冒険少女

ではご覧下さい。

シーサイドサンセット
漫才/島

レナ：「無人島に何か一つだけ持って行けるとしたら何持ってく？」って質問あるじゃない。

トキ：誰しも一度は考えるよね。アタシだったらライターかな。火起こせるじゃん。

レナ：何の変哲も面白みも無い回答だね。そんなモノじゃトキは一人静かにシャレコウベになるばかりだね。

トキ：そこまで言う！？ならレナは何を持って行くって言うのさ！？

レナ：覚悟。

トキ：おっ、覚悟だなんてこれは中々凄い宣戦布告だね。果たしてどんな回答が飛び出す事やら。

レナ：いや今言ったよね。覚悟って。

トキ：ん！？これはひょっとしてアタシ勘違いしちゃったかな～？レナは無人島に覚悟を持って行くの！？

レナ：はい。私は無人島に覚悟だけ持って行きます。

トキ：丁寧に答えたね！大事かもしれないけども！持ち物じゃないじゃん！

レナ：ライターはお金掛かるけど、覚悟は何とタダだからね。

トキ：損得勘定で答える質問じゃないんだよね！アタシが答えたライターだって１００円だし。

レナ：でもさ、ライターって水で湿気たりオイルが無くなったらアウトじゃん。でも覚悟は無限に溢れてくるからね。コスパ最強。

トキ：無人島行ったらどの道コスパなんて言ってらんないよ！覚悟だけあっても無人島は無理ゲーだよ！

レナ：覚悟があれば無人島で何でも出来る。行くよ。

トキ：「ダー！！」の人みたいに言うんじゃないよ！

レナ：ただ悩みがあって、一つだけ持って行けるって話じゃない？だからどの覚悟を持ち込んだら良いのやら。

トキ：好きなだけ持ってけば良いじゃない！！例外中の例外回答だもん！！

レナ：そういうワケには行かないよ。場面場面で覚悟は違うんだからさ。

　　　自力で火起こし、冷たい海に潜る、野生動物を捕まえる、水の確保、全部違う覚悟が要るんだよ？

トキ：そうかもしれないけど！さっき無限に溢れて来るって言ってたじゃん！

レナ：やっぱりこれかなあ。「無人島で暮らすなら一生スマホ使えない覚悟」だね。電波無いし充電出来ないし。

トキ：そこ！？一つしか選べないのにその覚悟なの！？そんなんで無人島で生活できるワケないよ！

レナ：あっ、しまった……。覚悟だけって言ったのに私スマホ持ち込もうとしてた……。

トキ：実質一つだから問題無いよ！！生活するには問題だらけだけど！！もうお仕舞いっ！！