強くなれるため、デッキを使えるようになるための試行回数としてランクマを利用しています。
ただ、ラッシュリンクスの場合は事情が異なり、ラッシュリンクスには展開系と言えるような展開は存在せず、ラッシュリンクスにおけるプレイングは、カードを切る順番や相手の盤面とトップを想像してリスクを計算した立ち回りのウェイトが高いです。3月以降環境は高速化したとは言え3、4ターンくらいは対戦時間かかるので、初手だけで対戦をある程度組み立てられるスピードやマスターデュエルとは異なり、中長期戦を最後まで雑にならずにプレイする必要があり、きっちり最後まで最適解を取ってプレイングするのは意外と難しいです。
3月以降環境のカードパワーが急激に上がったのに対して防御札はインフレは抑えめだったため、結果的に対環境の対策はカードではなくプレイングに求める必要性が生まれました。これらの事情から環境デッキに対してプレイングの回答を見つけられていることが重要になり、プレイングのレベルにバラつきがあるランクマで調整するとめちゃくちゃ勝率がよくなり、プレイングのレベルが一定ライン以上はあるポイントバトルだとめちゃくちゃ勝率が悪くなることに気づきました。ランクマで調整することがあまり有効ではないと感じました。

ランクマでの調整が有効ではないと感じたので調整環境を作る必要がありました。毎日ポイントバトルに参加するのは難しかったのでGRフェス開幕1週間前の週末にRafutaさん主催のPRGFに参加することにしました。元々参加する予定はなかったのですが、人数合わせのために半強制的に参加させられました。

PGRFは2部構成、4時間ずつの長時間ポイントバトルをする模擬GRフェスです。参加者も金アイコン所持者や金、銀アイコンを目指してる上位勢が参加するので、GRフェス直前の上位勢のデッキとプレイングを勉強できます。結果を先に言うと、PGRF参加者約40人のうち約半数のプレイヤーが今回のGRフェスで銀アイコン以上取りました。めちゃくちゃレベルが高かったです。

自分はPGRFで【雷】が上位勢ばかりの環境でどこまで通用するか確認を主にしながら、【ハーピィ】となぜか強いと噂になっていた【ユグドラゴ】を調整しました。結果は【ユグドラゴ】は勝率2割を叩き出して論外でしたが、【ハーピィ】は悪くはないが勝率が約5割、【雷】は勝率約5割で良くはなかったですが、1部で入賞は逃しはしたものの上位争いができました。

上はPGRFで使ってた【ハーピィ】です。ハーピィをPGRFで調整した結果、2つの問題点が見えて来て、【ハーピィ】のダブルコストモンスターがあまり強くないこと、マキシマム召喚の成功率は低いがマキシマム召喚は決まったら勝ちなのでマキシマム召喚をプランに入れた構築にしないといけないことです。【ハーピィ】がダブルコストモンスターなくても動けることは【ハーピィ】のデッキ紹介部分で前述しましたが、ハーピィはダブルコストモンスターなしでも回るためダブルコストモンスターで稼いだアドが浮いてしまい逆に損する状況が目立ちました。解決策としてコスト面ではなく効果面で強い下級モンスターを採用して下級の質を上げる必要性を感じました。しかし、あと期限1週間で下級モンスターを選定するには時間が少々厳しいです。
下級モンスターの選定だけなら間に合ったかもしれませんが、もう1つの問題であるマキシマム召喚を意識して構築するほうが厄介な問題でした。

