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忍殺TRPGソロリプライ【ザ・ナイト・オブ・ダンシング・ブレード】

◇前置き◇

 ドーモ。シカナです。ゴブサタしております。

 当記事はシカナがニンジャスレイヤーTRPGのソロシナリオを遊んだ結果をテキストカラテ(訳注:二次小説の意)にした、一種のリプレイとなります。気楽に読めるよ。

 今回挑戦させていただいたのは古矢沢=サンの【スカウト部門の日常】です。

 闇に蠢く野良ニンジャたちをあるいはスカウトし、あるいは粛清する……そのようなミニマルなランダム生成ソロシナリオだ。つまり何度でも遊べる。すごい。

 挑戦者などはオープニングで発表するとしよう。では早速やる。ヨロシクオネガイシマス。



◇オープニング◇

 ニンジャ。かつてカラテにより世界を支配した半神的存在。だが時代とともにその力は衰え、動乱の中で彼らは忘れ去られていった。

 ……故に、ネオサイタマの市民は知る由もない。自分たちの暮らすこの街の影で、ニンジャが暗躍していることなど。


◇◆◇◆◇


「ンー……」

 時、すでにウシミツ・アワー。イタチ・ストリートにはもはや人の影もない。ただ一人、道の真ん中で足を止めて携帯IRC端末とニラメッコをするセーラー服の少女を除いては。

「この辺で目撃情報があるのは……エート、ジゴクメイヘム=サンとジゴクキラー=サン? 似通った名前だなあ。姉妹かなんかかな……」

 軽い調子で呟く少女の瞳は、星空めいた輝きを見せている。もしニンジャ視力をお持ちの方がいれば、その少女の衣服にも星屑めいた光の欠片を見出したろう。そしてもし、貴方に優れたニンジャ第六感が備わっているのならば……その輝きがテックなどではなく、超自然の力が漏れ出したものだと気づくだろう。

 然り。この少女はニンジャである。名をシャープキラー。ネオサイタマを牛耳るヤクザ組織、ソウカイヤのスカウトの一人なのだ。

ニンジャ名:シャープキラー
【カラテ】:7(+1)       【体力】:8/8
【ニューロン】:6(-1)     【精神力】:12/12
【ワザマエ】:8(+2)       【脚力】:8
【ジツ】:4(カラテミサイル)   【万札】:3
近接攻撃ダイス:9
遠隔攻撃ダイス:10
回避ダイス:16

【特筆事項】:
【名声】:24
【DKK】:0
ニンジャソウルの闇:破壊衝動

【装備品】:
ノダチ
パーソナルメンポ(生成)
セーラー服さらに改善(伝統的ニンジャ装束(生成)読み替え)

【サイバネ】
▶︎ヒキャク
▷ブースターカラテ・ユニット

【スキル】:
●連続攻撃2、●連射2、●疾駆
◉タツジン:ノダチ
★カラテミサイル・マスタリー1
★★★電光石火
★★★共振装束生成
○キラーマシーン教育
○カジバヂカラ(カラテに+1補正)

【説明】
アサシン養育施設「アシサノ私塾」の出身者。
持ち前の身軽さをサイバネ脚で補強し、ノダチで敵を仕留める。
しかしもっとも恐るべきはその執念深さと残忍性だ。

 シャープキラーは不意に空を見上げる。重金属酸性雨こそ降ってはいないものの、重苦しい雲が広がっている。が、彼女はそんなものを気にしているのではない。

 目を細め、ニューロンを研ぎ澄ませる。そして感じとる。近場に蠢くニンジャソウルの気配を。シャープキラーは微笑んだ。

イヤッハー!

 そして一筋の光の帯を残し、跳躍! ビル壁を蹴り、近くのニンジャソウル気配へと流れ星めいて飛び去ったのだ!



