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noteだからこそ、多様性のあるコンテストを──#オープン社内報

「noteから芥川賞を出したい」。2年前の社内インタビューで、そんな話をした。なんと大それた発言か、文学界のひとたちから怒られるんじゃないかとドキドキしたけれど、そのまま掲載してもらったのは、記事として残すことで自分の初心を忘れないようにしようと思ったから。

先日受賞作の発表をした「#創作大賞2022」は、芥川賞の夢への小さな第一歩になれたかもしれない、と思ったり。この記事では、オープン社内報として、創作大賞のプロジェクトを振り返ります。

オープン社内報とは?
一般的には社員しか見ることのできない「社内報」をだれでも見られるように公開することで、会社の中の様子を感じとってもらう記事企画です。
本日の担当:ディレクター 志村

『スター誕生!』のようなコンテストを

「芥川賞を出したい」というのは、ものの例えでもある。「雑誌に発表された作品の中から選出」という規定の芥川賞だが、そんな「雑誌」という規定をもう取っ払ってしまおう!と日本文学振興会が思ってしまえるくらい、noteにたくさんのすばらしい作品があふれていて、出版社がnoteにめちゃくちゃ注目していて、たくさんの作家がデビューして、ヒット作が生まれるような状態をつくりたい。

すでにたくさんの本がnoteから生まれてはいるけれど、それをさらに加速させるためのお祭り的なことができないかな、というのが創作大賞を企画したきっかけだ。

最初は文芸にジャンルを絞ったコンテストを考えていた。でも、お祭りにするためには、いろんなジャンルのクリエイターが参加できて、出口のかたちもたくさんあったほうがいいかもしれない。だから、オールジャンルの投稿コンテストにした。

そんな企画書を書いて社内を通したのは2021年の7月。そこから協力していただけるメディアを探すために、各社に提案をはじめ、8月には、KADOKAWA、幻冬舎、ダイヤモンド社、テレビ東京の4社の参画が決まった。

「『スター誕生!』のように、いろんなメディアが集まって、『うちからデビューを!』とクリエイターに手を挙げていくようなコンテストをやりたいんです。ジャンルもテーマもなし。枠を取っ払うことで、あたらしい才能を見つけたいんです!」という、大仰な前のめりな提案に乗ってくださった各社には感謝しかありません。

各社に送った提案書の1ページ目。当初は「クリエイターコンテスト」という名称を考えていた

悩みに悩んだ審査会

10月に開催したnote CREATOR FESTIVALの最終日に発表し、11月15日から作品の募集を始めた。初日から、気合の入った渾身の作品がたくさん投稿されているのを見て、感動したのを覚えている。

3ヶ月かけて1万件くらい集まるといいなと思っていたところ、最終的に16,848件もの作品をご応募いただき、震えた。

「そんな数の作品をちゃんと見てるの?」と思われる方もいると思う。でも、大きな声で断言します。すべての作品を、noteディレクター総出で、大切に読ませていただきました。大事な作品をご応募いただき、本当にありがとうございました。

わたし自身も1万作品くらい読み、そこから審査チーム4名で悩みながら212作品にしぼり、協力4社にお送りした。

3月末に最終審査会を実施し、5社で議論を重ね、受賞作品を決めた。

悩みに悩んだが、今回、大賞を選出することは見送った。優秀作品賞および入賞に選ばれた19作品は、どれもすばらしい作品であったことは間違いない。第1回の創作大賞で大賞が出ないということは、応募してくれたクリエイターはもちろん、期待を寄せて見守ってくれていたひとたちもがっかりさせてしまうのではないか、という葛藤もあった。けれど、提案書の一行目に綴った「規制の枠に囚われない、あたらしい才能を発掘したい」という最初の思いを貫き通そうと、5社の審査員の総意で決定した。

