忍殺TRPGソロリプレイ【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】#5
◇前置き◇
ドーモ。しかなです。当記事はしかながニンジャスレイヤーTRPGのシナリオを遊んだ結果を元に作成したテキストカラテ(訳注:二次創作小説)となります。いわゆるリプレイだ。気楽に読めるよ。
そして続き物でもある! 前回のお話はこれです。
ローシ・ニンジャを倒し、ドラゴン・ユカノを捕らえ、さらにバンザイ・ニューク設置まで完了させたオロチ一行。しかしそこへ赤黒の死神がエントリーし……!
早速行ってみよう。よろしくおねがいします。
◇8ターン目◇
バンザイ・ニューク起爆まで残り9ターン
ニンジャスレイヤー登場によりアトモスフィア:ハードモードな
「……ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。ディスグレイスです」「ヘルカイトです」「き、キールバックです」「シャープキラーです」
突然の乱入者に、ソウカイヤのニンジャたちはアイサツを返す。ニンジャスレイヤーはぐるりとジゴクめいた眼差しで彼らを睥睨し……大の字に倒れたドラゴン・ゲンドーソーとシャープキラーに抱えられたユカノを認め、わずかに表情を揺らがせた。
「……ゲンドーソー=サン」
ディスグレイスは訝しむ。ドラゴン・ドージョーとこの死神めいたニンジャの間になんらかの繋がりがあったというのか? 眼前の相手のカラテを測りつつ、彼女は間合いを調整する。
◆ニンジャスレイヤー (種別:ニンジャ)
カラテ 13 体力 13
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 10 脚力 7
ジツ 0 万札 10
装備や特記事項
装備:家族の写真
スキル:『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
『ヘルタツマキ』、『ツヨイ・スリケン』、『ナラク・ウィズイン』
『ヘルタツマキ』:
ヘルタツマキ:『遠隔武器』、『マルチターゲット』、『連射6』、『ダメージ1』
『ツヨイ・スリケン』:
ツヨイ・スリケン:『移動したターン使用不可』、『遠隔武器』、『ダメージD6』、『回避難易度:U-HARD』
『ナラク・ウィズイン』:
体力が0以下になっても直ちには爆発四散せず、行動不能状態となる。
行動不能状態からD6ターン経過後、ナラク・ニンジャとしてその場に復活する。
行動不能状態のニンジャスレイヤーから【万札】を回収することは可能である。
立ち昇るカラテは、タケウチに侵される前のゲンドーソーに負けず劣らず凄まじい。本気でかからねばこちらも危うい……
「放てーッ!」
その思考を切り裂いたのはヘルカイトの号令! 彼が指示を出したのはディスグレイスらではない。上空でホバリングする武装ヘリだ。そのガトリングガンがドージョーへと向けられ……BLATATATATA!
無差別射撃開始
ディスグレイス回避
[1,4]
キールバック回避
[3,5]
シャープキラー回避
[1,6]
ヘルカイト回避
[2,4]
ニンジャスレイヤー回避
[6]
ニュービー10【体力】1→0 死亡
ニュービー5、8【体力】2→1
「なにを……イヤーッ!」「「「イヤーッ!」」」
ALAS! なんたる無差別射撃か! 重金属酸性雨めいて降り注ぐ弾丸をディスグレイスらは己のカラテで弾き飛ばす!
「ヌゥッ」
カラテを仕掛けようと踏み込んでいたニンジャスレイヤーもまたこの射撃に対し防御! その眼前で「「グワーッ!?」「アバババーッ!?」
掃射をまともに受けたニュービーらが血を撒き散らす! うち一名は死の舞踏をぎこちなく舞い、床に倒れた。ナムアミダブツ。
「やれッ! ディスグレイス=サン! 私はドラゴン・ドージョーの生き残りどもを処分してから加勢します!」
「……ハイヨロコンデー! イヤーッ!」
ディスグレイスは動いた。死神との邂逅がブッダの思し召しか否か。それは自分が全力で抗ってこそわかるというもの! ムチめいてクズリュ・バイトがニンジャスレイヤーに殺到する!