◇一人目◇

レベル選択:5
賞金首その1
2d6 = (5+4) = 9
ニューロン、ワザマエ+2/カタナ+滅多斬り

ニューロン壁越え:1d6= (2) = 2
生体LAN端子&テッコ+&内蔵式電磁ダガー×2

ワザマエ壁越え:d6 = (1) = 1
ボックスカラテ&特殊近接ステップ

狂気:d6 = (4+6) = 10
残存記憶のゴースト

名前:d6+2d6 = (2+3) + (4+1) = 10
ジゴクメイヘム
◆ジゴクメイヘム(種別:ニンジャ)
カラテ     5  体力   5
ニューロン   7  精神力  6
ワザマエ    7  脚力   4
ジツ      0  万札   21
近接ダイス:7 遠隔ダイス:8 回避ダイス:9
スキル:◉滅多斬り、◉タツジン:ボックスカラテ、◉特殊近接ステップ
装 備:カタナ
サイバネギア:▶︎▶︎テッコ+、▷▷内蔵式電磁ダガー×2、▶︎生体LAN端子
狂気:残存記憶のゴースト(軽度)


賞金首その2
2d6 = (5+1) = 6
ワザマエとニューロン+2/滅多打ち

壁越え:2d6 = (4+6) = 10
ニューロン+1/生体LAN端子/サイバネアイ+/レーザーアイ+
ワザマエ+2/タツジン:イアイドー/カタナ/カトン・エンハンス

名前:2d6+2d6 = (2+3) + (4+3) = 12
ジゴクキラー

狂気:2d6 = (3+1) = 4
​獣化/黒い復讐心
◆ジゴクキラー(種別:ニンジャ)
カラテ     5  体力   5
ニューロン   8  精神力  7
ワザマエ    9  脚力   5
ジツ      4  万札   24
近接ダイス:12 遠隔ダイス:13 回避ダイス:10
スキル:滅多打ち
装 備:カタナ
ジ ツ:★カトン・エンハンス
サイバネギア:▶︎▶︎サイバネアイ+、▷▷レーザーアイ+、▶︎生体LAN端子
狂気:獣化/黒い復讐心(中度)


おまけ:性別(1なら男、2なら女)
2d2 = (2+2) = 4


シャープキラー:賞金首その2をターゲットに


◆◇◆◇◆


「シューッ……」

 蒸気めいてメンポの隙間から息を漏らし、暗い路地裏を行く者あり。バイオウルフの毛皮を加工したと思しきニンジャ装束は威圧的だ。だらりと下げたカタナも相まって、悪鬼めいたアトモスフィアを放っている。

 そして実際、この者は悪鬼めいた存在だ。煌々とサイバネアイを光らせ、不幸な市民を探し求めている。名をジゴクキラー。無慈悲なるニンジャである。

 ……今、タタミ数枚分の距離を取って、その前にセーラー服姿の少女が降り立つ。ジゴクキラーは訝しみ、サイバネアイでその顔を無慈悲にターゲッティングしながらアイサツを繰り出した。

「ドーモ。ジゴクキラーです」

「ドーモ! ジゴクキラー=サン! シャープキラーです!」

 凝固するアトモスフィアに似合わぬ朗らかな笑み。ジゴクキラーは無造作にカタナを突きつけた。

「貴様はなんだ? 私に血肉を捧げに来たのか?」

「アハハッ、面白いこと言うね! 実際、うちのスカウトをダメにしてくれた人はセンスがあるなあ」

「……ソウカイヤ。成る程」

 ジゴクキラーは構える。油断なきイアイの構え。シャープキラーは楽しげにその様を見やり、ひどく無造作に背負っていたノダチを抜いた。

「ならば殺す。弱者に従う趣味はなし」

「じゃ、私には従ってくれるってことかな。タノシミ!」

イヤーッ!


1ターン目前半
ジゴクキラー:カトン・エンハンス発動
精神力76
12d6>=4 = (6,3,2,4,4,2,2,2,1,2,2,6 :成功数:4) = 4
ジゴクキラー:精密
6>=4[=6]+6d6>=4[=6] = (1,3,5,6,6,3 :成功数:3 , サツバツ![=6]:2) +
 (1,1,3,1,2,1 :成功数:0 , サツバツ![=6]:0) = 5
シャープキラー回避(ダイス16115d6>=4` = (4,6,6,5,1 :成功数:4) = 4
カウンター!
ジゴクキラー回避(ダイス10→8)
2d6>=4` = (5,2 :成功数:1) = 1

シャープキラー:一掃
10d6>=5[=6] = (5,6,4,6,1,5,1,5,1,4 :成功数:5 , サツバツ![=6]:2) = 7
ジゴクキラー回避(ダイス842d6>=4+2d6>=4` = (3,1 :成功数:0) + (4,3 :成功数:1) = 1
ジゴクキラー:体力5→2
獣化発動。次ターン以降近接攻撃ダイス+1

 ジゴクキラーのサイバネアイが緑色に輝く! それと同時、そのカタナもまた同色の炎を帯びた。カトン・エンハンス!

