ナゾガク電脳部の冒険2 ~A Scandal in Opera City~ 第1部note先行公開版

<1-1 這いよる事件>

電脳部を騒がせたあの事件からしばらく経ち、電脳部にも平和が訪れていたある日・・・あなたのもとに、電脳部の和戸由紀からメッセージが届いた。

「今日の放課後、職員室に来て」

君が返事を打とうとすると、続けざまに画面がスクロールする。

「都合が良ければ来て」

少しため息をつくと、再びメッセージが追加された。

「いや、悪くても来て」

<1-2 白衣の女>

職員室の扉をあなたが開くと、電脳部の和戸由紀と、電脳部顧問の乙部公義が一緒にいた。乙部は見るからに落ち込んでるように見える。

「乙部ちゃんがね、だいじなものを盗まれてしまったんだって」

だいじなもの?と聞くと、顧問の乙部は恥ずかしそうに答えた

「写真……なんだけど……」

「へ?写真?何がそんなに?」

和戸由紀の質問に、乙部は、

「昔……好きだったアイドルと一緒に撮った……」

そのとき、職員室の扉がガラッと音を立てて開いた。

「あら?乙部先生、まだいらしたんですね」

緑のワンピースに白衣を羽織った、口紅の特徴的な美しい女性だった。

「千鶴先生!!」

慌てて立ち上がった乙部を横目で見た後、和戸由紀はその女性の方向いた。

「乙部先生、この前の取材では、うちの子たちがお世話になりました……ご迷惑ではなかったかしら?」

「い、いえ……」

「ぜひあらためて今度お礼を……」

少し乙部の方に近寄ると、乙部は少し後ずさりした。

「そ、そんなお礼だなんて……!」

乙部は混乱したように首と手をあわてて振り続ける。

「そうですか……ではまた……」

会釈をすると、その女性は机の上の荷物を手に取り、去っていった。その姿を追うように見つめた和戸由紀はつぶやいた。

「……気にくわないわね」


<1-3 三人の学生>

ここは、オンラインゲームGlorious Genesysの世界。

電脳部のメンツはだいたい部室ではなく、ここに集まっている。が……

-------------------------

Snow:なんだ、今日は少ないのね……

Blue:みんな試験とかいろいろ忙しいしな。

Nana:そうですね……。

Snow:って、Nana!あんたどうしたの今日先に帰っちゃって……

Nana:……す、すみません。

Snow:あんたに真っ先に相談したかったのにさ……。まあいいわ。乙部ちゃんの写真がなくなった話はしたわよね?

Nana:ええ。

Snow:どうやら、大事なものらしいのだけど……

Blue:いつなくなったのさ。

Snow:それが……目を離した時間は、新聞部の取材を受けてたって……なんでも顧問の先生、そう新任の養護の先生、羽瀬千鶴先生に頼まれたんだって。

Nana:新聞部がどうやらあやしい……そうですね?

Snow:うん……それにあの人……どうも匂うのよね。乙部ちゃんもなんか怯えてるみたいだし……。

Blue:乙部ちゃん、あの女にお熱なんだろ? だから知られたくない何かがあるんじゃねーの?

Snow:それだけじゃなくて……なにか、ウソくさいというか、隠してるというか……。

Blue:まあいいや。話は先に聞いてたからな、戦利品があるんだよ。

Nana:戦利品?

Blue:ちょうど清掃活動に勤しんでたらよ、新聞部の奴らがいてさ。ちょっと借りたんだよ、USBメモリ。

Snow:それって、カツアゲって言うんじゃ……

Blue:内容は、送っとくから。 さ、あとはSnow、頼んだぞ。レベル上げいってくらあ。


●和戸由紀のメモ

・Glorious Genesis (略してGG)

電脳部がはまっているオンラインロールプレイングゲーム。開発会社が初台にあるみたいで、ゲームの舞台も初台がモデルになってるんだって!

・電脳部のみんなのキャラクター

試験前は人が少なくてつまんないなー!

Snow 私のキャラ!

Nana いつもは頼りないけど、ピンチの時は頼りになる、かな? なんか最近様子が変なんだよね。

Blue ちょっと怖いけど、仲間思いのいい人だよ。よく先生に怒られて掃除させられてるけど……。


<1-4 四つの記号>

「で、送られてきたのは、謎のURLと、4つの図形……あんた、わかる?」

URLを入力したところ、パスワード画面が開かれた。どうやら4桁の数字を入力する仕組みのようだ。また、4つの図形はこれだけでは意味がわからない。

「とりあえず情報集めよ。あんた、聞き込みというか新聞部の奴らを盗み聞きしてきなさい。あとは、あいつらの新聞はロビーにあるはず……。それもチェックね。」


(続きはナゾガク2015で!!)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?