「グワーッ!?」
ニンジャスレイヤーはこれを弾かんとした。しかしクズリュ・バイトはカラテ打点を中心にさらに伸長、強かに死神の側頭部を打ち据えたのだ! わずかにふらつく!
「……当たった? イヤーッ!」
ディスグレイスは目を丸くし、慌ててブンシンを展開! 斯様なカラテ強者相手では一瞬の油断が死を招く。生じた幻影の後ろに隠れるように移動したキールバックが「イヤーッ!」追撃のモウドク・ダート!
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはこれを弾き飛ばし「グワーッ!?」苦悶! ナムサン。牽制のクナイ・ダートに気を取られ、同時に放たれていた水滴弾に対処できなかったのだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」そこへダメ押しのクナイ・ダート!
「……殺せる。殺せます、お姉さま! 今の私たちなら、あの死神を!」
「ン……油断はしないように、キールバック=サン。敵はまだ健在です」
興奮気味に捲し立てるキールバックに、ディスグレイスは淡々と返事をする。自分でも驚くほどに虚無的な声音。妹分の不安げな眼差しに、ディスグレイスは微笑を向けた。
「イィィィ……」
そして突き刺すような殺気に弾かれるように振り向く。ニンジャスレイヤーが身体を捻る。クナイで受けた傷から赤黒の炎が噴き出した。そして!
「ヤァァァァーッ!」
跳躍! そして竜巻めいた回転! そこから放たれたのは先ほどの無差別射撃にも負けず劣らずのスリケンの雨! ヘルタツマキ! ディスグレイスのブンシンが次々に掻き消され「イヤーッ!」
ユカノを抱えたままのシャープキラーが、飛来したスリケンを蹴りで弾く!「こいつ……!」彼女は憎々しげにニンジャスレイヤーを睨んだ。ユカノを抱えたこの状況。ジリー・プアーだ。
ディスグレイスは早々に状況判断!
「先に撤退しなさい、シャープキラー=サン! その娘は必ずラオモト=サンの元へ!」
「……でも!」
「イヤーッ!」「「アバーッ!?」」
無造作に生き残りニュービーをタケヤリで突き殺したヘルカイトが、躊躇するシャープキラーを睨む!
「ディスグレイス=サンの指示を最優先なさい。貴女一人が抜けたところで、こちらの優位に変わりはない!」
「……ッ! 了解。カラダニキオツケテネ!」
物言いたげにヘルカイトを睨み返したシャープキラーは……結局反論の言葉を押さえ込んだ。駆け出した彼女は、そのままドージョー非常出口へと身を躍らせ、消えた。
ディスグレイス:カナシバリ→ニンジャスレイヤー
[1,2,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,6,6,6,6,6]
ニンジャスレイヤー回避
[2,5]
ディスグレイス:集中ムチ→ニンジャスレイヤー
[6,6,6][3,6,6][1,3,6]
ニンジャスレイヤー回避
[3,5][2,3][4]
サツバツ! 2「脳震盪」
ニンジャスレイヤー【体力】13→11、【ニューロン】7→6、【ワザマエ】10→9
残虐ボーナス:1d3 → 2 【万札】1→3
ディスグレイス:ブンシン・ジツ
【精神力】6→5
[1,1,1,1,3,3,3,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6]
キールバック:移動後集中フェイント→ニンジャスレイヤー
[2,3,4,5,5,6,6][1,2,3,3,4,5,6]
ニンジャスレイヤー回避
[1,3][3]
モウドク2d3 → [1,2]
急所破壊合わせ4ダメージ
ニンジャスレイヤー【体力】11→7、【精神力】7→5、【ニューロン】6→5
ニンジャスレイヤー:集中ヘルタツマキ
[2,6][2,2][1,5][5,5][3]
ディスグレイスのブンシン二体消滅
シャープキラー回避
[1,2,4,5,5,6]