トリックピジョンは魔法罠をコストに墓地からマキシマムハーピィを回収できますが、このカードはコストが重い、ハーピィのマキシマム召喚が難しいのでパーツを揃えることが重要視されてなかったという理由から当時はそこまで高い評価を受けてませんでした。しかし、PGRFで対戦した対面のハーピィから何度も使われて、体感負けたほぼ全部の対戦マキシマム召喚されました。マキシマム召喚はパーツを揃えるのが大変ですが、揃わないからと言ってプランから外すのは間違いであり、揃ったら勝ちなら揃えることを視野に入れたプランも持っておかないといけないことに対面から気づかされました。しかし、トリックピジョンからマキシマム召喚を狙うプランを視野に入れるなら魔法罠の選定も必要になります。下級モンスターだけでなく魔法罠の選定も必要になり、デッキの半分を入れ替えるくらいの大規模な改造を残り1週間でやらないといけなくなりました。時間的に間に合うことはないと思ったので【ハーピィ】は本番では使わないことをPGRFで決めました。

【雷】についてはPGRFでかなり構築もプレイングも固まりました。

ラッシュリンクスのデッキを作る時の基本方針として勝ち方のプランは1つ、多くてもサイドプラン含めて2つ以内にすると決めています。プランは「マキシマム召喚して勝つ」のような曖昧なものではなく「基本は耐えながら戦線を維持しつつフィニッシュはマキシマム召喚」のような序盤、中盤、終盤の流れを具体的に筋立てしたほうがいいです。ラッシュリンクスはサーチがない、1ターンにできる行動が限られているため、コンボ性が高くなるほどカード間のシナジーを意識するため事故率が上がり再現性が下がります。いろいろ詰め込まないことがラッシュリンクスでは大切です。
自分が【雷】の勝ち方として考えたプランは「序盤、中盤は相手に打点の圧をかけつつ中長期戦に持ち込み、時間を稼ぎしてる間にバックを増やして、相手が攻めに転じたタイミングでバックを開き1ターン延命してからカウンターを決める」です。
PGRFを通していくつか気づいた点を考慮して具体化したプランです。気づいた点は1500打点がこの環境では強いこと、低級モンスターが対ロイヤルデモンズのワンキル対策に有効であること、ライフ調整を意識すればコンバットトリックで意外とオーバーロードのワンキルは耐えられること、グレイモヤ以外の汎用罠が環境から抜けてグレイモヤ以外の罠が警戒されていないこと、グレイモヤが変わらず踏んだら負けに直結すること、陰陽封陣が想像以上に強く打てばワンキルが成立することです。
PGRF環境は【ロイヤルデモンズ】がシェアトップでした。対面ロイヤルデモンズをどう対策するかがポイントの1つになりました。対ロイヤルデモンズは上級のパワーが抜けてる半面、下級の打点が低く、横に展開を広げるのが苦手です。インヴェイジョンの全体除去には無力ですが、ヘヴィメタルには1500打点+低級モンスターの盤面を押し付けると意外と生き残れることに気づきました。低級モンスターとして通常モンスターの低ステータスを採用する構築もありますが、自分は初手に来たブラストジョーズとセンサーダックビルを積極的に壁にしてました。

