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僕らの時代で、グローバル人材をアップデートする。POOLOの思想。

2年前から構想し続けたものがようやくカタチになりました。

3月末にリリースをした「21世紀型グローバル人材育成プログラム・POOLO」は、自分たちの想いがたくさん詰まっている企画。TABIPPOとしては大きな挑戦です。

「POOLO -ポーロ-」という名前の由来は、かの有名な「Marco Polo -マルコ・ポーロ-」です。東方見聞録を発表して、世界と社会を繋げることに貢献した彼のように、常識を飛び越えて活躍する次世代のグローバル人材を。そんなわけで1つ「O」を付け加えて「POOLO」です。

今回の記事では、そんなPOOLOを立ち上げた清水個人が考えていたこと=POOLOの思想について書きたいと思います。ちなみにPOOLOは、TABIPPOの代表である清水が事業責任者として関わっています。


旅の価値を上げるということ

僕らTABIPPOがやりたいことは「旅で世界を、もっと素敵に」することです。これがビジョンであり、僕らが信じ切っている世界観。

そのためには「旅の魅力を伝えること」や「旅への不安を解消すること」をやらないといけないと思い活動を続けてきたのですが、この10年間で一向に旅が広まっていかないことへの不安を感じていました。(全体でマクロな統計データは変化していないのですが、20代女性の海外渡航だけは増えています)

そこで、ここ数年僕らが考えていたことの1つが、「旅の価値を上げる」ということ。旅をすることが自身のキャリア形成やライフスタイルにポジティブな影響を与える。だからこそ、旅の経験は価値のあることなんだ!って声を大にして言えるような社会を創りたいと思っています。

僕自身も実際に世界一周をした中で感じましたが、旅をすると他国や他者への理解が深まり、同時に自国や自分自身についての愛情も増えていきます。それらの経験にはかけがえのない価値があり、世界と社会への協力や貢献のきっかけとなると思うのです。旅をするだけで満足するだけじゃなく、その経験を社会に還元してもらいたい。そう思ってます。

旅人採用という事業を通しても、旅の価値を上げる仕組みづくりに挑戦していますが、このPOOLOではさらにその1つ奥の「育てる」ということもセットでやっていきたいです。


グローバル人材という言葉への違和感

「旅の価値を上げたい」そのために、「旅の経験を社会に還元するグローバルな人材」になることを考えた時。そもそも「グローバル人材」という言葉のイメージに強い違和感を抱きました。

みなさんにとっては「グローバル人材」ってどんなイメージでしょうか?

「TOEICは必ず○点以上!」を掲げる英語至上主義で、海外に住んでいる必要があって、「世界と戦う」が口癖で競争が好きな人たち…。外資の大企業に務めているキャリアエリートが「グローバル人材」そんなイメージではありませんか?(あくまでイメージや解釈の話です)

僕は、そんな価値観はなんだか古臭いなぁって思ってます。

今や、多様性溢れるこの時代を生きている若者たちの価値観や働き方は、どんどん変化しています。

英語が全く喋れなくたって、世界中を旅した経験を活かして地方創生の分野で活躍してる人もいるし、世界や社会をより良くするために日本という場所を選んで起業をする僕らTABIPPOのような会社だって増えています。

若者たちの心はもっとピュアで、競争意識よりも共創意識が強く、利他主義に溢れているんです。

大きく変化した若者の価値観

僕らが体感している以上に、時代は大きく、早く変わってきています。VUCAの時代と言われるカオスな時代の中で、いちばんその変化の影響を受けているのは「若者」たちです。

VUCAとは、Volatility(変動性さ)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉。カオス現代を形容するキーワードとして様々なシーンで使われるようになってきました。

X世代、Y世代、Z世代では価値観が全く違うし、インターネットによって多様な情報や考え方にふれることができるこの社会では、もはや「正しさ」なんて言うものは、見つからない。それが僕らが生きている時代です。

X世代(1960-1979年)-バブル/テレビ/乾いてる世代
Y世代(1980-1994年)-ミレニアル/ゆとり/9.11 3.11/乾けない世代-
Z世代(1995-2010年)-ポストミレニアル/デジタルネイティブ-
*年代は生まれた年