その思いを、もしかしたら応募いただくクリエイターの皆さまに、最初に伝えきれていなかったのかもしれないという反省もある。ごめんなさい。

でも、もう一度言いますが、受賞した19作品はどれもすばらしい作品です。まだご覧になっていない方は、ぜひお読みいただけると嬉しいです。

創作の原点に立ちかえることができた授賞式

初めての試みであり、しかも爆速で企画を進めていったので、あとから「イベントやろう!」「審査員のインタビュー記事つくろう!」といろんな施策を追加していった。

4月28日に行った「授賞式」もそのひとつ。いま見返したら、審査真っ最中の2月25日に社内の企画会議を通していた。審査を通じてたくさんのあたらしいクリエイターを知る中で、「受賞したみなさんとお会いしたい。一緒に受賞を喜ぶ機会をつくりたい」という思いがむくむくとしてきて、授賞式を行うことにした。

授賞式を行うからには、記念となるトロフィーをつくってお渡ししたい!ということで、そこからデザイナーチームに相談。そんな短いスケジュールでの相談にも関わらず、こんな最高にかっこいいトロフィーをつくり上げてくれたデザイナーのiguchiさんには感謝しかない。

そして、そんなトロフィーをお一人おひとりにお渡しした授賞式。「やってよかった!!!!!」終わった瞬間、本当に心から叫んでしまうくらい、いい会だった。

受賞者の皆さんで記念撮影

お一人ずつ受賞にあたってのお気持ちをお話しいただいたのだが、みなさんの創作への想い、創作の原点に触れることができて、noteのミッション、自分の仕事の原点に立ちかえることができた。

ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

これからもたくさんのコンテストをやっていきます

さて、第1回 note創作大賞はひとまず無事に終わったのだが、反省はいろいろある。そして、次にやりたいことも見えてきた。

創作大賞自体は来年以降も継続的に開催したいと思っているが、年に一回の大きなお祭りだけでなく、常にいろいろな創作コンテストを開催して、クリエイターのみなさんにとっての選択肢も出口もたくさんある状態をつくりたい。

ショートショート、ファンタジー小説、恋愛小説といったようなジャンル別の賞もやりたいし、漫画原作、シナリオ、企画アイデアなど、形式も多様にしていきたい。小説を普段書いているクリエイターが、「漫画原作コンテストに応募してみようかな」なんてチャレンジできるようにしたい。そうした多様性のある企画は、noteだからこそつくれると思うし、noteがやるべきだと思っている。

企画会議はまだ通していないけど、先にここに宣言しちゃいます。

とにかくいま、やりたいことがあふれているので、一緒に企画・実行してくれる仲間も切実に求めています。

そして、最後になりましたが、今回一緒にプロジェクトを進めてくれたnote社のみんなに、この場を借りてお礼を伝えさせてください。

一緒に企画を進めてくれた、三原さん森坂さん戸田さん
審査に協力してくれた、ディレクターチーム。
記事の発信や告知をしてくれた、編成チーム。
プレスリリースやメディアアプローチをしてくれた、PRチーム。
関連イベントや授賞式の運営をしてくれた、イベントチーム。
審査員インタビューやイベントレポートを作成してくれた、インハウスエディターチーム。
審査や分析用のデータを抽出してくれた、データチーム。
かっこいいバナーやトロフィーをつくってくれた、デザインチーム。
クリエイターの皆さんからの問い合わせに対応してくれた、カスタマーサポートチーム。
各社との契約の対応をしてくれた、法務チーム。
いろいろな支払いや決裁に対応してくれた、経理チーム。

みなさんの力がなければ、創作大賞は実現しませんでした。本当にありがとうございました!!!


本日のバリュー

クリエイター視点で考えよう / Creator First

note株式会社の事業の原点はクリエイターにあります。note株式会社のメンバーは、創作にかかわるすべてのひとと対話しながら、作品をつくること、つなげること、とどけることを手助けする方法を考えて実行します。

多様性を後押ししよう / Promote Diversity

私たちは多様性を重視します。幅広いクリエイター、幅広いユーザーが集まることで、より多彩なコンテンツが生まれ、それをもとに交流が始まることで、社会全体がより豊かで幸福な場所になることを信じています。

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