ダックビルとセンサーダックビルはリソースになる札なので温存しがちですが、初手に来たダックビルは序盤仕事しないので、ダックビルをまず壁にしてからブラストジョーズで拾って後続として仕込む動きはよくやります。この動きはリソースを稼ぎながら対ロイヤルデモンズのワンキル対策にもなります。
ただこの動きは上級モンスターを出してしまうと上級モンスターをスキルで低級に変換されて大ダメージもらいます上級モンスターを初手で出したくないので5枚に減らしました。5枚でも回るデッキなので事故率の低下にもつながりました。
PGRF全体を通して感じたことですが、罠カードがグレイモヤ以外抜けているのにグレイモヤが致命傷になるデッキが多く、グレイモヤのためだけにバック干渉札が多めに積まれるかなり歪んだ環境に見えました。逆にこれはグレイモヤさえ通せば勝てるということなので、逆転の発想として【雷】のような中速ビートダウンデッキはブラフを駆使して死ぬ気でグレイモヤを通すことが重要であると結論に至りました。そこで魔法罠の比率を上げること、グレイモヤ以外の攻撃反応罠を増やすことにしました。これが結構有効で、グレイモヤ以外の攻撃反応罠が意識されていないので1度グレイモヤ以外の攻撃反応罠を発動しないがラグを見せると、対戦相手はグレイモヤだと思いバック干渉札を打ってくれます。ブラフの攻撃反応罠を割らせてから本命のグレイモヤを通せる成功率が上がりました
ブラフ用のコンバットトリックカードはグレイモヤでは止められないマキシマム召喚のワンキル対策にもなってます。マキシマム召喚の一番の対策は結局揃ってないことを祈ることです。【オーバーロード】が一発逆転してくる性質上ライフ調整をしながら中長期戦を仕掛けるがちですが、序盤で揃ってしまったマキシマム召喚は割り切って揃う前に勝つのは有効なプランです。ロイヤルデモンズのような速攻デッキは特に揃う前に積極的に攻めたほうがいいでしょう。しかし【雷】の場合は事情が異なり、【雷】はハンドキープされて壁モンスターで耐久されるとライフカット手段を失うため必然的に中長期戦をするしかありません。ただこれは相手も同様で、長期戦はしてもどこかで攻めるしかないため攻めるタイミングで雷側は何枚防御札をキープできるか、相手はどこまでバックをケアしつつパーツを揃えるかの勝負になります。ラッシュリンクスは1ターンにできる行動に限界があるため、パーツをキープしながら相手のバックを全て剥して安全にワンキルはほぼ不可能です。ブラフを割って有効札が残れば勝てる可能性が作れるので、相手に圧をかけながら長期戦をしてワンキルを耐えてカウンターする勝ち筋に絞って構築を考えました。
ワンキルを耐えた後にカウンターを確実に決めないと結局返しで負けるため確実にライフを取り切る方法が必要になりました。そこでカウンター札として強力だったのが陰陽封陣です。陰陽封陣はグレイモヤ以外に罠がないのにバック干渉札が多く採用される一因になったカードだと思います。陰陽封陣は使うタイミングは選びますが、使ったらワンキルもしくは致死量のダメージを与えられます。初手で打てるときもたまにありますが、基本的には初手では使えない札なので一旦伏せてから次ターン以降に使うためブラフに使われやすいカードですが、割れずにターンが返したとき打たれる陰陽封陣が負けに直結するくらい強かったため、第2のグレイモヤになってました。ワンキルを耐えてカウンターを仕掛けるプランにめちゃくちゃ貢献してくれました
GRフェス終わって結果から見ると、このブラフ込みでワンキルを耐えてカウンターするプランはこの環境の答えの1つだったと思います。ただ、このプランはマキシマム召喚を狙う中で自然にできる【ハーピィ】のほうが効果的だった気がします。【ハーピィ】が1位になったのも頷ける結果だったと思います。