この時代に、昔からの凝り固まった価値観で「グローバル人材」を語るのは危ない。もっともっと時代にあわせてアップデートをしないといけない。そう思ったのです。

POOLOリリースイベントに参加してくれた若者たち


僕らの時代で、グローバル人材をアップデートする

若者の価値観が変わっているこの時代に。僕らは、僕らの時代に合った価値観で「グローバル人材」をアップデートすることを目指したいと思います。

多様な価値観の中で、多様な働き方や仕事の選択肢がある時代においては、ステレオタイプにならずに自身のライフスタイルを作り上げ、社会で活躍することができる人材こそが「次世代のグローバル人材」です。

そして「活躍する」という言葉の意味は、もはや出世をすることや、年収を上げていくこと、他国に勝っていくことではなく、「世界と社会へ協力と貢献をすること」だと確信しています。

POOLOでは、そんな次世代の人材を育てていきたいです。


▼WEBサイトにも掲載しているグローバル人材の定義イメージ


カリキュラム方針に込めた想い

では、具体的にはどういうことを学べたら「次世代のグローバル人材」に近づけるのかどうか?それを考え抜いたのがこの1年でした。

その答えが、この図に落とし込んだカリキュラム方針のフレームワークです。「マインド」「スキル」「ナレッジ」「キャリアデザイン」そして「メタ認知」の4つで構成されています。


実は、この考え方には責任者である清水直哉が東京学芸大学の教育学部出身であり、中高教員免許を持っていることが大きく影響しています。

もともと教育に対する想いが人一倍強く、次世代の若者たちに「教育」を通して様々な還元をしていきたいという想いがあり、このTABIPPOで活動を続けて来ました。

そんな中でずっと課題に思っていたことの1つが「日本の教育は知識(=ナレッジ)のみに絞って押し付けの学びを行っている」ということでした。

知識/ナレッジは、個々人の考え方/価値観(マインド)と技術(スキル)の上に乗っかって初めて活用できるものです。知識ばかりの頭でっかちになっても、価値のある人材にはなれません。(もちろんマインドでっかちもダメです)

だかこそ、このPOOLOでは多様な選択肢という意味での「マインド」「スキル」「ナレッジ」「キャリアデザイン」を幅広く学べるようなプログラムとして作り上げました。重要なのは選択肢の広さです。ステレオタイプにならないように、まずは幅広い選択肢に触れる事が重要だと思っています。

講師の方の得意領域が幅広いのはそのためです。できるだけ多様な価値観における仕事や働き方に触れてほしいなと思っています。


キャリアのVSOP理論

また、POOLOが強く意識しているキャリア形成の考え方について書きたいと思っています。それがこの「VSOP」というキャリア形成におけるフレームワークです。

20代はバラエティ。多様な経験をするのがよい。
30代はスペシャリティ。専門性を見つけて強みを養う。
40代はオリジナリティ。自分らしさや独自性を大切にする。
50代はパーソナリティ。人間力であの人と仕事したい!と思わせる。

VSOPというのは、20代、30代、40代、50代で、どんなことを意識してキャリアを形成していくべきかという考え方。僕自身はこの考え方をベースに20代を過ごしています。

21歳で世界一周の経験をして、TABIPPOを立ち上げ、新卒でオプトという会社に入社して、26歳で起業をしてからの4年間、本当に多様な経験を好き嫌いせずにやってきました。本当に、なんでもやりました。

色んな世界を旅することで価値観の多様性に触れ、TABIPPOの立ち上げでイベントの企画/運営やマネジメント、SNSマーケティングを実践。オプトに入社してからはソーシャルメディアを中心としてマーケティングを専門的に学び、最年少マネージャーとしてチームマネジメントの経験や、新規事業の立ち上げなども経験しました(赤字を6000万円つくりました...)

起業をしてからも、幅広い事業を多角展開していきましたが、いつも軸に据えているのはチームマネジメントや組織作りです。いろんなことを経験してきたからこそ、自分の強みがマネジメントにあることを学びました。


僕がVSOPの理論を知ったのは、社会人になってすぐくらい。尊敬するちきりんさんの記事を読んだ時でした。

最近では、これまた尊敬するけんすうさんがキャリアのVSOPについて書いていて話題になっていましたね。こちらもぜひ読んでみてください。

要するに、20代や30代の若いうちは「なんでもやってみる」ことに時間を使うべきだと言うことです。そしてその中で専門性を高めたいと思えるものを探して、情熱を育み、自分の強みにしていこうと。