イアイ! イアイド!」「イヤーッ!」「ヌゥッ、イヤーッ!

 夜のストリートに炎と光が舞う。ジゴクキラーは瞠目し、反撃の刃を辛うじてブリッジ回避した。そして敵の脅威度を改める。あれほどの長物を得物としながらも、こちらのわずかな綻びを見逃さず斬り込んでくるその鋭さ……!

イヤッハー!」「な、グワーッ!?

 だがシャープキラーの駆動はそれだけに止まらぬ! 剥き出しのサイバネ脚からカラテ粒子を噴出し急速回転した彼女は、ネズミ花火めいてジゴクキラーへ殺到! その刃で撫で斬りにする!

「ぐ……お、おのれェーッ!」

 ニューロンに走った動揺をそれ以上の怒りで拭い去り、ジゴクキラーが瞳を激しく発光させた。

GRRRRR!」「イヤッハー!

 使い手の怒りを受け、激しく燃え盛るカタナが空中のシャープキラーへと迫る。だが少女はそれを笑い飛ばした。笑い飛ばしてブースターユニットからカラテ粒子を噴出して滞空。燃え盛る刃を踏みしめてジゴクキラーの元へ……!

「な」「イヤーッ!」「グワーッ!?

 ジゴクキラーは目を見開く。その身体をシャープキラーのノダチは容赦なく吹き飛ばし、壁へと叩きつけた。ナムアミダブツ……!

1ターン目後半
ジゴクキラー:精密
7d6>=4[=6]+6d6>=4[=6]` = (5,6,1,1,3,3,3 :成功数:2 , サツバツ![=6]:1) + 
(6,5,5,6,6,3 :成功数:5 , サツバツ![=6]:3) = 11
シャープキラー回避(後半に精神使用。精神力12→11、ダイス11→6)
4d6>=4 = (1,4,5,1 :成功数:2) = 2

シャープキラー:捨て身
4d6>=5[=6]+4d6>=5[=6] = (5,4,5,1 :成功数:2 , サツバツ![=6]:0) +
 (5,1,4,4 :成功数:1 , サツバツ![=6]:0) = 3
ジゴクキラー:回避(ダイス4→0)
2d6>=4+2d6>=4` = (5,2 :成功数:1) + (3,2 :成功数:0) = 1
ジゴクキラー:体力20、イクサ終了

「アハッ! ちょっとヒヤヒヤしちゃった」

 短いザンシンを終えたシャープキラーは、無造作に壁にめり込むジゴクキラーの元へ近づく。そして笑いかけた。その瞳には無数の光が煌く。星空めいて。

「これでどっちか上かわかってもらえたと思うんだよね。ついでに私が手加減したことも汲み取ってほしいな!」

「ヌ……グ……」

「その上で。貴女には選択できる未来がある。私と一緒に来るか、ここで私にカイシャクされるか。手早く選んでね! 私、まだ仕事の続きがあるからさ!」

「ヌ、ヌゥゥゥーッ……」

スカウト
シャープキラー:12d6>=5 = (5,6,4,3,3,6,3,3,6,3,3,4 :成功数:4) = 4
ジゴクキラー:7d6>=5 = (3,5,4,3,5,6,4 :成功数:3) = 3
成功!

