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トケイダイン

SARROBO #01
TOKEI-DAIN [トケイダイン]
全高 約45m


数あるSARROBO(サッロボ=札幌のロボット)の機体の中でもエースクラスのロボット、トケイダイン。

もっとも特徴的なのはロボットでありながら心理戦を得意とすることで、とくに相手の期待をそぐ、モチベーションを下げる効果がある「ガッカリメイショービーム」を頭部の時計にカモフラージュされた発射口から出す。

 最近では、それによるガッカリを期待するあまり、実際にビームを浴びても想像以上にがっかりせず、「思った以上にがっかりしなくて、逆にがっかり」という高難度の作戦も展開している。

しかし、製造元の札幌市側では、期待を裏切らず素直にがっかりさせるべきだ、という議論がおこり、機体を縮小化しようという計画も持ち上がっている。本人(本ロボット)的には、それなら、もうがっかりと言われないために、機体を拡大してほしいと強く望んでいるが、案外控えめな性格なので決して口にすることはない。

このアングルでは見えないが意外と背中が長く、本人(本ロボット)もそれを気にしている。また、自分のもっとも特徴的であり名前の由来ともなっている頭部の時計部分があとから改造された部分(いわゆる後付け)であると知り、アイデンティティー崩壊の危機に直面していたが、最近それを乗り越えた。

意外と知られていないが誰もいない真夜中でも時間になると鐘をならす律儀な頑張り屋さんでもある。

機体の大部分をしめる白色の部分は、時代とともに微妙に色の変化があり、2018年年末に改修が完了し、2019年4月現在では薄い黄緑色となっている(過去にも同色の時期があったようだ)。この色の変化によって、「白い壁と赤い屋根を期待してきたのに…」と、あらたながっかりを生み出すきっかけとなり、相変わらずのポテンシャルの高さに、エースロボットの地位はこれまで通り、不動のものと思われる。


SARROBO(サッロボ)とは
北海道・札幌市には、市民と都市・自然を守るため、市内各所に極秘裏にロボットが配置されていた。それらは街の建造物やランドスケープとなり、秘かに市民を見守っていたが、やがて自らの意志で動き出すようになる。市民にとっては、元から愛着のある建物がロボットだったことは、驚きと喜びで迎えられ、いつしか彼らのことを、札幌のロボット「サッロボ」と呼ぶようになった。


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