ヘルカイト:カラテ→ニュービーたち
[2,3,4,4][1,2,3,5,5]
ニュービー5,8 死亡
シャープキラー:ダッシュ移動、脱出
◇9ターン目◇
バンザイ・ニューク起爆まで残り8ターン
ディスグレイスはニンジャスレイヤーを見据える。その身体が陽炎めいてブレた。ニンジャスレイヤーもまた油断なきジュー・ジツの構え。武装ヘリ爆撃とニンジャスレイヤーのスリケンに篭った不浄な熱により、ドージョーのあちこちに火の手が上がり始める。
「貴方は」
ディスグレイスの呟きに、ニンジャスレイヤーは目を細める。ヘビめいた金の瞳が、死神の眼差しとぶつかり合う。
「貴方は、なんのためにここへ来たのですか? 老龍は既に堕ち、その孫娘は我々の元にある。ドラゴン・ドージョーはもはや壊滅。祭りは終わりました。もはやなにをしようと、」
「オヌシは考え違いをしている。ディスグレイス=サン」
静かな言葉がディスグレイスの口を閉ざした。ニンジャスレイヤーは決断的に彼女を睨む。恐るべき殺意とともに。
「私はニンジャを殺す者だ。オヌシらを殺すためにここへ来た」
「……それで?」
「ソウカイヤのニンジャをすべて殺す。ニンジャを全て殺す。……ニンジャ、殺すべし」
「ハ」
サンシタではあれば失禁をも免れぬ怒気と殺気。だがディスグレイスが漏らしたのは乾いた笑みであった。
「成る程。……理解しました。貴方はブッダの徒などではなかった。単なる独りよがりの狂人に過ぎない! イヤーッ!」
「ヌ、グワーッ!?」
クズリュ・バイトが荒れ狂う! 残像すら伴い殺到するそれを、ニンジャスレイヤーは捌き切れぬ! ディスグレイスは苛立たしげにキールバックへと振り返った。
「やりますよ、キールバック=サン。この場でこの者を打ち倒し! 死神などというたわけた幻想を剥ぎ取ります!」
「は、ハイ! イヤーッ!」「イヤーッ!」
キールバックのクナイ・ダートと生体弾をニンジャスレイヤーはかろうじてブリッジ回避! ザンシンしたキールバックは、突如として激昂した姉を恐々と見上げた。
実際、この場で起きたディスグレイスの心境変化は複雑だ。彼女はブッダを信じている。悪行と堕落を重ねれば、インガオホーという形でその眼差しが向けられるものと信じている。……ネオサイタマの死神も、そうしたブッダの導きの一つだと。彼女は信じていた。
しかしもはやそうではない。ニンジャスレイヤーは畢竟、狂ったニンジャに過ぎなかった。その失望が彼女に怒りをもたらしたのだ。自分勝手極まりない怒りを。
「勝機! イヤーッ!」「グワーッ!」
ヘルカイトが飛びかかる。ニンジャスレイヤーの装束を血が染める。「「イヤーッ!」」タケヤリとカラテが交差。反動でニンジャスレイヤーは飛び「イヤーッ!」ディスグレイスへと蹴りを繰り出す。
ボッ。鈍い音を立て、ディスグレイスの身体が弾けた。否、ブンシンだ。もはやニンジャスレイヤーの周囲を何人ものミコーが取り囲む。冷たく金の瞳を輝かせるミコーが。
ディスグレイス:翻弄→ニンジャスレイヤー
【精神力】5→4
近接攻撃ダイス+5
ディスグレイス:ブンシン効果 攻撃ダイス+2
ディスグレイス:集中ムチ→ニンジャスレイヤー
[4,5,5,5,6][2,4,5,5,6][2,3,4,5,5,6]
ニンジャスレイヤー回避
[2,4][1,2][1,1] 【体力】7→4
ディスグレイス:ブンシン・ジツ
【精神力】4→3
[1,1,1,1,2,2,2,3,4,4,4,5,5,5,6,6,6]
キールバック:集中フェイント投擲
[1,2,2,4,6,6,6][1,1,3,3,3,3,4]
ニンジャスレイヤー回避
[4,6][4]
ヘルカイト:カイトダイブ
ニンジャスレイヤー回避
[2] ニンジャスレイヤー【体力】4→3
ヘルカイト:カラテ→ニンジャスレイヤー
[1,2,2,3][1,1,3,5,6]
ニンジャスレイヤー回避
[3,3] 【体力】3→2
