【Nightmare】八変化【その7】
Halsey - Nightmareをゆっくり味わう(7)
続き。
歌詞と訳
No, I won't smile, but I'll show you my teeth
And I'ma let you speak if you just let me breathe
I've been polite, but won't be caught dead
Lettin' a man tell me what I should do with my bed
笑いたくないけど 歯を見せてあげる
話させてあげる もし私に息をさせてくれるなら
お上品でいた 絶対に嫌だったけど
私がベッドですべきことを 男は私にさせた
今回はMVにも注目しながら訳をしていきます
女性たちが新聞を持っていますが、その見出しには
IT'S OUR TURN(私たちの時代)と大きく書かれています。
拡大すると分かりますが、新聞に書かれている文章は、Nightmare の歌詞です。
ちなみに、MANICとは「躁(そう)病の〔にかかった〕」との意味があり、双極性障害を持っているホールジー自身と関係するワードでした。→その6参照
その6を書き終えた後、双極性障害について調べましたが、気分が落ち込むといったうつ病とは違って、妙に元気になる躁状態と、うつ状態を繰り返す障害です。「うつ病だと思ったら、双極性障害だった」ということも少なくないのだそう。治療法も異なってくる病気なので、正しく判断する必要がある病気です。
8変化するホールジー
2番になってから、またガラリと雰囲気が変わった演出です。
ところで、ホールジー、このMVで何回衣装チェンジしているのか…?
1 )ドレッドヘア 。マグショット(逮捕された時に撮られる写真)風
2)ヘビメタ感
3)ロックスタイル
4)赤髪・笑顔・妙に体を強調させる服装。assholeは「ケツの穴」という意味です。私の留学先の国際課の先生が、この単語使うの好きだったな。
4)ゴージャス
5)革ジャン
6)ベリーショート・スーツスタイル
7)学生服
8)蜘蛛の巣に囚われたホールジー
インタビューで、ホールジーは誰かの想像に囚われることなく、そして、かつて自分自身が持っていた考えやアイデンティティーに囚われることがないようにしていると答えていました。だからこそ、彼女は様々なジャンルに挑戦することができています。時にはロック、時には大衆向けソング、最近だとKpopにも挑戦しました。
(去年から、私の好きなアーティスト同士がコラボしてくれるので、この曲が発表された時は叫びました。)
さて、今回の曲は、ホールジーのライブに来ていたファンが、楽しい!というよりも、汗をかきながら、まるで野生のように興奮していたファンを見て影響されて作ったのがきっかけとホールジーは話しています。そこから女性のための、「怒り」について書いた曲を作りました。
豪華な共演キャスト
・ロンドン育ち。名家生まれ(おばあちゃんがマーガレット王女の女官だった)
・現在、26歳
・VITORIA SECRETのファッションショーにも出演経験のあるモデル・女優
・うつ病で悩んだり、セクシャル・フルイディティであることを公言している
⑴セクシュアリティが流動的に変化する。つまり、好きになった人が好きな人。それは男女を問わない。
デビー・ハリー
・アメリカ生まれのロックミュージシャン
・現在73歳
・「ブロンディ」のボーカル
スキ・ウォーターハウス
・イギリスのモデル・女優
・現在27歳
・今公開中の「名探偵ピカチュウ」にも出てる
VOGUEのyoutubeを見るのが好きなので、二人のモデルは元から知っていました。Halseyとどのような親交があるのか?気になります。
豪華な裏方
ディレクター(Hannah Lux Davis (ハナー・ラックス・デイビス)。アリアナ・グランデの最近のヒット曲のMVを担当しています)
Ariana Grande - thank u, next
Ariana Grande - 7 rings
すっかり不動のポップスターの地位を確立した印象です。マンチェスターでの自身のライブ中に起きたテロからのトラウマ、元カレの死など、本当に辛い経験をしながらも、ヒットソングを出し続けている女性です。私は一時期「no tears left to cry」を中毒のように聴いて、インタビューやら記事やら漁っていました。これからも頑張ってほしい。
そして、プロデューサーは Brandon Bonfiglio。一昨年、大ヒットしたLogicの「1-800-273-8255」や、彼もまたアリアナ・グランデの「THANK U, NEXT」「7rings」のプロデューサーをした人です。
Logic - 1-800-273-8255
ちなみにこのタイトル、アメリカ政府が提供する、自殺防止ホットラインの電話番号です。MVはゲイの男の子がもがきながらも生き続ける姿を描いています。Youtubeのリアクション動画では、涙を流す親子の姿もありました。私は、これを見ると、映画「ムーンライト」を思い出します。
終わりに
ホールジーが何かのインタビューで、芸術の世界に行くことも考えていたが、そうではなく、音楽の世界に行くことを決めた理由として、音楽だと曲だけでなく、映像、演出、衣装など、様々な面で表現できるから、と話していたのを思い出します。
何よりも関わってくる人の数が違う。1つの映像、曲を完成させるために、どれだけの人と時間がかかっているのか。無料で見れてしまうものが溢れすぎていて、特に忘れがちな事実。じっくりと味わうことで、普段は意識しない、そのありがたさを感じることができます。
今回はここまで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?