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妊婦だからできる、応援という仕事/妊娠して得た特権

この投稿内容は、過去私が紙の日記に残していたものを回顧しているものです。詳しくはこちら

11/10(金) | 妊娠4か月【12週】

ここ最近はつわりでベッドから動けず、リモートでできる仕事は枕もとにPCを置いて、ゴロゴロしながら。みんな忙しくしているのに気楽なものだ。気力がなくなるのもつわりだなんて知らなかった。

わたしは昔から体が強くて、中高時代は6年皆勤賞。だからか多分心も強くて、結構エネルギッシュに生きてたなって、自分が弱くなってから分かった。でもこういう風に強制的に自分の立ち位置が変わるのも悪くないな。

体が強いことで、体調不良で欠席する仲間の穴を埋めることがよくあって、「はいはい、わたしがやればいいんでしょ」と思ってしまうこともあり。でも自分の体が変わって動けなくなったことで、自分の穴を埋めてくれる人に対して「こういうところありがたいな」とか「救われてほしいな」とか、周りを思えるようになってきた。

がむしゃらな20代が終わり、30代に進化していくタイミングで、その前に土に根を張るみたいに、きっと退化しているように見えることもあって。その時に周りに純粋にリスペクトできるようになることはすごくいいことな気がしている。

妊婦かそうじゃないかに限らず、思うように動けないタイミング・動けるタイミングって誰しもあるからさ、自分の得意分野を活かして助けあって、お互いさまの想いをみんなで循環させていけたら、もう少し優しい世の中になるんだろうな。

11/19(日) | 妊娠4か月【13週】

3歩進んで2歩下がる、って感じだけど、すこーしずつ体調がよくなってきた。吐くほどではないけど、ピークの時は1日中えずいてて、「早く終わってくれ..」の一心だった。

夫が家事してくれなかったらごはんは一生納豆だったけど、夫が基本ご機嫌に料理や皿洗いをしてくれて、ありがたい。わたしが夫だったら恩着せがましく「ありがとうは?」とか言っちゃいそうだけど、そんなことも言わず、ありがたい。

夫もそうだし、仕事の仲間たちにも、みんなががんばっている後ろで「がんばれー!」って応援することしかわたしはできないけど、頼もしくて何より。

わたしは今そういう立ち位置でいることが気持ちが楽でいいし、自分が1人でがんばってるとき(夫が忙しくて家事ができないときとか、一人でプロジェクト回してるときとか)は、そういうがんばってる自分を認めてくれる人が欲しかった。

物理的な助けだけじゃなくて、見てくれてる、分かってくれる、などなど助けにもいろんな種類があると思うのよね。今の私は後者で助けていきたい。ま、今のなにもできない自分を正当化しているだけかもしれないけど。

12/9(土) | 妊娠5か月【16週】

今日はマタニティヨガ初体験。「赤ちゃんのことを思うだけでなく、自分のことも大切にしてください」って言われて、「いやいやわたし今仕事のことばっかり考えてて、お子のことだって考えられてないんですけど..」とは言わなかったけど反省。

ゴリゴリ仕事しながら体調不良をごまかしつつ、子のことを想うなんて、わたしにはなかなか難しくて、「子を想う神聖な妊婦像」とは程遠い。週に1回くらいはヨガを通して子との対話の時間を持って、自分が妊婦であることを思い出そうと思う。

最近、女に生まれてよかったな、男は大変だなって思うことがある。「女性に権利を!」って言うけどさ、女性の特権だってあるよな、って思う。男の人の多くはそうだと思うけど、仕事に一直線って大変よなあ。わたしは今のところ、「妊娠したことで、仕事から離れられる大義名分」を得ている気がしている。

仕事に捧げがちだったのに、急に「自分を大切にしてください」って言われて、「え、いいの!?」って感じよ。そういう特権を得られた今、今まで生きにくい思いをしてたんだなって思うよ。

そして、妻が「仕事は一旦休んで自分を大切にできる」ということは、夫という後ろ盾があるからこそ。その基盤を作ってくれているのに、仕事に邁進している男の人は「自分を大切に」なんて言われるタイミングは女性に比べてだいぶ少ない。あまり主語を大きくして提言したくないんだけどもさ。

育児系のコンテンツを見ていると夫への不満が多いけど、わたしは特権を得たと思っているから、夫には「仕事おつかれ」って気持ちだよ。お腹の中で育児して体調崩して辛いけど、それをナシにしてずっと仕事だけしたい、とまでは思わないな。育児となったらまた気持ちが変わる可能性は高いけど、今はそういう気持ち。


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