 ジゴクキラーは明滅するサイバネアイでシャープキラーを見返す。その中にある隠しようのない恐怖の色を、シャープキラーは興味深く思った。数秒経っても返答がなかったため、彼女はノダチを構え直し、

「……オミソレ、シマシタ……!」

 絞り出すような言葉に手を止める。そして朗らかな笑みを浮かべた。なかなかの手練れ。ディスグレイスもきっと喜ぶだろう……様々な意味で。


◇二人目◇

レベル選択:5
賞金首その1
`2d6` = (6+6) = 12
カラテ、ワザマエ+2/カルマ善(万札二倍)

2d6 = (1+6) = 7
バイオサイバネ頭部/タツジン(イアイドー)/カタナ/カトン・エンハンス

名前:2d6+2d6 = (1+6) + (2+1) = 10
イエローハンド

性別:1d2 = (1) = 1
◆イエローハンド(種別:ニンジャ)
カラテ     7  体力   7
ニューロン   5  精神力  5
ワザマエ    9  脚力   5
ジツ      4  万札   48
近接ダイス:8 遠隔ダイス:10 回避ダイス:9
装 備:カタナ
ジ ツ:★カトン・エンハンス
サイバネギア:▲バイオサイバネヘッド(軽微)
カルマ:善


賞金首その2
2d6 = (3+4) = 7
ワザマエ+2/カタナ/滅多斬り

1d6 = (6) = 6
ワザマエ+2/タツジン:イアイドー/カタナ/カトン・エンハンス

名前:2d6+2d6 = (5+2) + (6+1) = 14
ポイズンカッター

性別:1d2 = (2) = 2
女
◆ポイズンカッター(種別:ニンジャ)
カラテ     5  体力   5
ニューロン   5  精神力  5
ワザマエ    9  脚力   5
ジツ      4  万札   21
近接ダイス:9 遠隔ダイス:9 回避ダイス:9
スキル:滅多斬り
装 備:カタナ×2
ジ ツ:★ドク・エンハンス(カトン・エンハンス読み替え)


シャープキラー:賞金首その2をターゲットに


◇◆◇◆◇


 シャープキラーは暗い路地裏を歩く。バイオドッグめいて従順になったジゴクキラーは先にトコロザワ・ピラーへ向かわせた。この時間でもスカウト部門……例えばあのアベレージなどは仕事をしていることだろう。彼らはいつ眠っているのだろう? ふとそんなことを思う。

「キヒヒヒヒィ……」

 横手から漏れ聞こえた密やかな笑い声に、シャープキラーは何気なく振り向く。闇の中から這いずるように現れたのは、顔面をバイオ包帯で覆った小柄なニンジャだ。

 念のため携帯IRC端末を一瞥してから、シャープキラーはアイサツする。

「ドーモ。ポイズンカッター=サン。シャープキラーです」

「ドーモ。シャープキラー=サン。ポイズンカッターです。い、イケナイなァ。女子高生がこんなところに……一人!」

「一応私、ニンジャなんだけどね」

「か、変わらないさ。アタシだってニンジャだもの……キヒヒッ!」

 引きつるような笑いとともに、ポイズンカッターは両腕を勢いよく振るう。襤褸布めいたコートの袖から滑り出したのはタント・ダガー。二刀流。構えたその姿は決して油断できるものではない……!

「お、お、おとなしくしてくれれば優しくするよォ……してくれなくてもいいんだ。そうしたら、好きに、好きにするから!」

「……ディスグレイス以外にもいるんだな、こういうニンジャ」

 誰にも聞き取れぬほどの小声で呟き、シャープキラーもノダチを構える。アトモスフィアが張り詰めた。

1ターン目前半
シャープキラー:一掃
11d6>=5[=6] = (5,3,5,3,6,5,6,6,4,1,3 :成功数:6 , サツバツ![=6]:3) = 9
ポイズンカッター回避(9→5)
2d6>=4+2d6>=4 = (5,2 :成功数:1) + (2,5 :成功数:1) = 2

ポイズンカッター:ドク・エンハンス
精神力5→4
9d6>=4 = (4,4,6,1,5,3,6,2,6 :成功数:6) = 6
ポイズンカッター:精密
3d6>=4[=6]+3d6>=4[=6]+3d6>=4[=6] = (1,5,5 :成功数:2 , サツバツ![=6]:0) + 
(5,3,1 :成功数:1 , サツバツ![=6]:0) + (5,5,1 :成功数:2 , サツバツ![=6]:0) = 5
シャープキラー回避(16→10)
2d6>=4+2d6>=4+2d6>=4 = (5,3 :成功数:1) + (3,1 :成功数:0) + (6,5 :成功数:2) = 3
シャープキラー:体力8→6

「「イヤーッ!」」

 踏み込んだのは両者ほぼ同時! ほのかに輝くノダチの刃をポイズンカッターは危うくかい潜る。そして体勢を戻すシャープキラーの懐へ!

