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羽田から45分で落差36メートルの滝、海だけじゃない八丈島<3日目> #tokyo島旅山旅 #PR


最終日の天気は曇り。帰りの飛行機は午後2時の便なので、10時にホテルをチェックアウトし三原山に向かいます。この日目指すは、三原山の山中にある唐滝。

唐滝への散策ルート入り口で偶然にも町のお祭りに遭遇しました。数台のお神輿と、八丈太鼓を積んだトラックを見送ってから山に入ります。

前から車がきませんように、と願うばかりの細い道を抜けると「車はここまで」と書かれた駐車場がありますので、車を止めて散策スタート。

道は終始こんな感じで大きめの石がゴロゴロしています。見た目はフラットでも案外大変。

石橋の向こうに何かかわいいヤシの林。(この石橋は渡りません)

雨の後でやっぱり緑が綺麗。

3,40分ほどこんなでこぼこ道を歩くと、

突然、幻かと疑うような鮮やかな青が目に飛び込んできます。

山道を逸れて、階段を降りていった先に広がる、硫黄沼。
エメラルドグリーンの、ガラスのような水面がとても美しいところです。硫黄沼といっても、硫黄の匂いはまったくしません。

途中、またもや雨が降ってくると、一気に水面が様変わり。雨が降ってもこれはこれで美しいです。

硫黄沼から先、それまで緩やかだった山道が突如険しくなります。

こんな感じで階段を登ったり

川を2箇所渡ります。

そうこうすること1時間、ようやくたどり着いた唐滝、こちらです。

大きすぎて、写真では大きさがいまひとつ分かりづらいですが、落差36メートル、圧巻の滝です。

ザザーってすごい勢いで、頭の上の方から水が落ちてきます。山を登ってきて突き当たりに、まずこんな巨大な、えぐれた岩肌があって、その頂上から延々とシャワーのような水が落ちてきて。水滴の飛び散り方も、苔むした岩肌も、滝壺で水を浴びてきらきらと光る岩も。すべて計算されつくした絵画のようにかっこよく出来ているんです。一体どんな偶然が重なってこうなったんだろうと不思議に感じるけれども、そこではたと気付きます。逆だ、人間の作る絵画の方がこっちを目指しているのか、と。圧倒的な滝を前にすると、そんなたわいもないことを考えてしまいます。

滝は、水が噴出する部分と、落ちて岩に叩きつける部分で印象が違います。どちらにシンパシーを感じるかというと、私は落ちて叩きつけるところに感じます。シンパシーって何だ、って、またどうでもいいことを考える。

ふと気がつくと、滝のすぐ脇に妙な洞窟を発見。

岩を登って近づいてみました。妙に人工的。

ちょっと不気味ですが、結局何かはわからず仕舞い。

というわけで、唐滝を30分ほど眺め、結局往復2時間半というところで山を降りました。

……改めて考えてみると、もともとは私、アウトドアなんて大嫌いだったわけです。なんでわざわざオフの日に疲れたり、ともすれば命を危険にさらしかねないことをするのか、アウトドア好きという人の気持ちが全く理解できなかった。けれども去年、自然の中を歩く以外やることのない屋久島に行ってみて、仕方なく白谷雲水峡を歩いてみて、そこからちょっと考えが変わったのです。トレッキングシューズで砂利道歩いたり、岩を登ったり、川を飛び越えたりするのって思いの外楽しいし、ヒーヒー言って進んだ先には、必ずそれに見合うだけのご褒美が待っている。で、一度それを味わうと、道中大変だったことなどすっかり忘れてしまうのです。強いて言えば出産に似ている。陣痛はすっごく苦しいけど、生まれてしまえばすっきり爽快、陣痛のことなどさっぱり忘れてしまうというあれです。

自分がアウトドア素人だという自覚があるので、大変そうなときにはガイドさんをつけるし、今回のように、ガイドさんがいないときには、とにかく終始緊張しています。雨が降ったりなんかすると、引き返すべきかな、進むべきかな、と何度も自問自答します。私の決断一つが、子供達の生死を分けることだってあるわけだから。それでも、川を渡る娘の手を引っ張ったり、斜面を滑り落ちないように下で待ち受けたり、そういう緊張感を子供とともに味わうという体験は、何とも言えず良いのです。

私はすごく恵まれた家庭に育ったけれども、唯一不満があるとすれば、両親ともに過度に心配性かつ出不精だったので、こういった体験を一度もしなかったこと。だから今、子供達がついてきてくれるうちに、こういう旅をしようという思いがあります。

まあそんなわけで、雨に濡れて、汗もかいて。このまま飛行機に乗るとはた迷惑だろうってことで、空港まで行く途中の公共の温泉「ふれあいの湯」に立ち寄りました。檜でできた、香りのいい温泉でした。入湯料は一人300円と親切価格。お湯は熱めです。

そして駄目押しの明日葉

空港には出発時刻の約1時間前に到着しました。おみやげを買ってもまだ時間があったので、レストランでだめ押しの明日葉、明日葉蕎麦を食べました。明日葉の味がしたかと言われると……気持ちの問題っ。

飛行機の欠航が多いことで知られる八丈島ですが、この日は幸いにもオンタイムで飛び、来たときと同様、あっという間の45分で羽田に到着しました。八丈を出たときのままの薄着で地上に降り立つと、周囲の人はみんなコートを羽織っていて、改めて八丈島、暖かかったのだと実感しました。

ご飯も美味しく、温泉もあって、初心者向けから上級者向けまでバリエーション豊かな自然も待っている。で、何をおいても羽田から45分という好立地。夏じゃなくても八丈島、十分楽しいです。「ちょっとそこまで」って感じで、ぜひ気軽に訪れてみてください。

以上、2泊3日、秋の八丈島レポートでした。

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