【 奥深き胸郭 ~動き編~ 】

肋骨の動き
上位肋骨はポンプハンドル
下部肋骨はバケツハンドル

肋骨・胸郭への治療・介入時
意識している動きだと思います

そこからさらに解剖学的な構造や運動を理解することで
実施する治療効果の質が上がるかと思い
紹介させていただきます

胸郭の動きでポイントとなるのは
椎体と横突起の形状です

肋骨と椎体には
肋骨頭関節,,と“肋横突関節,,
という2つ関節の関節があります

画像4

dこれらの関節は椎体と横突起にあり
1本の肋骨に対して2か所の関節があります

ここで2か所の関節がある骨の動きを
確認してもらいたいと思います

鉛筆を右手と左手で2か所指でつまんでもらいます
指先の動きのみでできる鉛筆の動きをしてみてください

グラフィックス1

コロコロ転がすことならできそうではないですか?

これと同じく肋椎関節も2つの関節の中心を軸にした
回転運動をするんです

胸椎と横突起の位置関係では
胸椎が下位になるにつれ
横突起の後方への開きが強まります

運動軸で説明すると水平面状より
上位胸椎は35°後方の向き
下位胸椎は65°後方の向きとなっています

プレゼンテーション1


自分の手を使って実際に動きを確認してみましょう
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step1
自分の手で肋骨の形状(ローマ字のC)を作ってください
step2
親指部分を肋椎関節の角度に合わせ
軸回転運動をしてみてください
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なんとなく動きのイメージはついたでしょうか?


ではなぜ動きを理解することで
治療効果の質が上がるかというと

関節がもつ運動どおりに動かすことができれば
関節に対して負担かかからず良質な刺激となるからです

関節の位置覚・運動覚などの情報を正しく脳に伝えることで
脳が体の部位を正常に把握します(ボディイメージの改善)。

体を把握した脳は
最適な動きができるよう筋緊張・筋出力を調整してくれます

つまり良質な刺激は体を使いやすくしてくれます

一方で関節が持つ動きと逸脱した動きをするとどうなるか?
胸郭を触るのが怖いと思う方もいるかと思います

でも基本的には問題ありません

画像5

「なぜ??」
と疑問に思う方もいると思いますが、理由は存在します。


人間の体は基本的には壊れないように
安全装置がたくさんついている
んです

画像1

肋骨の異常な動きに対して
働いてくれている安全装置は
肋軟骨です

もともと胸郭は20本(10対)の肋骨が
単調な軸回旋
を行い
胸郭全体の運動を行っています。

各関節が個別の運動軸を持っているため
胸郭全体で動く中でひずみが生じ
本来なら動くことはできません

しかしそこで生じる歪に対して
肋軟骨が捻じれ・たわむことにより調整
胸郭としての動きを可能としてくれます。

無題2

つまり肋骨で生じる多少無理な動きも
肋軟骨で調整
してくれ
肋椎関節に負担がかからないようにしてくれます

しかし
過剰な外力が生じてしまうと時に
肋軟骨や肋椎関節での炎症を起こしてしまう可能性があります

そのため治療者は関節の動きを理解し
少しでもリスクの少なく、効果的なものを
提供していきましょう

胸郭の動き
ぜひ意識してみて下さい!

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