ニンジャスレイヤー:連続側転
[1,2,3,3,3,4,5,6] 成功
ニンジャスレイヤー:移動後カラテ→ディスグレイス
[1,1,3,6][3,3,4,5][1,1,1,3,5]
ブンシン三体消失
◇10ターン目◇
バンザイ・ニューク起爆まで残り7ターン
「イヤーッ!」「グワーッ!」
金の妖光が、クズリュ・バイトが。容赦なくニンジャスレイヤーを攻め立てる。……ゲンドーソーの死という事実が、その精神にいくらかの動揺を与えていたのか。それがカラテを揺るがせてしまったのか。もはやわかるものなどいない。
「ああ、そうだ。一ついいことを教えてあげましょうか、ニンジャスレイヤー=サン」
「何?」
「ザイバツ・シャドーギルドをご存知ですか? 西はキョートに本拠を構えるニンジャ組織。ソウカイヤの大いなる敵の一つです」
消えぬ殺意の炎とともにこちらを凝視するニンジャスレイヤーへ、ディスグレイスは微笑を浮かべてみせた。悪意のこもった微笑を。
「マルノウチ・スゴイタカイビル。あそこの抗争もザイバツの襲撃が起点となったもの。では、彼らはなんのために襲撃を行ったか?」
「何を……」
「お前だ。ニンジャスレイヤー=サン。彼奴らはお前を生み出し、持ってソウカイヤを滅ぼさせるためにマルノウチの惨劇を引き起こしたのです!」
ニンジャスレイヤーの目が見開かれる。ディスグレイスは微笑した。この狂人があの事件に関わっていたかどうかなどどうでもよい。だが、この情報は教えておく価値があった。
元々はシャープキラーが電算室より仕入れてきた情報。正直胡散臭いにも程があったものの、この狂人の心を揺さぶるには充分に過ぎる。
「お前は所詮、ブッダの掌で飛び跳ねるマジックモンキーに過ぎない。ニンジャに踊らされニンジャを狩る哀れなテッポダマに過ぎない!」
「……バカな……!」
「イヤーッ!」「……イヤーッ!」
キールバックの執拗なクナイ・ダート投擲をニンジャスレイヤーは回避。その頭上に影が差した。
「トッタリ! イィィィヤァァァァーッ!」
「グワーッ!?」
空高く舞い上がったヘルカイトの爆撃めいたカラテが、ニンジャスレイヤーに突き刺さる! 吹き飛ばされたニンジャスレイヤーは起き上がろうとし……力なくその場に倒れた。
「ヤ、ラ、レ、タ……」
その言葉を最後に、死神は動きを止めた。荒い呼吸と爆ぜる火の音だけが、ジゴクめいた空気を揺らす。
「や……」
ザンシンするソウカイニンジャたち。その中で一番に動いたのはキールバックだ。飛び跳ね、ヤッタポーズをとる!
「ヤッター! ザマミロ、ニンジャスレイヤー=サン! なにが死神だ、散々ビビらせてくれやがって! お前なんかお姉さまにかかれば、」
「キールバック=サン?」
ヒートアップするキールバックに水を差したのはディスグレイスの一言。びくりと動きを止めた妹分に、ディスグレイスは溜息をつく。
「最後まで奥ゆかしくありなさいね。……スミマセン、ヘルカイト=サン。お見苦しいところを」
「いえ。その気持ちはわかります。不問としましょう。……ところで、ディスグレイス=サン。大丈夫ですか」
「なにが、です?」
「……いえ。ニューロンを酷使しているように見えたもので。落ち着いているならばそれでいい」
ヘルカイトは冷徹に倒れ伏したニンジャスレイヤーを見やる。然り、まだ爆発四散していないのだ。
ディスグレイスも同様にボロクズめいた狂人を見下ろす。その奥底に胎動する悍しい気配を感じとり、背筋に冷たいものが走った。
「……これ以上の戦闘続行にはあまりにもメリットがない。撤退しますよ」「「ハイヨロコンデー」」
ヘルカイトの提案に、ディスグレイスらは静かに頷いた。
ディスグレイス:カナシバリ→ニンジャスレイヤー
[1,2,2,3,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6,6]
ニンジャスレイヤー回避
[3,3] 【精神力】5→4
抵抗!
