私よりも先にやってる人って、ずるくない?
「自由」という言葉はとってもポジティブでお上品だと思う。しかしながら、いざ自由を体現しようと思った時にはお上品ではいられない。もし簡単に手に入るものなら自由なんて言葉は存在しないだろう。
石を仕事にしようとした時の話
私は幼少の頃から石が大好きで、文系ながら地学だけは好きだった。もちろんいわゆるパワーストーンも昔から好きで、小学校のころ親に買ってもらったローズクオーツやラブラドライトは今でも宝物の一つ。大人になっても石は好き。海辺で拾ったりたまにお店で買ったり。私にとって石は宇宙のメタファーで、心の一番大事なスペースの一部を占めている。
「もし、石を仕事にできたらどんなにいいだろうか。」仕事が一区切りして次の仕事を始めようとする時、そんな思いが胸をよぎった。
鉱物業界には、世界中の石屋さんが一同に解するミネラルショーという卸販売イベントが多数開催されている。有料の場合もあるが一般客でも入れるので、そこで安く買い付ければ、どんな人でも石を売ることは案外簡単にできてしまう。そのことは知っていたし、昔ミネラルショーへ遊びに行ったこともある。
でも...
いざ、石を仕事にすると考えると、なんとも言えないモヤモヤでいっぱいになった。心の奥でどろどろと渦巻いている粘着質な感情。ものすごくやりたいのに、ものすごくやりたくない。
なんで私より先にやってるの?世界中の誰よりも石を好きなはずの私を差し置いて...石と一緒に楽しくよろしくやっちゃってんの?
ミネラルショーに出展している石屋さんや、買い付けにやってくる石屋さんやアクセサリー作家さんやヒーラーさんへの嫉妬だった。
ずるいよ。私がずっとやりたかったことなのに、なんで先にやるの?
八つ当たりにも程がある。(笑)
いや、石業界の皆さんへの嫉妬ではなくて「やらなかった私」自身への苛立ちなのかもしれない。本当にやりたいことは、今までやらなかった事実を直視したくなかったから、今までずっとやらなかったんだ。
八つ当たりっていうか、拗ねてるんだよね。
拗ねに拗ねまくっている。
天然石についてその辺の人よりは詳しい自負はあるものの、地学以上に勉強したことはなかった。だって「知らない自分」を意識することは避けたかったから。
そのことに気づいてやっと天然石の書籍を購入したものの、なかなか読み出せなかった。パートナーのプリン氏が先に読みそうになって、やめてよ私が読むんだから絶対先に読まないでと思った。やっぱりちょっと私はおかしいかもしれない。
なんで今までやらなかったんだこんなやりたいことをなんで...私は...
読もうとするとその思いが溢れてしまう。自分の年齢のことを考えたりして、だって子どもの頃の私の夢は化石を掘る人だったんだ、今頃地学博士や貿易会社の人間として世界中を飛び回っていてもおかしくなかったんだ、それなのになんで今更火成岩と深成岩の組成の復習なんてしてるわけ?
結局、その忸怩たる思いの上になんとか踏ん張って、石の本を読み、ミネラルショーへ行き、石屋へ行き、石を買いつけて、身近な人何名かに石を売ることができて、私の石屋さんの夢は一応小さく達成された。結局販売する手間が大変で、本格的に売るまでには時間がかかりそう、というか本格的には販売しないかもしれない。
それでも、私の「やらなかった自分への自己嫌悪」からは自由になれた。
だって、私もやったもん。ほんの少しだけど、石を見て、石を買って、石を売れた。石が好きな気持ちも、もっと詳しくなりたい気持ちも、全部一緒に大事にしたいと思えるようになれた。
......というのは、数ヶ月くらい前のお話。
縄文文化に惹かれている話
この話をしようと思ったのは、昨日あることを考えていて、またこの感情に気づいたから。
私、これも古くからの興味で、どうしても縄文時代(と弥生時代)に惹かれている。理由は本当にわからない。古代の日本で暮らしてみたい、遊んでみたい。木の実を集めて貫頭衣みたいなのを着て肉を焼いて自然の中で暮らしたい。これってみんな思ってることなのかな?
日本の歴史、どの時代も興味深いけど... 勾玉の時代の物語を読んだ時に深い親しみを覚えて、今生きている時代よりも自然なくらいだった。古代をテーマにした曲を聞いて魂がふるえる思いがした。
このくらいにしておくけど、そんなエピソードはまだまだ書き足りない。
でも。
実は今縄文(時代・文化)って結構流行ってるんですよね。スピリチュアル系というか、日本系のスピというか... 知らない人は知らないだろうけど、ブームが来てる。こんな映画があるくらい。ちなみにこの映画も存在は知っていたもの見ていない。しゃらくせえな、と一蹴してしまった(一方でものすごい興味ある。悔しい。)。
みんな!私より先に、縄文についてそんなに詳しくならないで!!私の方が縄文について興味持ってたんだから!!!この私を差し置いて...! ずるい!!
という、わけのわからない、いや、やりたかったことを我慢してしまった自分の気持ちに向き合わないとならない。
すっごく、拗ねてるんだよね。私もやりたかったのに!!!って。
で、いまさら縄文とか古代とか勉強しなおすの?(苦笑)
いまさら?いまさらっていうか、いまでしょ。
いま、靈氣が面白くて、日本のいろいろが面白そうで、やっぱり古代まで遡りたくなって、もっと根源的なこと、もっと深く知りたくて、やっとこさ足を踏み入れようとしてるんでしょ。
Today is the first day of the rest of your life(今日は残りの人生の一番最初の日)という英語のことわざを思い出します。
もっとわがままにという記事を書いたけど、これは誰より私に向けて書いた言葉。わがままでいいし、もっというと、ずるくていい。誰かをずるいと思うよりも、ずるいと言われる私になってやる。私たちにとっては、ずるいくらいがちょうどいい。
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