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月が柔らかく満ち欠けするように、柔らかく変化しながら、大切なものは離さないように

2008年1月。当時お仕事で北海道に住んでいて、移動は車だったので、よくカーラジオを聴いていた。

そのとき、よく流れる曲があった。いわゆるパワープレイというもので、たぶんレコード会社との協力で1カ月間同じ曲をいっぱいかけるものだったと思う。

その曲は、最初静かに始まるからてっきりバラード曲なのかと思いきや、いつの間にかいろんな音が重なっていき、最後にはガンガンに音を鳴らすにもかかわらず、女性ボーカルがまったく負けていない、それどころかすべてが融和していた。曲の雰囲気も、今まで聴いたことがなく、邦楽なのに洋楽な感じで、でも宇多田ヒカルなどとはまったく違うものだった。

局のタイトルは『Do you remember?』。歌うのはmoumoon(ムームーン)という二人組。

インディーズのときに出したアルバムがあるとのことなので、初めてiTunesで買った。『Flowers』というアルバム。

そしてきょう、2018年9月2日。moumoonにとってお正月となるFULLMOONLIVE SPECIAL、中秋の名月。キーボード、ベース、ドラムも加えたバンド編成。

このライブのアンコールで『Flowers』を聴いた。アンコールだから二人だけ。当時と同じはずで、10年も経つ。なのになつかしさをまったく感じない、一段と洗練された曲になっていた。

moumoonは不思議としかいいようがない。CDと、アコースティックと、ライブと、同じ人たちとは思えないくらい雰囲気が全然違う。だから、普段はCD音源を聴いてもアコースティックは新鮮に感じるし、ライブのバント編成は異次元の迫力で、ライブ帰りはCD音源が物足りなくなるくらい。

moumoonの何が魅力って、常に変わり続けているのに何かの芯がしっかりしていることなんだと思う。どんな芯なのかはmoumoonの二人にしかわからないだろうけど、そういう人たちが今の時代は強いはず。チャットモンチーはその代表例だと思う、完結するけど。

変わるのは当然で、むしろ積極的に変えていかないといつか立ち行かなくなってしまう。その中でも、自分の芯はしっかりもっていきたい。moumoonを見ているとそう感じさせる。

moumoonのmouはフランス語で「柔らかい」、moonは英語で「月」。月が柔らかく満ち欠けするように、柔らかく変化しながら、大切なものは離さないようにしたい。

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