「イヤッ! イヤッ! イヤーッ!」「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」

 常人では捉えられぬ速度のカラテ応酬の後、シャープキラーはバックステップで距離を取る。そして脇腹を抑えて舌打ちした。捌き切れなかった。

「キヒヒッ……入った、ねェ? 入っちゃったねェ」

 ポイズンカッターが嘲るように笑う。逆手に構えた二刀のタント・ダガーからはいつの間にか透明な液体が滴り落ちていた。毒か。傷口から広がる不穏な熱から、シャープキラーは状況判断する。

「す、すぐに、動けなくなる……そうしたら、あ、遊んであげるからねェ……!」

「……今のは油断だな。反省しろ、シャープキラー」

 シャープキラーの目が細まる。彼女は呼吸を整えた。

1ターン目後半
シャープキラー:一掃
11d6>=5[=6] = (1,3,4,2,3,3,1,5,2,5,3 :成功数:2 , サツバツ![=6]:0) = 2
ポイズンカッター回避(5→0)
5d6>=4 = (4,5,2,3,5 :成功数:3) = 3

ポイズンカッター:精密
3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4 = (4,2,4 :成功数:2) + (3,6,2 :成功数:1) + (2,3,1 :成功数:0) = 3
シャープキラー:回避(10→0)
5d6>=4+5d6>=4 = (6,4,4,2,4 :成功数:4) + (2,3,2,1,3 :成功数:0) = 4
シャープキラー:体力6→4
カウンター!
ポイズンカッター:体力5→4

「「イヤーッ!」」

 再びの交錯! しかしシャープキラーは舌打ちした。毒のためか、わずかに動きが鈍い。リー先生の施術によって得た速度に慣れつつあった彼女にとって、忌々しいほどの遅れ。

 毒の刃がまた身体を斬り裂く。ポイズンカッターの狂気めいた笑み。シャープキラーのニューロンは急加速した。もはやなにも聞こえぬ。

 体感時間が鈍化する。シャープキラーはノダチを振るい、苛立つ。遅い。遅い。……遅すぎる。姿勢制御の無理がたたったか、ポイズンカッターの刃を受ける。シャープキラーは苛立つ。相手にではない。自分にだ。

 ディスグレイスと同じ格のソウル。それを持っているのになんだ、この体たらくは? 怒りが体中を駆け巡る。パチリ、と。傷口で光が弾けた。

「……イィィィヤァァァァーッ!」「なっ、アバーッ!?

 周囲の時間が急加速する。否、錯覚だ。ようやく速度を取り戻せただけだ。ヒキャクのブースターからカラテ粒子が溢れ、加速を助ける。ほとんど光輪めいたノダチの一閃は、ポイズンカッターの反応速度を遥かに上回っていた。


2ターン目
シャープキラー:一掃
11d6>=5[=6] = (4,2,3,3,4,3,4,3,3,4,3 :成功数:0 , サツバツ![=6]:0) = 0

ポイズンカッター:精密
3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4 = (3,5,5 :成功数:2) + (4,1,6 :成功数:2) + (4,5,6 :成功数:3) = 7
シャープキラー:回避(16→7)
3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4 = (5,2,2 :成功数:1) + (1,5,1 :成功数:1) + (5,5,1 :成功数:2) = 4

シャープキラー:一掃
11d6>=5[=6] = (5,2,4,3,4,4,1,1,4,1,2 :成功数:1 , サツバツ![=6]:0) = 1
ポイズンカッター:回避(9→0)
9d6>=4 = (1,5,4,4,4,3,3,6,6 :成功数:6) = 6

ポイズンカッター:精密
3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4 = (1,6,2 :成功数:1) + (6,3,5 :成功数:2) + (4,2,4 :成功数:2) = 5
シャープキラー回避(一発精神使用。精神力12→11、回避ダイス7→0)
3d6>=4+3d6>=4 = (3,4,2 :成功数:1) + (1,1,3 :成功数:0) = 1
シャープキラー:体力4→2
3ターン目
シャープキラー:一掃
11d6>=5[=6] = (6,6,3,3,4,4,1,3,6,4,1 :成功数:3 , サツバツ![=6]:3) = 6
ポイズンカッター回避(9→5)
2d6>=4+2d6>=4 = (3,3 :成功数:0) + (2,1 :成功数:0) = 0
体力4→0 終了!

