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色と仲良くなる

お気に入りのピンクのスニーカーを履いてたら
「素敵ないろですね」って。
だから
「色と仲良くなるってことをしてて
 いまはピンクと仲良くなる時期なんです。」
って話したら
「色と仲良くなるって、なんですか?」
と聞かれた。


ああ、たしかに。
色と仲良くなるって、あんまり言わないかもな。

色と仲良くなる…。
むつかしいことはなくて
その意味のままだったりする。

僕はデザイナーだから、いろいろな色を使う。
色の好き嫌いがないでもないけど
(いや、嫌いな色はないかも…)
状況に合わせて、色を使うので
たくさんの色と関わる。
それでも、やっぱり、得意な配色とか
好きな配色みたいなものは
どうしても出てしまう。

きっとデザイナーそれぞれに
自分のパレットみたいなものが
あるんじゃないかな、と思う。
もちろん、各々、様々な色を使うだろうけれど
あの人はこの配色がうまい、というような。
ディック・ブルーナさんの6色のパレットほど
顕著じゃないしても。


それで、僕は、
もっとうまくこの色を使いたいなって思う色を
数年ごとにテーマカラーにして
仲良くなる、ってことをしてる。
なん色もの色があることあるし
1色だけの時期もある。

僕はパステルカラーとビビットのあいだの中の
ビビット寄りの配色が得意なので
おもにそれ以外の色がテーマになったり
普段、あまり身につけない色とは
もっと距離を近づけたくて
仲良くなろうとする。


いまはピンク。
淡めのピンク。
仲良くなりたいピンク色を
身につけたり、自分の名刺の色にしたり
自分の作品で使ったり
身近にいるようにして仲良しなっていく。

「色と仲良くなるって、なんですか?」
って聞かれて
ふと、ピンクとはかなり仲良くなったなぁって
そんなことを思った。
どうやら、また違う色との時期が
はじまりそうな予感。
こんどは、どの色と仲良くなろうかな。

不思議とこういうときは
色のほうから僕のところに来てくれるから
もうすぐ素敵な出会いが
あるのかもしれないなって
すこしわくわくしてくる。

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