誤解

私はこのnoteに色々駄文を書いているけれど、己の気持ちや生活のごくごく一部を切り取って書いているだけで、全てだとは思われたくない。当たり前の話だが本当のことをそのまま書くような人間ではない。勿論これは普段の会話でも同じなのだが、私は当たり前のように幾つものひみつを隠し持っている。だからnoteとなるとなおさら、色々と誤魔化して、曖昧に、忍ばせながら、匂わせながら、脚色しながら、読む人を愉快に、または不快にするような、インターネット故の儚い冗談を連ねることになる。嘘も八百以上交えている。それなのに、結構真に受ける人が多くて、切ない。中には、あれは私のことですか?なんて浮ついたことを言う人もいた。それもインターネット故の誤解か。私が時折「可愛いきみは…」などと書くから、勘違いされるのかもしれぬ。やめてくれ。きみというのは、決してあなたのことではない。あなたは大して可愛くもないし、あれはただ、私の恋人について書いているだけだ。

恋人には羽が生えていて、右手にスプーンを持っている。透き通るように肌が白い。彼女は今まで匂いというものを感じたことが無いらしく、その代わり、と言っては何だが、ささやかな魔法を使える。たとえば道端で犬と会話することが出来るし、また、四葉をすぐに見つけられる。キャベツだけを食べて生活している。前科があって、牢獄にいたことがある。便秘である。花の名前をよく知っている。そして何より、とてもキュートで、とても面白い。彼女とは、私が偶然浜辺で拾ったとある絵本がきっかけで出会ったのだが、それはまた別の話。ともかく様々な誤解は勘弁なのである。

何もいりません。舞台に来てください。