本日は高円寺の会場にて、三公演。どれも村橋ステム主催のライヴであった。ひとつずつ振り返ってみる。

第1部『マンザイスリー ピンネタスリー』は、村橋、ヤング、街裏ぴんく、エル・カブキの4組がそれぞれネタを3本ずつやるというもの。昼からやるにしてはストイックな試みのライヴであるが、客席はほぼ満席だったと思う。我々は「すぐ聞く奴」「世界一周」「ラーメン(逆バージョン)」の3つをした。こうしたライヴで単に漫才を3本やるだけというのも味気無い。何か実験的試みをするべき、というのが自分の考えで、だから3本目には昔のネタをボケ・ツッコミ入れ替えで(衣装も交換した)荒く演った。それが正しいとか間違えてるとかいう話ではなく、自分たちがやりたいこと、楽しめることをやる、というだけの話である。街裏さんの3本目の漫談は最高に素敵な物語で、個人的には、パジャマを着た青鬼がうんていで来たけど、帰れ！と言われていそいそと帰るシーンが、可愛くて堪らなかった。ゴリラが泣いているところも良かった。ただ、ちょっとウケすぎなくらいに一部の人の甲高い叫び声のような笑い声が袖まで聞こえてきて、苦笑したのも事実である。明日も街裏さんと共演するから、嬉しい。

第2部は『ステムの高円寺上陸いらっしゃいませ～Hey!みんな元気かい?～』。元々大阪で活動していて今は東京でやっている芸人たちが15組近く出演。久しぶりに会った世界の絶景は、ネタこそ見れなかったが、彼らなりに頑張っている様子だった。ネタでいうと、ちびシャトルのコントが異彩を放っていた。エンジンコータローさんとは結構真面目な話をした。こないだテレビのドッキリ企画「スベる1GP」というので優勝してしまい、元々ナイーブなエンジンさんは全て真っ直ぐ受けてショックだったらしく、だけど自分は、今こそ面白い試みを実行すべきだと言った。提案したのは、街裏さんとのツーマンライヴ、後はエンジンさん主催で「ウケる1GP」を開催してはどうか、という話をしたが、実現すればきっと話題になるし面白いと思う。エンジンさんは本来別にスベるようなネタの人ではないので、最後は沢山の人を自分の世界に引き込めるはずだと思う。テレビの邪悪な企画に押し潰されず、舌出して利用すれば良いじゃん。

第3部は『村橋ステムのクイズショー どちら様も!!ゲロってヨロメク』。これはクイズ企画のライヴで、ゆるりと皆で楽しんだ。あまりにゆるくなり過ぎると初見の人はポカンなので、初めにきちんと紹介や企画の説明をさせるよう自分は誘導したが、それを後でなにわプラッチック三輪さんに「嶋仲がちゃんと戻してたな」と言われて、恥ずかしかったが、その通りである。ちぇく田の合間に言う一言がいちいち面白くて、流石の実力だった。

昼からの全稼働に村橋くんも相当疲弊したようで、打ち上げの席では、ボロ雑巾を絞った泥水を被った野良犬みたいな顔でハイボールを飲んでいた。