見出し画像

浮ついた気持ち

夫が家を出て行ってから1年が経った時、夫が突然に家に帰ってきた。どうやら1年更新のアパートに住んでいたらしく、更新するお金が惜しかったようで、そのアパートを解約して戻ってきた。

戻ってきたと言っても、毎日、家に帰るのは深夜か朝で、顔を合わせる日の方が少ない。どうやら飲み歩いているようだ。「父親をやめたい」という気持ちは変わらないよで、夫が家にいる時に、子供が泣けば、怒り散らしてすぐに家を出て行った。泣き声が耳に触るらしい。

私は、疲れ切っていた。日々の生活だけでいっぱいいっぱいなのに、夫がいる間は子供が泣かないように神経をすり減らさなければならない。

こんな生活いつまで続くんだと、うな垂れていた時、職場の先輩から、連絡が入った。(夫と私は同じ職場)

「ずっと言おうと思っていたんだけど…あなたの旦那さん、部下と親密な関係にあるみたい。最近、あなたが急激に痩せたので、それで悩んでるんじゃないかと心配になって連絡したの。」

「ご心配、ありがとうございます。あの、親密な関係って…えっと…それっていつからでしょうか。」

「私は1〜2年前からって聞いてるけど」

不倫…か…。そっか…。妙に納得できた。色んなことが繋がって行く。つじつまが合う。それで出て行ったんだ。相手も分かった。あの子か…。

真っ先に想ったのは息子のことだった。父親から愛情を受けられずに育っていくかもしれない。お金で苦労ささてしまうかもしれない。ごめんなさい…あなたにいらぬ苦労をさせてしまったらごめんなさい。涙が止まらなかった。


***

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?