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鳴くまで待とうホトトギス〜自己効力感の極意かも?〜

こんにちは。しかないかよこです。
先日、ニューヨークライフバランス研究所認定講師として講座を行いました。ベーシック講座第3回「自己肯定感より大切な自己効力感を育む方法」です。2週おきに集い、子どもが幸せになる「支援型子育てスタイル」について学んでいます。

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講座の初めに、各自、前回から2週間で実践した事のシェアをしました。
主に第2回の愛の言語をどう使うかを意識して過ごしますが、第1回の共感の要素もみなさん、ふんだんに取り入れられています。

Yさんは、サービスが第一言語のお子さんへのおやつに工夫をされました。ちょつとかわった味のおやつとか、好きなフルーツを加えてみたりと、好みを色々と考えて、変化をつけられたそうです。その結果、会話に広がりが生まれ、何より、お子さんが満たされていて、嬉しそうとのこと。お話されるYさんも嬉しそうでした。

Hさんは、お母様のニーズを考えて取り組まれました。お母様がおしゃれが好きなことからお出かけする時につめを磨いたり、蒸しタオルでお顔を拭いてあげたりしたそうです。すると、ケアマネージャーの方も驚くほど、お母様がデイサービスに前向きになられたそうです。第2回の時は、「お母様がデイサービスに行きたがらない」というお話を聞いていたので、とても嬉しい変化でした。

Aさんのお子さんは中学生思春期女子です。成長ホルモンの爆発的な活動を迎えるこの年齢は、なかなか手強いです。それでも、Aさんはじっくり観察してお嬢さんができたことに注目し、お嬢さんの愛の言語が言葉なので、言葉をかけるようにトライされました。

思い返せば、なかなか手ごたえがあったのかどうかわかりにくいのがこの年代です。私の長男も中学生の頃、単に頑張りを認める気持ちで声をかけても「うざい」と返事されることもありました。
私の自己効力感がこの「うざい」の一撃で大きく砕かれたことは幾たびか・・・。

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第3回はこの自己効力感がテーマでした。子どもに育むことはもちろん、「うざい」の一撃でも砕かれない自分自身の自己効力感「やってみよう!」を構築したいものです。

自己効力感のメカニズムやワーク、そして講座中のシェアを通して、自己効力感の育み方を学んでいきました。

ワークでは、私の息子の小学5年生の時の漢字テストを使いました。
息子は漢字が苦手なので、基本、テストは見せたがりません。しかし、この時は私が「100点じゃなくて、もっと点数の低いテストが欲しい。」と必死になって探していたので、嬉々として出してきました。

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帰国子女の息子の漢字テストの回答は、珍回答、迷回答の続出でした。
発想のおもしろさでは「はなまる」でしたが、漢字の習得度的には・・・。
「5年生でこの間違いはないやろう」といわれかねないです。音読みと訓読み、送り仮名が混乱に拍車をかけていました。

帰国直後は、文末をピリオドにしてしまい、✖になったり、「字として認識されればOK」のお国柄から「とめ、はね、はらい」に注目するお国柄にかわり、「なんで✖かわからない~」とうなだれていました。

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そんな時、私は、普段、彼が漢字テストの前にこつこつと準備していたこと、英語と日本語の両方を頑張って勉強してきたことを伝えてきました。
試験の時、考えに考えて、知恵を絞りだして取り組んだ息子を想像して、話しかけました。

私が大切にしたのは、ただひとつ。目の前の漢字テストの点数より、「漢字ができない人間」と自分にレッテルを貼ってほしくなかったのです。

帰国して2年。漢字に対する苦手意識が全くないわけではありませんが、漢字の勉強は「やってみよう」と取り組んでいます。

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講座の最後に感想をシェアした時に、Yさんからの問いかけがありました。

子どもが努力をして頑張っても結果に結びつかず、落ち込んでいる時や、やる気が出ていないとき、どのように声をかけようか?と思いました。

自己効力感を育む声掛けで何が使えるか?他のどんなスキルが使えるか?と受講生のみなさんとご一緒に考えました。
色々と知恵を出し合い、今日学んだ声掛け(プロセスフォーカスの7つのポイント)と第1回で学んだ共感が大切ではないか?というお話になりました。

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その共感に関して、介護職でお働きのAさんからとても貴重なエピソードを伺いました。

介護の現場では、何か仕事をしている時でも利用者さんから声がかかることがあります。そんな時のNGワードは、「ちょっと待ってください」。
こうお返事すると、待てない方もいらっしゃいます。でも、その時、手を止めて「どうしましたか?」とお声をかけて少し状況を伺ってから、「では、○○をしてから伺いますね」とお伝えすると、今度は、利用者さんは待ってくださいます。

このお話を伺って、すごいなぁと私はただひたすらに感心してしまいました。Aさんがお声をかけたあと、利用者さんが「待つ」という行動は同じだけど、利用者さんの心の状態は真逆な時もあるわけです。共感の声掛け一つでこんなに違うということを、私の心に深く刻み込まれました。講座での意見のシェアの時間は、色々な気づきを得ることができる珠玉の時間です。

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昔、学習関係のCMで「やる気スイッチ」というフレーズが流行りました。
私の感覚としては、「やる気スイッチ」は誰かに押してもらうのではなく、自分で押すもののように思います。
感想の時にでたYさんのご質問「落ち込んだときの声かけ」も然りで、落ち込んだところから這い上がってくるのは本人。周りは、Aさんのような共感や自己効力感を育む支援をして、信じて待つだけ。まさに「鳴くまで待とうほととぎす」です。これ自己効力感を育む極意じゃないかなぁと思います。

自己効力感の育み方に関しては、NYLB研究所代表 松村の著書『子どもの自己効力感を育む本』で30の事例をあげて紹介されています。

ベーシック講座は4回継続講座なので、あと残り1回です。
次回のテーマは強み。とても楽しみです。




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