やりたいこと、情熱をかけられるものは、すぐには見つかりません。若い人に色んな相談をされますが、何もアクションを起こさずにすぐ見つけるのはかなり難しいです。

だからこそ専門性を磨きたいものや、情熱をかけたいと思えるものが見つかるまでは、とにかく「なんでもやってみる」ことと「選択肢を増やすこと」が重要だと考えています。

POOLOの参加者は20代と30代前半の方が中心です。だからこそ、POOLOでは「多様な選択肢に触れる」ことが出来るような設計にしています。


POOLOで多様な選択肢に触れる

今回、POOLOのプログラムやカリキュラムを作り上げることにあたって大切にしたのは、まさに「多様な選択肢に触れる」ということです。

逆に言うと、何か1つの目的を深掘りしたい人にはあまり向いていない教育プログラムなのかもしれません。「起業をしたい!」「地方創生について学びたい!」「◎◎を事業化するブラッシュアップがしたい!」と思っている方は、別の手段を選択したほうが良いかもと思っています。(もちろん、コミュニティの中で、仲間と一緒に主体的にそれらについて学んで頂くことは可能です)

どういう観点で「多様な選択肢に触れる」ということを設計しているのか。下記のような感じです。

▼カリキュラム方針
前述したように「ナレッジ/知識」だけを教えることをせずに「マインド」や「スキル」も考えることができるように設計しました。

▼参加者
特定の業界や職業の人に偏らないように伝え方を考えました。実際に、今回エントリーしてくださった方々は本当に多種多様な業界や職業、働き方の人に参加してもらっています。

▼学び/内容
このPOOLOに参加してくれた人たちに「何を学んでほしいのか?」そんなことをずっと考えていましたが、学びの「振れ幅」をしっかりと出すことが重要だと結論付けました。何か1つの領域に特化するわけではなく、食わず嫌いをせずに、いろんな学びに触れることで選択肢を増やすことができる講義内容になっています。

▼講師
その講義を教えてくれる「講師」の存在も大切です。年齢、立場、職業などを問わず多種多様な人たちに集まってもらいました。共通点は、講師の方々自身が僕らTABIPPOが考える「次世代のグローバル人材」であるということ、そして「新しい時代の価値観」で働いて、仕事を作っていることです。

▼POOLO・講師一覧(順不同)
石山アンジュ(一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局長)
飯高悠太(株式会社ホットリンク マーケティング本部 本部長)
ミツエヴァーレイ(ハワイ州観光局 局次長)
清水直哉(株式会社TABIPPO 代表取締役)
四角大輔(執筆家)
柳澤 大輔(面白法人カヤック 代表取締役CEO)
詩歩(「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサー)
るってぃ(プロ無職)
西井 敏恭(オイシックスドット大地株式会社 CMT / 株式会社シンクロ 代表取締役)
伊佐 知美(物書き・フォトライター)
大塚 啓志郎(本の編集者/ライツ社 代表取締役)
中込 孝規(「世界とつながるダンス教室」代表)
鮫島 卓(駒沢女子大学 観光文化学類 准教授)
あんちゃ(執筆屋/合同会社WHY&CO代表)
江藤 誠晃(株式会社BUZZPORT 代表取締役)
東松 寛文(リーマントラベラー)
手島シンゴ(共創クリエイター)
江藤 美帆(栃木SC マーケティング戦略部長)
太田英基(株式会社スクールウィズ 代表取締役)
高井典子(文教大学 国際学部 教授)
三川夏代(SNSマーケター)
工藤慎一(ecbo株式会社 代表取締役社長)
佐藤 陽俊(株式会社スクールウィズ 執行役員CMO)
KEI(旅するクリエイター)
岡村龍弥(合同会社Guild 代表)

他 20名くらいを予定

講師は本当に豪華。僕らの想いに共感して関わってくださる方ばかりなので、講師の方々が講義に登場するのが楽しみです。


最後に

3月末にリリースをしてたくさんの反響がありました。申し込みの数も想像以上で、関わりたいと言ってくださる方もたくさんいました。

だからこそ、僕らがどんな「想いと思想」をもってこのプログラムを作り上げているのかを知ってもらいたいと思って、この記事を書きました。

ぜひ、少しでも興味のある方は、まだ少しだけ定員に空きがありますのでお申込みください!


▼追伸
スポンサードという形で実現するためのサポートをして頂いているハワイ州観光局には本当に感謝です。旅行業界のトップランナーと同じビジョンに向かっていけるのを嬉しく思っています。

ハワイ州観光局・日本支社長のミツエさん

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