はじめてサイズを測りに行ったときのはなし

こんにちπ。嶋倉です。

今でこそHカップだと分かっていますが、大学生になってサイズを測るまでは、正しい自分のサイズを知りませんでした。

地元は田舎なので下着専門店はなく、サイズを知る術はなかったのです。

そのため家族とし〇むらに行ったときに商品を胸と比べ、なんとなくで購入することが続いていました。

でも、ある日気づいたんです。

あれ…肉、余ってない? と。

明らかにカップに胸が入りきっておらず、脇に肉が余りまくり。
サイズのあっていないピッチピチのブラを着けているせいで、胸の形が崩れていました。

それこそ、胸が二段構成に見えるぐらいに。

「合わないブラを着けると胸・背中のラインが崩れる」ということを、当時の私は知らなかったのです。

正しいサイズの下着を手に入れるべく、急いで町の方にある下着屋を訪れました。

20~30代をターゲットとする店内はパステルカラーの下着で満たされていて、入るのに少し勇気が必要でした。


「すみません、サイズ測ってもらいたいんですが…」

「もちろんです、こちらにどうぞ~」

対応してくれたのは新人さんっぽい若い店員さんでした。

「では一番上だけ脱いでいただいて、はいそうです、ではトップとアンダー、ついでにウエストとヒップも測りますね」

「は、はい」

1本だけ剃り残した腋毛を見つけてしまい内心ハラハラしつつも、計測は順調に行われていき、店員さんは手元の用紙に数字をメモしていきます。

ところが。

全てのサイズを測り終わったとき、店員さんの顔が曇りました。

「少々お待ちください」とフィッティングルームから出ていく店員さん。

痛みに耐えてはみ出た腋毛をぶちっと引き抜くと、誰かと話しているらしい声が聞こえてきました。

「先輩、どうしましょう?」

店員さんの声。

「どうしたの」

「私こんなの初めてで…」

「あー…、これは正直に伝えちゃって」

「分かりました」

あれ、腋毛バレた? と焦りましたが、どうもそれは関係ないようです。

しばらくして、暗い顔で店員さんが戻ってきました。

「あの、お客様」

用紙を手渡されました。

そこには、でかでかと『H70』という文字が書かれていました。

「え、H!?」

「はい、お客様は大変豊満なお胸でして…ですから、その」

ごにょごにょと口ごもる店員さん。


「当店では、このサイズの取り扱いがないんです」



「…えっ」

なんだって。


結局この日は「申し訳ございません」と平謝りされ、何も買えず店を出ました。

分かっています。誰も悪くないんです。
こんな片田舎に、Hカップを揺さぶって歩いている奴がいるなんて想定外だったんでしょう。置いといても確実に売れないでしょうし。

ただ、「購買意欲も使える金もあるのに、欲しい物が買えない」というのは初めてで、ちょっぴり切ない気持ちにはなりましたね、うん。


結論。


取り扱いがないときは、諦めよう。


ちゃんちゃん。


(きちんと後日通販で買いました。)



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