陰陽封陣1つだけ悩んだことが採用枚数です。悩んだ理由が、陰陽封陣のような初手では使えるときもあるが使えないことが多い後引き前提札の性質を持ちながら、打ったら勝ちに直結する性質を両方持ってるカードがOCGやスピードデュエルではあまり存在しないからです。OCGの場合は、後引き前提札は枚数を抑えて、打ったら勝ちな札は枚数を多く積むが基本になるため、概ね2つの性質は相反した性質です。ラッシュリンクスはコストの概念が存在するため両方の性質が共存するカードが存在し、陰陽封陣はそれに該当しました。最初はあまりにも打ったら勝ちだから3にしたり、後引き前提札だから枚数を抑えて1にしたり試しました。最終的には2枚に落ち着きました。理由としてブラフとして強いから複数枚は積みたいが初手はブラフ以上の仕事が基本ない長期戦をベースにプラン立てしてるのでリソース回復札としてほしい、カウンターを決めるときに必須なため1枚だと割られると勝ち筋が細くなると考えて2枚に落ち着きました。
陰陽封陣に限った話ではありませんが、ラッシュリンクスは採用枚数がOCG以上に重要です。OCGの場合、初手で概ね試合展開が決まるため40枚デッキで組んでも対戦に絡んだカードはせいぜい20枚前後、デッキの半分くらいしか使わないことはよくあります。採用枚数は重要ですが1、2枚採用枚数に問題があっても誤魔化しがきくときがあり、試行回数を重ねないと採用枚数の差が出にくいことが多いです。ラッシュリンクスの場合は、少なくとも3、4ターンは1戦かかり、その間に毎ターン5枚ドローするわけですから、30枚デッキで組んだとき、早く終わってもデッキの半分、ちょっと長引くだけでもデッキの大半のカードをプレイすることになります。平均的にデッキの大半のカードを使うため採用枚数の差が試行回数重ねなくても効いてきやすいです。採用カードはもちろんですが、採用枚数を何枚にするかは重要です。ただ、適正な採用枚数を感覚で決めるのは、コストの概念や条件、スキル、環境、プランなどいろいろな要因に左右されるため難しく、実際に枚数を変えて試して初めて気づくことが多いです。採用枚数を1人で調整するのはなかなか大変な作業なので勝ってるデッキを完コピするのも有効な手段です。
今回は幸いにもPGRFで質の高い環境で試行回数を重ねることができたので採用枚数に確信が持てました

プランとは別に自分が【雷】を回す上で意識していたことを書いておきます。【雷】の構築上の問題点として、耐久してくる対面にライフカット手段を失うこと以外に。ダブルコストモンスターが存在しないことを挙げていました。一応デストロイヤーが通常モンスターを蘇生できるのでダブルコストモンスターのような使い方はできますが、デストロイヤー自体がアドバンス召喚に2体分確実に必要なので結局デストロイヤー自体が重いことに変わりありません。そこでリソースになる札、具体的には下級モンスターを1枚は中盤以降ハンドにキープするように立ち回るようにしてました。よくある状況ですが、デストロイヤーの蘇生を使うと盤面が埋まってしまい手札が使いきれないので蘇生を使わずに手札の下級モンスターを召喚することがあると思います。これはドロー枚数を稼ぐ観点からは間違っていませんが、盤面を返されたとき上から上級モンスター1枚、下級モンスター2枚は確定しないと動けなくなります。【雷】は1度回るとリソースが循環するため、1度デッキが動き始めると後からドローで引きたいカードがあまりありません無理してドローすることにあまり重きを置く必要がない割に、ダブルコストモンスターがないのでドローに賭けて運ゲーすると事故で自滅することがあります。手札にリソースをキープしたほうが強い状況が多く、結果的にミラーでも強く立ち回れます。レアケースではありますが、1回盤面を固めたらハンドを2、3枚キープしてドロー枚数を抑えるときもあります。ただし、魔法罠カードを引き込まないと勝てない状況では、ドローしてデッキを回さないといけないのでドロー枚数は状況を見て判断します。
手札にリソースを抱え込む感じが大嵐をケアして手札に罠カードをキープして戦う古き良き遊戯王に通じるものがあり、【雷】は使ってて楽しかったです。


ここまでが実際にした事前準備で調整内容です。結局【雷】以外のデッキは詰め切れなかったですが【雷】の練度にはかなり自信が持てました。
【雷】しかまともに使えるデッキがなかったので【雷】を使うしかありませんでしたが、ここで問題になるのが【雷】の環境の立ち位置です。毎日ポイントバトルでは上位入賞者が積極的にデッキを公開していたため環境理解がかなりできました。
最終的に自分が考えた環境は

