忍殺TRPGソロリプレイ【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】#4

◇前置き◇

 ドーモ。しかなです。当記事はしかながニンジャスレイヤーTRPGのシナリオを遊んだ結果を元に作成したテキストカラテ(訳注:二次創作小説)となります。いわゆるリプレイだ。気楽に読めるよ。

 そして続き物でもある! 前回のお話はこれです。

 アンタイニンジャウイルス「タケウチ」をドラゴン・ゲンドーソーに撃ち込むことに成功したディスグレイス一行。カラテの応酬の行く末やいかに。

 ではいってみよう。よろしくおねがいします。



◇5ターン目◇

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!?」

 カナシバリの妖光、そして無数のヘビめいて迫るバイオ触手の波状攻撃。それらがローシ・ニンジャの肉体を容赦なく傷つけていく。

 ザンシンとともにブンシンが展開、カラテを構えるニュービーの誰かが小さく呻いた。なんたるカラテ。なんたるジツか!

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「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 しかし老龍の闘志、いまだ消えず! 最小限の身のこなしでキールバックの投擲したモウドク・ダートを回避した彼は鋭いカラテ・パンチをディスグレイスのブンシンに叩き込みこれを消滅せしめる。

 ディスグレイスは警戒を新たにする。タケウチの病状進行速度がどれほどのものかはわからない。しかしローシ・ニンジャのカラテはあれ以上の減衰を見せてはいない。わずかな焦りを短い呼吸で掻き消す。

「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 守りを捨てたシャープキラーのノダチ斬撃を、ローシ・ニンジャは丁寧なカラテ・パリングで弾き無力化!

「今だ!」「「「ハイ! センセイ!」」」

 ローシ・ニンジャの号令に、ニュービーたちが一斉にシャープキラーへカラテを仕掛ける!「チィーッ!」だがシャープキラーはフットワークのみで彼らのカラテをいなす。無傷!

「ええい、うざったい……!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 援護の構えを見せたキールバックへ、柱を蹴り飛んだユカノが鋭いトライアングルリープキックを放つ! キールバックは咄嗟に蹴り返し相殺! 彼女は苛立たしげに、カラテを構え直すローシ・ニンジャを睨みつけた。

ディスグレイス:カナシバリ→ゲンドーソー
[1,1,3,3,3,3,4,4.4,4,4,5,5,5,5,6,6]
ゲンドーソー回避
[6]
ディスグレイス:移動後ムチ→ゲンドーソー
[1,4,6][5,5,5][1,2,4]
ゲンドーソー回避
[1,1][1,2] ゲンドーソー【体力】6→4
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】8→7
[1,2,2,3,3,3,4,4,4,4.4,5,5.5,5,6,6]

キールバック:フェイント→ゲンドーソー
キールバック:集中フェイント投擲→ゲンドーソー
[1,2,2,4,4,5,6][3,4,4,5,6,6,6]
ゲンドーソー回避
[6][4,4]

ゲンドーソー移動後カラテ→ディスグレイス
[4,4,6][1,2,4,6] ブンシン二体消失

シャープキラー:移動後捨て身
[1,2,4,6][2,4,5,6]
ゲンドーソー回避
[4][5]

ユカノ:連続側転
[1,2,2,3,4,5,6]
ユカノ:トライアングルリープキック→キールバック
[1,2,3,3,4,4,5]
キールバック回避
[4,4,5,5,5,6]
カウンター!
ユカノ回避
[1,1,1,3,5,5]

ニュービーたち:移動後カラテ→シャープキラー
[1,4,4,6][3,4,5,6][4,4,5.6]
シャープキラー回避
[1,4][4,6][1,5]

 そして既視感を覚える。庫裏で見つけたあの白黒写真。大人びた女性と純朴そうな青年。ドラゴン・ユカノ。その面持ち……

(似ている)

 血の繋がりで片付けてしまっていい範疇ではない。ほとんど同一人物ではないか? わずかな動揺を嗅ぎつけたのか、ディスグレイスが訝しげな視線を向けてくる。

 ……そのときであった。

1d6 → 6

 KABM! KABM! KABOOM! 爆発! ドージョーの屋根が吹き飛ばされる! ソウカイヤもドラゴン・ドージョーも等しく、不意を打たれて頭上を見上げた。

 おお、見よ。空はもはや夕焼けで赤く燃えている。その只中にぽつんと浮かぶのは武装ヘリ!「イヤーッ!」そして今そこから飛び降り……カイトを広げて急降下する一人のニンジャ!

