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第4回 柏アーバンデザインカイギに行ってきました。

 千葉県柏市。

 山手線の上野・日暮里から地図を右上に伸びるJR常磐線&東京メトロ千代田線と、千葉県船橋と埼玉県大宮を結ぶ東武野田線(アーバンパークライン)が交差する位置にある、人口40万強の地方都市です。中心となる柏駅の駅前デッキは、1970年代にできた日本初の駅前デッキなのだとか。

 商業都市の中心として発展してきたこの地域ですが、しかし2000年代になって、駅周辺以外にもあちこちに大規模ショッピングセンターができ、また2005年につくばエクスプレスという鉄道が開業したことで、この駅周辺地域のにぎわいは低下しています。

 そこで商業都市から“融合都市”への転換を図るため、市の中心である柏駅周辺地域を対象に、市と商工会議所・一般社団法人「柏アーバンデザインセンター」の3者を中心に『グランドデザイン』なるまちづくり計画が2018年に策定されました。これによって「交通動線の錯綜」「古くて小さな建物が多く不経済」「サードプレイスの不足」などといった問題解決のため、街の再構築を進めていこうというものです。

 私はいわば聴講として参加させてもらったのですが、色々と得るものが多かったのです。たとえば柏市はそこそこなんでもあって、他の大都市への交通の便もいい、住むには大変良い……のだが、外の若者がわざわざ遊びに来る誘因がない、というのは耳の痛い、しかし重要な指摘でした。これから考えねばならないことです。また歴史的スポットとして外的なインパクトのあるものがないなどもひとつの問題です。細かいのが散在してるタイプなんですね。

 確かに柏市は前述の通り、東武アーバンパークラインとJR常磐線が十字になったところにあるんですが、東武の両端にある船橋市と大宮市、常磐線はもちろん東京・上野と、その前に柏市より一回り大きい松戸市が隣にあるので、中間地点のお客さんはそっちに引っ張られていっちゃうんです。

 それらに関連して、ひとつ私も持っていた意見があるのでここで開陳しておきます。柏市には、市立博物館がない。トリップアドバイザーで柏市のエリアのみを検索すると6件出て来るんですが、4件は民間のギャラリーとかで、あと廣池千九郎記念館中村順二美術館だけなんですね。この規模の都市で博物館や科学館の類がここまでない、というのは珍しい。

 歴史的なスポットが細かいのが点在しているタイプの柏市だからこそ、博物館を作って集約的に発信できるようになってほしい。それと、博物館のスペースがあると巡回展を呼べるんですね。人気のある巡回展は本当に大都市でも行列ができるほど人が来ますから。柏市の駅周辺の商業地域というのはそんなに広くなく、徒歩圏内で大きめの博物館を作れる土地は手に入るはずだと思うんですよ。松戸の市立博物館は最寄り駅が八柱駅で、常磐線沿いではないためそこまで食い合わなさそうというのもポイントだと思います。

 私はぜひ、柏市には市立博物館を作って欲しいのです。

広報創作集団アドヴァータイドHPはこちら。

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