tier1・・・【ロイヤルデモンズ】【オーバーロード】
tier2・・・【ハーピィ】
tier3・・・【雷】
tier4・・・【GS】

となりました。
【雷】が環境の中で立ち位置が良くないのは変わらず、【ロイヤルデモンズ】と【オーバーロード】が頭1つ抜けて強いと思いました。【ハーピィ】は抜けたパワーはないがトップ2強と戦えそうだと感じてはいましたが、構築を練っている時間がないのでデッキの候補から切りました。【GS】はポイントバトルでも対戦し、自分でも触ってみましたが、単純にパワー不足だと感じました。
ここで【雷】がPGRFで勝率5割だった結果をどう考えるかの問題になりました。ここで大切なのがポイントバトルやPGRFは対戦相手が強いので本番のGRフェスより勝率が出にくいことです。金アイコンを取るには上位10位にならないといけないのでポイントバトルやPGRFでも高勝率出せたほうがいいですが、銀アイコン狙いなら上位に勝ち越せなくても中間層に勝ち越しつつ、上位勢にはそこそこ勝てたら十分狙えます。そこで上位勢と対戦して勝率5割ということは【雷】でも走り方を工夫すれば銀アイコン取れると考えました。KC形式で銀アイコンを取るコツは、序盤からポイントを盛り過ぎないことです。KC形式のレートはDP差を基準に1戦あたり±1200増減します。上位で勝っても+1000しか増えないのに負けると-1200減って割に合わない対戦が増えますが、下位から追い上げる層は勝つと+1000以上貰えるので後から追い上げるほうがポイント的には有利に立ち回りできます。最終日まで銀ボーダー付近をキープして最終日にボーダーを見てポイントを調整するのが体力的にも対戦のレベル感的にもコスパよく銀アイコン取れます。たまに上位勢とマッチングしますが、負けてもほとんどポイント減らない代わりに勝てば大量ポイント貰えるのでボーナスステージ感覚でできます。上位勢と争うと不利なことはPGRFで分かっていたので対戦数を抑えて上位を避けて銀ボーダーギリギリのマッチング帯で高勝率をキープする作戦を立てました。


2.3 GRフェス(真のtier1登場、雷を捨てる)

GRフェスが始まりました。自分は土曜、日曜しか走れなかったので後から追いかける形になりましたが、これは事前に立てていた作戦通りなので問題ありません。【雷】で100位前後の順位をキープしながら高勝率かつ対戦数を抑えながら走りました。

序盤は勝率7割、かなり調子がよかったです。PGRFやポイントバトルで上位勢と調整してただけあって、上位勢以外には練度勝ちできました。

ただ調子よかったのは序盤だけでここから問題が2つ発生しました。
問題の1つ目は、あまりにも勝率がよかったせいで上位勢とマッチングするようになったことです。よく考えてみれば当然で勝率が高かったら対戦数を抑えているとは言えポイントの時速が速いので上位勢とマッチングするところまで行ってしまいます。自分が有利な位置をキープしながら、ポイントを盛らないは相反することをやっているので作戦としてミスです。上位帯に紛れ込んでしまうと自分が格上になってしまうので負けるとポイントが大幅に減ります。上を目指そうなんて意識の高いこと考えていなかったので自分が格下になるように、上位勢がポイントを伸ばして上まで行ってくれるのを待ちながら走ってました。

勝率をキープできているなら、上位勢が上に行ってくれるのを待っているだけで問題なかったのですが、もう1つの問題が発生しました。実は知らないうちに環境が変化した、具体的には多くのプレイヤーが想定してなかったデッキが上位帯で流行していたことです。
予想外のデッキとはこれです。

3月のインフレで環境から消えたと多くのプレイヤー思っていた【ハンクラGS】がなぜか再び帰ってきて暴れてました
GRフェスは1時間に1回のランキング更新でプレイヤー名とキャラクターとスキルが汎用かキャラクタースキルかが公開されます。ランキングを見ながら走ると環境の変化を察知できます。【ハンクラGS】はキャラクター固有のスキルではないためキャラを見ても何デッキなのか判断できないため流行っていても気づくのが遅れるはずでした。しかし、なぜか当時【ハンクラGS】でポイントを爆盛りしていた1位のプレイヤーがX(旧ツイッター)にデッキを公開しながら走っていました。ランキングから環境の変化に気づきにくかったはずの【ハンクラGS】が暴れているらしいという情報が、すぐに広まりました。