「新手だと……!」

 動揺するニュービーを侮蔑的に睨めつけてから、地に降りたオフホワイト装束のニンジャは威圧的にアイサツを繰り出した。

「ドーモ。ドラゴン・ドージョーの皆さん。ヘルカイトです」

◆ヘルカイト (種別:ニンジャ)
カラテ      9		体力	10
ニューロン    6		精神力	6
ワザマエ    10		脚力	4		
ジツ        3		万札	10

◇装備や特記事項	
 装備:タケヤリ(近接武器)、背負式カイト(スキルの使用に必要)
 スキル:『●連続攻撃2』、『●連射2』、『緊急カイト脱出』、『カイト・ダイブ』
	
『緊急カイト脱出(完全脱出)』:
 移動の代わりに使用。【精神力】1消費。
 そこが屋外である場合、即座にマップから脱出できる。

『緊急カイト脱出(一時撤退)』:
 移動の代わりに使用。高く飛び上がり、一旦マップから消える。
 次のターンの自分の手番の開始時に『カイト・ダイブ』によって出現する。
 『緊急カイト脱出』を使わず、いきなり『カイト・ダイブ』を使ってもよい。

『カイト・ダイブ』:
 移動の代わりに使用。ヘルカイトは空高く飛び上がった直後、急降下攻撃を繰り出す。
 マップ内で視界が通っている好きな場所へと、直ちにヘルカイトを移動させること(これを着地点と呼ぶ)。
 着地点と隣接する敵1体は、この移動終了時に、自動的ダメージを1受ける(回避は『U-HARD』で可能)。
 ヘルカイトは『カイト・ダイブ』終了後に、そのまま通常どおり近接攻撃を繰り出せる。



◇6ターン目◇


画像2

 驚いたのはディスグレイスも同様である。彼女は目を丸くして今回の上役たるシックスゲイツを見やった。

「まさか直々においでになるとは」

「お前たちが手こずっていたからです。とはいえ……仕事の様子はモニタリングさせてもらいました。なかなかの出来」

 ヘルカイトは猛禽めいた一瞥をローシ・ニンジャへ。そしてドラゴン・ユカノへと向ける。そして言った。

「貴女であれば元よりそのつもりでしょうが……ラオモト=サンよりドラゴン・ユカノは生け捕りにしろとの命がくだっています。ASAPでそこの老いぼれを始末し、私の援護を行いなさい」

「……ハイ、ヨロコンデー」

 ディスグレイスは微笑した。言われなくとも、この老龍は仕留めねばならぬ。

「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」「グワーッ!?」

 コンマ数秒後、熾烈な妖光とヘビめいてうねる触手がローシ・ニンジャを打ち据えた。よろめいたローシ・ニンジャは視線を巡らせる。小柄なニンジャが既にクナイ・ダート投擲の構え。

「イヤーッ!」

 放たれたクナイ・ダートが、その合間に仕組まれた水滴弾が迫る。夕陽によって照らされ、その軌道が露わとなる。ローシ・ニンジャはカラテを、

「ゴボッ」

 体内に撃ち込まれた病毒が荒れ狂ったのは、ちょうどそのときであった。コンマ数秒のカラテの乱れ。その喉元へ、クナイ・ダートが突き立つ。無慈悲に。刃にまとわりついたジツの毒は、老龍の肉体をさらに汚した。

 そして……ナムアミダブツ。おお、ナムアミダブツ! ローシ・ニンジャは仰向けに倒れ込む。その指がわなわなと震え……その動きを止めた。

「お爺さま!?」「イヤーッ!」「ンアーッ!?」

 悲鳴を上げるユカノに襲いかかるのはヘルカイト! 急上昇からの急降下による鋭い蹴りが彼女を苛む!「イヤッ! イヤーッ!」「く……イヤーッ!」続くタケヤリの攻撃をかろうじて防御!

