2022.11にあったことの一部

その時期には、まだテレビの中に結婚前のみちょぱがいた。去年の11月。夜に出会ったネコに逃げられた。一瞬目が合った気がしたが、すぐにどこかへ逃げられた。また出会える気がするし、もう2度と出会えない気もする。見かけたとしても俺は気づかないかもしれない。でもいいよ、あの猫が今もどこかで生きていると思うと、それだけでこの世界を少し好きになれる。

次の日、雨が降り続いていた。昨日出会った猫はこの雨の中、どこで雨宿りしているんだろうか。押し潰せそうなくらい狭い道で目があったシマシマの猫。

押し潰せるくらい狭い道を通っているとき、あることに気づいた。真ん中がない。この道には真ん中がないんだ。真ん中がないというか、幅がせまいからどこに立っていても、むしろ真ん中であるような気がした。

また別の日、俺は代々木公園にいた。雨の代々木公園には誰もいない。街灯がない。 1つくらいあってもいいと思う、渋谷にもこういう暗い道。

俺は汚してしまうから黒い服しか着たくない。11月はずっと同じジャンパーを着ていた。俺が生まれる前に母親が買ったL.L.Beanの上着。6年前くらいに貰った。20年以上、我が家に遣えている衣服。袖が破れている。チャックも壊れている。黒の中に汚れがたくさん隠されている。蕎麦屋の、ローマ数字の3みたいな背もたれの椅子の、あの上質な黒とはかけはなれている。汚い黒。俺は好き。

大人も子供もみんな制服の街があったら、軍隊みたいで気持ち悪い。ひとりひとりが違うことが重要だ。個性は生理的嫌悪感を鎮めるための鎮静剤。

今年の11月ごろにもう一回2022年を振り返ります。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした