チミドロ表裏

「なのかな?」の裏話 07.「ゲットー酒場」の話(スズキナオ)

2019年3月15日に発売になったテクノラップバンド・チミドロの2ndアルバム「なのかな?」の収録曲について、思い出を綴っています。それの6回目です!

今回は、

07.ゲットー酒場

のことを思い出します。

チミドロでは私、スズキがトラックを作ることが多いのですが、この曲は違っていて、チミドロに後から加入してくれたMCのハナイさんが基礎となるトラックを作ってくれました。

ハナイさんが「こんなの作ってみた」という感じで曲を送ってくれて、その音源を流しながらスタジオで練習を重ね、そこに歌詞をのせていきました。

当時私は会社勤めをしていて、とにかく仕事が終わり次第すぐに酒を飲んでストレスを発散したくて、できればもちろん誰かと乾杯して賑やかにやれれば一番いいのですが、忙しくて残業が長引くようなこともありました。

チミドロのメンバーとワイワイ飲む酒は楽しいんだけど、みんなそれぞれ仕事の事情などで顔を合わせるのが難しかったりする。それでも、メールなどで連絡を取り合い、「今出張で岐阜に来てるんだけど、ようやく仕事終わったから酒飲んでます」とか、「今日は金ないしコンビニ前で飲むわ」とか、各自が様々な場所で酒を飲んでいる様子を知らせてくる。

それを見ていて、たとえ一か所に集まることができなくても時間や空間を越えて乾杯することができるんじゃないか?そう思うことができれば少しは賑やかな気分になれるんじゃないか?と思いました。

歌詞の内容は、ある一日のチミドロメンバーがそれぞれの時間にそれぞれの場所で酒を飲んで、それが別に交差するわけでもないんだけど、全体としてみれば何か心が触れ合っている、というようにしたくて、MCのミヤマ君は当時(今もですが)落語にハマっていて、すごく好きな落語家さんがいてその人の落語を聞いて感動したと言っていたのでそれを盛り込んだり、道玄坂上でコンビニ酒を飲んでいるのは自分だし、熱出して寝込んでいたのはハナイさんだし、とモデルがあります。

その後、2011年10月30日に発売された今も仲良しのパリッコさんやイオさん率いるダンスミュージックレーベル「LBT」の結成10周年を記念した『Drinkers High!10』というコンピレーションアルバムに収録していただくことになりました。

「ゲットー酒場」という曲名は、当時よく飲みに行っていた店が割と汚くて柄も悪くて、もともと「ゲットーハウス」などとも呼ばれる品が無いけどかっこいいシカゴハウス的なダンスミュージックが好きだったこともあり、つけてみました。

なんとなく気に入ったタイトルだったので、その後、nakayoshi groupと当時まだあった池袋のミュージックオルグのミヤジさんと一緒に始めたイベント名にもそれを採用してもらって、そのイベントが不定期にですが今も続いていたりします。

チミドロ2nd FULL ALBUM「なのかな?」については特設サイトをチェック!

「なのかな?」の裏話 過去の記事はこちらから!


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