「ヤッタ……!」「キールバック=サン」「ア……も、申し訳ありません! お姉さま!」

 ヤッタポーズを取りかけたキールバックを視線で嗜めてから、ディスグレイスはシャープキラーへ淡々と指示を送る。

「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 容赦ないシャープキラーの斬撃。だがユカノはこれを跳躍回避、のみならず刃を踏み台にさらに跳躍、背後の柱を蹴り「イヤーッ!」反動をつけた飛び蹴りをキールバックに見舞わんとす!

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」

 だがしかし、そのカラテは宙を切った。ブリッジ回避したキールバックはそのままプロペラめいた回転蹴りで反撃! ユカノを吹き飛ばす!

「老龍は堕ちた。そこの娘はともかく、貴方がたは……」

「「「イヤーッ!」」」

 勧告しかけたディスグレイスの幻影を、ニュービーたちのカラテが打ち消した。その顔に浮かぶ悲壮と決死の表情に、ディスグレイスは冷徹な視線を送る。どこまでも度し難い。

ディスグレイス:ブンシン効果 攻撃ダイス+2
ディスグレイス:カナシバリ→ゲンドーソー
[1,1,2,2,2,2,3,3,3,4,4,4,5,5,5,5,6]
ゲンドーソー回避
[4]
ディスグレイス:集中ムチ→ゲンドーソー
[2,2,4,4][1,3,4,5][2,3,4]
ゲンドーソー回避
[1][6][1] 【体力】42
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】76
[1,1,2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6]

キールバック:フェイント→ゲンドーソー
キールバック:スリケン→ゲンドーソー
[1,2,3,4,4.5,5][2,2,5,5,5,5,6]
ゲンドーソー回避(4/9)
[1][5]
モウドク効果1d3→2 
ゲンドーソー【体力】20 死!
キールバック【DKK】16

ヘルカイト:カイトダイブ
ユカノ回避
[1,1,4,5] 【体力】32
ヘルカイト:タケヤリ→ユカノ
[3,4,5,6][2,2,2,6,6]
ユカノ回避
[2,6][1,5]

シャープキラー:移動後捨て身→ユカノ
[3,3,5,6][3,5,5,5]
ユカノ回避
[2,2,4][1,2,6]

ユカノ:連続側転
[1,3,3,3,4,5,5]
ユカノ:トライアングルリープキック→キールバック
[1,2,2,3,4,5,5]
キールバック回避
[1,2,3,4,5,5,5,6]
カウンター回避不可 ユカノ【体力】21

ニュービーたち:移動後カラテ→ディスグレイス
[3,4,4,6][2,2,5,5][4,4,6,6]
ブンシン三体消滅



◇7ターン目◇


 ローシ・ニンジャ……ドラゴン・ゲンドーソーは沈みゆく意識の中、思考を巡らせる。病毒の鉤爪はもはや己の心臓に突き立てられた。チャドーによって意識を保つのがやっとの有様。なんたるブザマか。

 彼はユカノを思った。そしてネオサイタマで出会ったあの死神めいたニンジャを。せめてインストラクションを残せていたならば。

 否。後悔は死んでからすればよい。ゲンドーソーはカラテを振り絞り、本殿の床へと流し込む。

脱出路判定
本殿:[2,3]
土間:[1,6]

画像3

 スターン! ドージョーに敷かれたタタミの一片が突如跳ね上がる! その下に口を開けているのは、闇に続く階段だ。ディスグレイスは訝しみ……舌打ちする!