【ハンクラGS】の使用者数自体は少なく金アイコン争いしてるような上位帯で流行っていただけのデッキでしたが、問題だったのがめちゃくちゃ回転率がいいせいで使用者数の割にマッチング率高かったことです。事前準備の段階で【ハンクラGS】とも対戦経験があったので【雷】対【ハンクラGS】は【雷】のほうが有利だと考えていました。しかし、上位帯の【ハンクラGS】にはほとんど勝てなかったです。環境の立ち位置が悪い【雷】で走り方を工夫しながら有利な環境だけを見ながら走る予定でしたが、さらに環境の立ち位置が悪くなる想定外の事態が起きました。こうなると走り方を工夫してどうにかなる問題ではないので、【雷】を信じて対戦数を増やしながら使い続けるか、他のデッキに乗り換えるかの2択になってしまいました。

方針転換を迫られてどうするか悩んでいたときに、また予想外なことが起きました

【ハンクラGS】でポイントを盛って銀アイコンが確定したプレイヤーがまたなぜかデッキ公開してくれました。【ハンクラGS】使ってるプレイヤー承認欲求の塊みたいな人しかおらん...

ここで【ハンクラGS】が事前評価に反して暴れた理由について考察しておきます。
一括りに【ハンクラGS】と呼称されますが、GSデッキなので構築思想によっていくつかデッキタイプがあります。いろいろ分類の仕方はあると思いますが、従来よく使われていたのがダブルコストモンスターでドラギアスなどの上級モンスターを召喚して戦う「ダブルコストモンスター型」です。この型はダブルコストモンスターが打点として機能しにくいためライフカット手段を上級に依存している上級モンスターが一旦除去されると立て直しが難しい構築上の問題を抱えていました。この問題を3月以前はコンバットトリックでサポートしていましたが、3月以降はコンバットトリックが戦術として弱くなったため使えなくなりました。この問題を解決したのが「雷採用型GS」です。雷の戦線維持能力の高さを取り入れることで上級モンスターが除去されても維持しやすくなります。また雷の壁モンスターを並べられるとライフカット手段を失う問題に対する回答にもなっていて、ドラギアスを意識させると手札をキープしてなんて甘えたことできなくなるので、対戦相手に動くことを強要でき、雷要素が機能します雷を取り入れてはいますがあくまでもフィニッシャーは上級モンスターであり、従来の【ハンクラGS】の採用札を環境に合わせて入れ替えた形になります。
一方、今回のGRフェスで新しく誕生したのがダブルコストモンスターを不採用にした「下級ビート型」です。こっちの型を実際にプレイしたことがないので対面したときの気づきくらいしか言えませんが、ドラギアスが勝敗には絡んできますが、必ずしもドラギアスがフィニッシャーではなく、ドラギアスで一度致死量のダメージを与えておけばフィニッシュは下級モンスターで押し切れる、もしくは序盤下級で圧をかけて相手に防御札を吐かせてドラギアスでフィニッシュする、ダブルコストモンスター型では上級モンスターの横に並ぶアタッカーが貧弱だったのが打点1500ラインモンスターで圧をかけに行けることが強みに感じました。従来のラッシュリンクスでは1500ラインモンスターは強かったですが、下級モンスターで上級モンスターを処理できるほどの強力なカードが剣盾くらいしかなかったので構築が難しかった型ですが、陰陽封陣の登場で下級モンスターで上級モンスターを処理できるカードが増えた影響が大きかったように感じます。上級モンスターをフィニッシュに依存してた「ダブルコストモンスター型」と異なり、下級モンスターが準フィニッシャーとしての役割を持っているので、上級モンスターを出すことに重きを置かなくてよくなったからダブルコストモンスターが抜けたと思われます。1500ラインモンスターが環境的に強いのもよく考えられており、一貫したプランがあるよくできたデッキだったと思います。