「……ウ……」

 強かに壁へ叩きつけられたポイズンカッターは目を覚ます。パチパチと火花めいてなにかが弾けている。その音源を無意識に辿り、顔を上げた彼女はギョッとした。

 やや離れた位置、セーラー服の少女が立っている。その身体の上、星屑めいた光が踊っていた。自身が与えた傷口からその光が漏れていることを悟ったポイズンカッターはすぐに青くなる。悟ってしまったのだ。いかなるジツによってか、あの恐るべきニンジャが毒を無力化していることを。

 SLASH! 「ヒッ!」思わず悲鳴が漏れる。シャープキラーが不意に地面へノダチを突き立てたのだ。刃の切っ先は易々と地面を貫き、直立。そこにもまた星屑めいたカラテの光が踊っている。

 ふと、彼女がこちらを向いた。遭遇当初とは打って変わった無表情。その瞳の中、目まぐるしく光が瞬く。美しく、恐ろしかった。ポイズンカッターは失禁した。

 故に。

「ど……ドーモ、スミマセンデシタ!」

 ポイズンカッターは恥も外聞もなくドゲザ! 刃物めいた視線に顔を引きつらせつつ、彼女は媚びた笑みをシャープキラーへ向ける。

「いや、キヒッ、でも、今ので命取らなかったってことは、助けてくれるんでしょ? ネ? オネガイシマス。その、なんでもします。だから、い、命だけは……!」

「……ハァーッ……」

 溜息にポイズンカッターは身を震わせる。彼女は反射的にハイクを考えた。しかし。

「…………ああ、ゴメン。聞いてなかった。で、言ったっけ? 私、ソウカイヤのスカウトでさ……」

「ア……き、キヒヒヒッ! も、もちろん服従いたしますよォーッ! 天下のソウカイヤですもん! 靴だって舐めますよ!」

スカウト判定
 シャープキラー:12d6>=5 = (4,6,2,5,3,1,4,2,4,3,2,4 :成功数:2) = 2
ポイズンカッター:5d6>=5 = (3,1,1,1,2 :成功数:0) = 0
スカウト成功!

「気持ちの悪いことしてんなよな。ならいいよ。いくよ」

 ぶっきらぼうにストリートの方へ歩き出すシャープキラーの背を、ポイズンカッターはコソコソと追う。無防備ともいえる彼女にアンブッシュを仕掛けるつもりなどさらさらなかった。あの神話めいた姿を見て、彼女の心は完全に折れていた。

 ……一方のシャープキラーは苛立っていた。ポイズンカッターに? 否、己自身にだ。ディスグレイスに顔向けもできぬほどのブザマの連続。やはりまだカラテが足りぬ。調子に乗っていた。反省せねば。

 ネオサイタマの夜には今日もニンジャが跋扈する。そのうち二人が、新たにソウカイヤの門下に降ったことなど、月しか知る者はないだろう。

◇スカウト業務終了、リザルト◇
万札45、余暇4日獲得


◇後書き◇

 シャープキラー、二人の女ニンジャを舎弟に無事生還。ジゴクキラーのほうはあっさりいったのに、それより能力的には弱めなポイズンカッターに苦戦したのもまたダイスの悪戯か。すっごいヒヤヒヤした。

 余暇については、またニンジャダイアリーとかで書いていくことになるかと思う。強くなった彼女はまた、ネオサイタマの闇にニンジャを狩りに行くのかもしれない。

 ではここまで読んでくださった皆様方! そしてタノシイソロシナリオを書いてくださった古矢沢=サン! ありがとうございました! 気が向いたらまたやるよ!

 

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