「逃走経路? 小賢しい……!」

 いかなる原理によってそれが口を開いたか。そんなことはどうでもいい。ディスグレイスは即座に動いた。非常出口すぐ側に立ちはだかった彼女は

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」

 クズリュ・バイトをユカノに向けて振るう! 変則的起動を描いた触手は容赦なく彼女を打ち据え、装束を破損せしめた。彼女のバストは豊満である!

「ユカノ=サン!?」

 ニュービーの一人が悲鳴を上げる。ディスグレイスは煩わしげにそれを一瞥し、ヘルカイトとアイコンタクト。彼が頷くのを確かめてからキールバックへ指示を飛ばした。

「もはや事、成れり。キールバック=サン、例のものを仕掛けなさい」

「……ハイヨロコンデー!」

 キールバックは背負っていたアタッシェケースを床に下ろし、開封! その横に歩み寄ったヘルカイトが手早くIRC通信アンテナを伸ばし、ニュークとUNIXを赤と黒のリード線クリップで繋ぎ、三次元並行測定器をONにする。最後に短いタイピングを終えた途端、ケースから剣呑な電子マイコ音声が発せられた。

「起爆準備、完了ドスエ。10分以内に退避をお願いしますドスエ」

「……これでラオモト=サンもお喜びになろう。シャープキラー=サン! その女を回収しなさい」

「ハイハーイ。……近くで見ると綺麗な人だねえ、本当」

 自身の衣装の一部を裂いてユカノの胸元を隠したシャープキラーは、片手で彼女を抱え上げる。そこへ

「「「ウオオーッ!」」

 殺到せんとする生き残りニュービーたち! だが「「イヤーッ!」「「「グワーッ!?」」」立ちはだかるディスグレイスとキールバックにそのカラテをいなされる!

「まったく鬱陶しい。ここで命を散らす気ですか? 大人しく尻尾を巻いて逃げていれば……」

「どちらにせよ彼らは始末重点ですよ、ディスグレイス=サン。ラオモト=サンの指示、ゆめゆめ忘れぬように」

「……そうでしたね。ええ。覚えていますとも」

 ヘルカイトの指摘に、ディスグレイスはややバツの悪い様子で返す。そして冷徹にニュービーらを見やった。ナムアミダブツ! ブッダよ、寝ているのですか!?

ディスグレイス:ブンシン効果 攻撃ダイス+1
ディスグレイス:カナシバリ→ユカノ
[1,1,2,2,2,2,3,3,4,4,5,6,6,6.6,6,6]
ユカノ回避(11/11)
[3] 【精神力】43
抵抗
[1,1,3,5] 回避
ディスグレイス:集中ムチ→ユカノ
[2,3.5][1,3,4][2,3,4,6]
ユカノ回避
[6][1][1]ユカノ【体力】10 昏倒!
ディスグレイス【DKK】510

キールバック:バンザイ・ニューク設置

ヘルカイト:移動後バンザイ・ニューク起動。カウントダウン開始

シャープキラー:ユカノ回収

ニュービー10:移動後カラテ→ディスグレイス
[3,5,6]
ディスグレイス回避
[2,2,3,5,5,6] 
カウンター! ニュービー10【体力】21

ニュービー5、8:移動後カラテ→キールバック
[4,5,6][1,4,6]
キールバック回避
[2,3,3,5,5][1,2,3,4,5]
二度目のWasshoi[5.5] < 11 ニンジャスレイヤー襲来!


Wasshoi!


 そのときであった。夕闇に沈みつつある空を赤黒の風が飛んだのは! ソウカイニンジャたちは咄嗟にカラテ警戒し、大ブッダ像へ着地したニンジャへと向き直る!

「貴様は……!」

 キールバックが慄き、震え声で呟いた。彼女は覚えている。かつて出会った死神のことを。

「ドーモ。ソウカイヤの皆さん」

 威圧的字体の「忍」「殺」メンポからジゴクめいた蒸気を吐いた赤黒のニンジャは、決断的殺意とともにアイサツを繰り出す!

「ニンジャスレイヤーです……!」


【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】#4終わり。#5へ続く

→続きはここから




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