流行した【ハンクラGS】のコンセプトについて説明しましたが、結局なぜ【ハンクラGS】が事前評価に反して暴れたかですが、環境がドラギアスがいないことを前提にメタゲームを回してきた、環境の高速化は進んだが結局環境トップデッキ同士のマッチアップでは中速の対戦が多かったためドラギアスの速攻に耐性がなかった、構築の自由度が高いGSは構築難易度が高い、環境に対して後出しじゃんけんしたメタビート的なポジションで登場したため研究が遅れて事前に構築が広まらなかったことが理由として考えられます。
カードパワーがインフレしましたが、マキシマム召喚まで耐えて来る鉄壁の盾デッキ【オーバーロード】対速攻で終わらせる最強の矛【ロイヤルデモンズ】がトップ争いをしてる環境だったため、割と中速になりやすい環境でもありました。
【オーバーロード】の堅さはあくまでも事前の環境トップ同士の争いに限っての話であり、ドラギアスが序盤に走ってきたらパーツ揃えるまで待たせてくれません。
対面【ロイヤルデモンズ】ですが、実は【ハンクラGS】が一番勝率が高いマッチアップでした。「下級ビート型」はよく分かりませんが、ダブルコストモンスター型」はダブルコストモンスターが全て低級モンスターであるため、ダブルコストモンスターを盤面に残すように立ち回るとヘヴィメタルのワンキルが成立しません。インヴェイジョンの全体除去は通りますが、インヴェイジョンからワンキルが難しいのでターンを返すとインヴェイジョンの2300打点をドラギアスが殴って逆にワンキルされます。特に札を寄せる必要もなく立ち回りを工夫するだけで自然にロイヤルデモンズ対策になっていました。

環境トップの対ロイヤルデモンズに強く出られたこと、結局どんなにインフレしてもドラギアスが最強だったが真相だったと思います。


話をGRフェスに戻します。幸運にもデッキが落ちていたので【ハンクラGS】に乗り換えることにしました。
ここで1つGRフェス特有の走り方のコツですが、対戦相手の強いデッキは大会中でも積極的にパクったほうがいいです。ラッシュリンクスの対戦に占める構築とプレイングの比率は8:2くらいです。構築が最重要であり、構築が1番難しいです。カードプールと環境を把握する、プランを立てる、事故率を意識してプランを構築に落とし込む、採用枚数を調整する一連の構築の作業がOCG以上に難しいです。デッキの細部まで拘らないといけない要求値がOCGの比にならないくらい高いため1人で30枚全部完璧にデッキを組み上げられるのはめちゃくちゃ難しいです。逆にプレイングはコストの概念などの知識が身についていれば、立ち回りとカードを切る順番くらいであり、OCGのような複雑な展開を覚える必要はありません。ラッシュリンクスはデッキが100点ならプレイングが多少間違っていてもある程度勝率が担保できます
今回のケースだと「下級ビート型ハンクラGS」は誰も想定してなかった構築100点デッキでした。構築を煮詰めたプライヤーは本当にすごいと思います。ランキング1位を爆走してたのでパクるべきです。ここでもう1つラッシュリンクスは1度対戦したデッキ構築をめちゃくちゃ簡単にパクれます。これは考えてみると当たり前の話で、1戦3、4ターンするのでその間にデッキの大半のカードを5枚ドローで引き込んで手札を使い切るようにプレイするので、1戦対戦するだけでもデッキの半分以上のカードが分かります。1戦するということはデッキ構築が全部バレると言っても過言ではありません。つまりランキングに特徴的な名前で載ってしまうと対戦相手に使用デッキがバレてすぐにパクられます。本気で上位争いするならプレイヤー名は「player」にしてデッキバレ対策した方がいいでしょう。SNSにデッキ公開なんて絶対にしてはいけません。

