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ポイントは卵白の泡立て!「世界一の朝食」のパンケーキを作ってみた

(2015年2月25日作成)

この日の『あさイチ』では「世界一の朝食を作る男」と呼ばれるビル・グレンジャー氏のパンケーキの作り方を紹介していました。いろいろポイントはありましたが、「卵白のみをしっかり泡立てる」というところが気になったので試してみました。

卵白をメレンゲになるほど泡立てるのがポイント

番組では、卵白を電動ミキサーでメレンゲになるほどに泡立てていました。どれくらいかというと、イノッチの頭上でボウルを逆さまにしてもメレンゲが落ちないほどです。

ここがポイントではないかと思い、さっそく比較実験してみました。実験方法は、卵白を軽く混ぜたものと、メレンゲになるほど混ぜたものとで比べます。

↑こちらが卵白を軽く混ぜたもの。

↑こちらは卵白をメレンゲになるほど混ぜたもの。

他は全て同じ条件として、卵白の混ぜ具合だけを変えたもので2パターン作り、焼いてみました。すると……。

左:卵白を軽く混ぜたもの。右:卵白をメレンゲになるほど混ぜたもの。

おお、立ち上がりが全然違う! 焼き終わった後も高さが2倍くらい違いました(写真だと立体感が出なかったので割愛します)。

食感も、卵白を軽く混ぜたものはベタッとしていたのに対して、メレンゲになるほど混ぜたものはふわふわでした。ただ、卵白の独特の臭みが少し気になりました。卵白の量を少し減らすか、小麦粉の量を増やすか、何かフレーバーを加えてもいいと思いました。何回か作って自分好みの味に仕上げるのがおすすめです。

バターを乗せ、砂糖を軽くまぶして完成。Bon Appetit!

なぜ卵白の泡立てが必要なのか

なぜ、卵白をメレンゲ状にするほど泡立てることが必要なのでしょうか。「泡立て卵白の品質に及ぼす銅イオンの影響(PDF)」という論文では、次のように述べています。

卵白が泡立つ理由は、卵白タンパク質のグロブリンが界面活性物質として作用し、表面張力を下げるからである。卵白を撹拌することで取り込まれた気泡は、はじめは大きな気泡であるが、撹拌を繰り返すことによって細分化され、やがて小さな気泡となり、泡沫を形成する。——Trace Nutrients Research 27 : 7-12(2010)より

洗剤が泡立つのと同じ原理です。メレンゲにして体積が大きくなったものを加熱することで、骨格のような役割を果たし、厚みのあるパンケーキができるようだと想像できます(確証はありませんが)。

そういえば「すイエんサー」でも、ふわふわなお好み焼きを作るときに、卵白をメレンゲになるほど泡立てる方法を紹介していました。いろいろな料理に応用できる方法かもしれません。

お好み焼きレシピ公開!2014年6月17日 | すイエんサー

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