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人間の本質は光。人を信じる性善説を前提とした経営スタイルについて。

平成が終わり、令和がはじまった。

平成最後の1日は、当たり前のようにオフィスにきて仕事をして、会社の仲間たちと焼き肉を食べた。平成が終わるのだから少し豪華なものが食べたかったのだ。そして気がついたらカラオケにいて、平成の思い出を歌いまくった。

令和がはじまって最初の1日は、ひとつイベントを終わらせたあとに、会社の仲間と映画「キングダム」を観に行った。大好きな漫画であり、僕らの会社の課題図書でもあるのでオフィスに全巻が置いてある。再現性が高く素晴らしい映画で、観終わったあとにみんなであーだこーだ語るのが楽しかった。

何かが変わったようで、何も変わっていない。オフィスでこの文章を書きながら、時代が変わるのはこういう感覚なのかと思いふけっている。

前回書いたブログの中で『人間の本質は「光」』ということについて書いて、思いの外反響が大きかったので、それについて書きたいと思う。

人の可能性を信じること、諦めないこと。その考え方を大前提とした、僕ら株式会社TABIPPOの経営スタイルと組織論について。


人の本質は「光」

この言葉は、漫画「キングダム」の単行本39巻と40巻に登場するのを見てはじめて知った言葉だ。後の始皇帝である政が「人の持つ本質は・・・光だ」と言うのだが、それが僕の心に深く刺さり、何回もそのシーンを読み返した。

まだキングダムを読んでない人はぜひ読んでもらいたいし、読んだ人もぜひもう1度、39巻と40巻を読み直してほしい。47巻で昌文君と李斯との会話で出てくる「法とは願い」と同じくらいには名シーンだと思う。

「天下を作ったのは「金」であり、金が人の"欲"を増幅させたからこそ、金が人を欲を動かし、金が天下を操る全て。そして如何なるやり方でも戦争はなくならない、戦争は紛れもない人の本質の表れであり、人の世の営みの一部である。」そう言い切るのは、王座を争うライバルである呂不韋。

それに対して、秦王である政は、強くこう言い返す。

「たしかに人は欲望におぼれ、あざむき、増悪し殺す。凶暴性も醜悪さも人の持つ側面だ。だが決して本質ではない。その誤りから争いがなくならぬものと思い込みその中で最善を尽くそうとしているが、それは前進ではなく、人へのあきらめだ!そこに気付かぬが故に、この中華は五百年も戦争時代を続けている」
「人のもつ本質は ー  光だ」
「形や立場が違えど、皆一様に自分の中心にある"光"を輝かせて死んでいった。そしてその光を次の者が受け継ぎ、さらに力強く光り輝かせるのだ。そうやって人はつながり、よりよい方向に前進する。人が闇に落ちるのは、己の光の有り様を見失うから。見つからず、もがき、苦しみ、悲劇が生まれる。その悲劇を増幅させ、人を闇へ落とす最大のものが戦争だ。だから戦争をこの世から無くす!」《引用:キングダム 40巻より 政の言葉》


このシーンに感動してからもう2年くらいは経つと思う。いまでは僕自身も、人間が本質的に持つのは「光」だと確信している。

この先の人生を長く過ごしたとしても、おそらくブレずに信じ続けると思うし、変わることの無い価値観だ。それくらいこのシーンには強い影響を受けた。


諦めずに、人の可能性を信じたい。

だからこそ、僕は人に対して諦めたくないと思っているし、可能性を信じたいと思っている。

人間は理想に向かって行動する。

サイボウズの青野社長から授かって、いまでも自分の中で大切にしている言葉だ。

人は誰しも、自分の理想という名の「光」に向かって行動する。だからこそ努力し続けるし、人生における様々な決断を自分でする。その中で、苦しみ、もがき、たまには過ちを起こすこともある。ただ、それでも人間の本質は「光」であると僕は信じたい。


性善説でオープンにフラットで管理なき経営

そして、この考え方はTABIPPOという会社を経営する上で、組織を作っていく上でも重要になってくる。

僕らが組織として挑戦しているのは、「性善説でオープンにフラットで管理なき経営」である。性善説で人を信じて、情報を全てオープンにすることによって、ヒエラルキーと管理によるコントロールを放棄した。これが僕らの組織ポリシーだ。

上下関係や役職はなく、承認フローや許可も要らない。情報格差を生むことによって権限の集中も防いでいる。ルールやプロセスも人を信じるからこそ、最小限だ。失敗はどんどん許すことで、挑戦を歓迎している。許可よりもあとで謝罪をする文化も作りたい。評価も360度評価にすることで、特定の誰かに依存させることを辞めた。

いわゆるティール組織・ホラクラシー経営のようなことを、創業以来5年間ずっと実践し続けてきたのだ。

新時代のロールモデルとなるような新しい理想の組織を作ろう。そうすることで、変化が大きく早く不確実性の時代において、成果を出し続けることができるチームになろう。そう、仲間たちとは話している。

こんな組織を作り上げるためには「人の可能性を信じること」が大前提だと考えている。性善説じゃないとやっていけないのだ。

↑ 会社設立5周年パーティでも、TABIPPOが目指す組織作りについて語らせてもらいました。


人の可能性を信じないからこそ、どうしてもコントロールと管理をしたくなる。ヒエラルキーでトップダウンな経営は性悪説に基づいて作られているケースが多い。

「許可や承認フローがないと心配・・・」「勤怠を管理することでしっかり毎日出社をさせたい」「勝手に何かをやられると困るから制度やルールを作ろう」「何か判断するときは必ず上司に相談してほしい」「その情報を知ってしまうと取扱が・・」こういうのは全て、性悪説な組織の考え方だと思う。


僕たちは「とことん性善説で会社を作ろう」。そう決めて会社の経営をやっているし、組織を作っている。株式会社TABIPPOはそういう会社。

だって「人の本質は光」なのだから。

キングダムから学ぶことは多い。令和の時代がはじまって最初の1日に映画を観れてよかったなと思っている。

↑ 正社員は15名くらいになった。まだまだ小さな会社だけど良い組織、良いチームになってきたなと、心から思う。



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