100点のデッキがなぜか公開されていたので、すぐにパクりました。

「下級ビート型」が強かったとか、事故率を意識して構築組むとか話してきましたが、パクリ元の構築から安定感を削ってドラギアスで殴ることだけに特化した構築に組み替えて使ってました。コンセプトは相手のブラフもグレイモヤも全部ハンマークラッシュで破壊してドラギアスで殴るだけです。知性が全く感じられません。
こんな猿構築でしたが、握り替えたら連勝しまくって一瞬で4万2000DP銀アイコン確定ボーダーに乗りました。プレイングの比率がラッシュリンクスは低いと書きましたが、剣盾打ち忘れてドラギアスを先に出してしまい、後から剣盾を打って1500打点になったドラギアスで殴ったのにドラギアスが強過ぎてそのまま勝った対戦もありました。こんなアホみたいなプレイング対面にやられて負けたら自分なら怒ります。【雷】の練度を上げて勝つとか言ってた時代が懐かしいです。プレイングを上から粉砕できるパワーが答えです。

銀アイコンが確定したので最後はXにデッキを公開してGRフェスから退散しました。GRフェス終了15時間前です。ハンクラGS使ってる人は承認欲求の塊みたいなしかおらん...

【ハンクラGS】は強かったのですが、重大な問題が1つありました。それがあまりにも知性がなさ過ぎてミラーがドラギアス走ったら終わるクソゲーだということです。他の環境デッキがブラフを駆使して戦ってる中ブラフがほとんど機能しないのでドラギアスが走ったらゲームが終わります。駆け引き要素があまりにもないのでプレイングと構築で差をつけるのが難しいです。上位帯の少数精鋭で使用してるときは強いですが、流行してるとクソゲーの押し付け合いで勝率が5割から動かなくなりポイントが増えなくなります。ちょうど自分は退散したタイミングがよく、ミラーをほぼ踏みませんでした回転率は良いデッキなので最終日最後の追い込みで流行することは想像できました。GRフェス終了後に聞いた話では案の定最終日は【ハンクラGS】が増えていたそうです。ミラーがあまりにも増えるなら【ハンクラGS】以外を握ったほうが結局勝率は安定します。GRフェスの環境を荒らすだけ荒して最終的に【ハンクラGS】より【ロイヤルデモンズ】や【ハーピィ】が結果を残したのは納得のオチだったと思います。

以上がGRフェスレポートでした。


あとがき

ここまでGRフェスレポートを読んでいただきありがとうございました。
今回の記事はラッシュリンクス事情やラッシュデュエルのセオリーについてまとめていると時間がかかってしまい、公開が遅くなってしまいました。
ラッシュリンクスというよりラッシュデュエル全体に言えることですが、どうしてもプレイヤー人口が少ないゲームなので、リンクスきっかけでラッシュデュエルを初めて触ったとき、参考になる文献や動画が見つからず自分はかなり苦労しました。
ラッシュデュエルは話を聞いてるだけだと面白さがあまり理解できない部分が多くカードゲームとして微妙に見えるところもありますが、実際にやってみるとカードゲームの面白さと奥深さが詰め込まれた良ゲーだと気づけました。遊戯王的な面白さからは多少ズレてる部分もありますが、しっかり遊戯王のエッセンスは崩さず新感覚のゲーム体験を提供してくれていると思います。
今回のGRフェス事前準備から本戦までラッシュリンクスの面白さを満喫できたました。忙しくて遊戯王から離れがちになっていましがまた遊戯王やってみたいと思えたGRフェスでした。

ここまで長い文章でしたが、最後まで読んでいただいた方の役に立つ情報が少しでも提供できていたのなら幸いです。

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