[4.4,4,5,6] 成功
ディスグレイス:ブンシン効果
攻撃ダイス+1
[3,4,4,4,5][1,2,3,4,6][1,2,3,3,3]
ニンジャスレイヤー回避
[3,4][5,6] ニンジャスレイヤー【体力】2→1
ディスグレイス:ブンシン
【精神力】3→2
[1,1,2,3,3,3,3,4,5,5,5,5,6,6,6,6,6]
キールバック:集中フェイント→ニンジャスレイヤー
[2,3,3,4,5,6,6][2,2,2,3,4,5]
ニンジャスレイヤー回避
[4,4][2,5]
ヘルカイト:カイトダイブ
ニンジャスレイヤー回避
[3,5] ニンジャスレイヤー戦闘不能!
ナラク・ウィズイン
1d6 → 3
◇11ターン目◇
バンザイ・ニューク起爆まで残り6ターン
ニンジャスレイヤー復活まで残り2ターン
バタム!「イヤーッ!」カイトを開き、夜空へと飛び上がるヘルカイトを見送ってから。ディスグレイスとキールバックは動き出した。撤退? 否。最後の火事場泥棒である。
「……ドラゴン・ドージョーの秘伝。やはりここにもありましたか。キールバック=サン! そちらは?」
「弓です! なかなかの業物ですよ!」
楽しげに収穫物を掲げて見せる妹分に、ディスグレイスは微笑した。そして改めてドージョー内を……自分たちの引き起こした惨劇を見やる。ブラッドバスに倒れるニュービーたち。もはやミイラめいて干からびたローシ・ニンジャ。そして……ニンジャスレイヤー。
もはやこの地に得られるものなどなにもない。あとは綺麗に消毒するのみ。
ディスグレイス:連続側転
[2,3,4,5,6] 成功
ディスグレイス:移動後トレジャー回収
1d6 → 4 *グレーター・マキモノ・オブ・シークレット・ニンジャアーツ*獲得
キールバック:ダッシュ移動後、トレジャー回収
1d6 → 5 *業物の弓*獲得
ヘルカイト:カイト離脱
◇12ターン目◇
バンザイ・ニューク起爆まで残り5ターン
ニンジャスレイヤー復活まで残り1ターン
「イヤーッ!」
非常出口に駆け込んでいくキールバックを確認してから、ディスグレイスは悠々と脱出を図る。ニンジャスレイヤーにはまだ不穏なアトモスフィアが纏わりついている。殿を務めるのは自分がよかろう。
ニンジャスレイヤーの横で彼女は立ち止まる。死体めいて倒れる一介のニンジャに、ディスグレイスは呟いた。
「ソウカイヤ。ザイバツ・シャドーギルド。そして……アマクダリ・セクト」
返事はない。ディスグレイスは微笑する。それは諦念の笑みにも似ていた。
「そのニンジャを全て殺す? ……できるわけがない。わたくしは貴方をアワレに思います」
返事はない。ディスグレイスはもはやニンジャスレイヤーを顧みない。
「オタッシャデ。イヤーッ!」
そして連続側転で非常口に飛び込む! 入り口付近で待機していたキールバックが「イヤーッ!」無造作に出入口を破壊、封鎖! 彼女たちは言葉もなく駆けていく。
……ぽつ、ぽつと。雨がドージョーを濡らしていく。バンザイ・ニューク起爆装置だけが、無情に時を刻んでいた。
【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】#5終わり。エピローグへ続く
→続きはここから
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