@shimi

大学生。趣味でエッセイを書いています。電車の中で思わずにやけてしまう面白さを大切にして…

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大学生。趣味でエッセイを書いています。電車の中で思わずにやけてしまう面白さを大切にしております。メール:masaya30434@gmail.com

マガジン

  • つれづれなるままに書いてみた『俺のエッセイ』

    僕の何気ない日常を優しくお届けしています。

  • 旅こそが人生だ。『俺の旅行記』

    素人大学生が書いた旅行記です。つまり僕の旅行記です。どうぞ。

最近の記事

【キナリ杯】そしてモンキードライバーは王様になった

大学2年生の頃、ドライブに夢中だった。免許を取得した嬉しさのあまり、大学の友人を外に連れ出しては小さなレンタカーを走らせた。気の合う仲間と知らない道を突き進み、初めての景色を車窓から眺める。それだけで他のどんな娯楽よりも退屈しなかった。アクセエルさえ踏み込めばどこへでも行けるような気がして、怖いもの知らずな僕らはいつだって自信に満ち溢れていた。 あの頃はドライブが生きがいだった。大学の授業は程々に出席し、それ以外の時間は彼女も作らず、週三日のアルバイトとドライブだけで時間を

    • 想定外を愛そう in Taiwan

      和紙の繊維のように思考が絡まり、意識が朦朧とする。目を開けると、天井から真っ白な光が垂れてくる。眩しくて邪魔臭い。 「ここはどこだろう...。」 眠い目を擦りながら周囲を見渡すと、視界の奥にうなだれた人を捉えた。その人は無機質で真っ黒な椅子に座り込み、両腕はなにやらカバンのようなものを抱えている。目を凝らすと、それはキャリーケースだった。 思い出した。僕は今、空港の中にいる。 記憶の海の底から、眠りにつく前には抑え切れなかった興奮が、今ではただの疲労へと変わり浮遊して

      • 台湾から来た同志よ。

        「シミズー、ご飯行コー。」 大学で知り合った台湾人の友人は、出会った時から頻繁に食事へ誘ってくれる。他の友人には名前で呼ぶのだが、僕は彼と出会ったときに苗字しか教えなかったので、苗字で呼ばれているのは僕だけだ。 「タカノリ、タカオ、アッ、シミズゥー!」 といった具合で、僕を呼ぶ声だけは気合が入る。それがどうしても笑いのツボにハマり、彼に呼ばれるといつもニヤけてしまう。これが最近の悩みだ。 外国人に苗字で呼ばれることに違和感を覚えつつも、授業が終われば毎週のように、僕た

        • 僕らの青春「カムバック」

          夕暮れ時、店内のむさ苦しい集団を前にして、一人の男が吠える。 「乾杯するよー! はい、カンパーイ!」 男は華奢な体を駆使して呼び掛けるも、声が通らず、会場内はまとまりに欠ける。 「おい!シマンねーぞ!」 男たちの野次が飛び交い、店内のざわめきはさらにエスカレートしていった。 「いいからグラス触って!」 「触ればいいのか、はい。」 「ちがう、持って!」 頼むからしっかりしてくれ。 この幹事にはリーダーシップというものがない。一度口を開けば、周りから罵詈雑言を浴

        【キナリ杯】そしてモンキードライバーは王様になった

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        • つれづれなるままに書いてみた『俺のエッセイ』
          20本
        • 旅こそが人生だ。『俺の旅行記』
          5本

        記事

          人のぬくもり、あたたかみ

          11月は一年の中でもっとも時の流れが速い、ように感じる。予定を詰め込んで毎日せわしなく生活していると、あっという間に時間が経っている一方で、最近はボケーっと天井を見つめているだけで1時間も経過するのだから、恐怖すら覚える。 金曜に会った友人と「じゃあ、また来週!」なんて元気よく別れた後、すぐにその友人と「また来週!」と云っている。たとえ一週間ぶりに会ったとしても、さっきまで一緒にいたような感覚。なんとなく虚しい。 このままではまずい、と思った。何がまずいのかうまく書けない

          人のぬくもり、あたたかみ

          フリーの貴族様 #100文字ドラマ

          大学卒業後、やりたいことが見つからずフリーターになった主人公の兼松(男)は、母親が毎食出す糠漬けにうんざりして自立を決意。お金がないから人生の負け組にいると思っていた彼が見つけた幸福のヒントとは。 (105文字)

          フリーの貴族様 #100文字ドラマ

          「普通」という言葉が大嫌いだ

          「○○くんって普通じゃないよね」 「普通にやればできる」 「普通の人はそう考えない」 はっきり言いたい。普通って何だ。 話し手が「普通は○○」と言うけど、その場合の普通は話し手が考える普通でしょ。 個性は誰しも必ず持っていて、それを取り除いて並べたものが普通なのだとしたら、普通なんてクソくらえだ。個性があるから人は面白くなる。皆が同じことしか考えなかったらつまらない世の中になる。 だから、普通じゃなくていい。少なくとも、自分にとって重要ではない人が押し付ける普通の

          「普通」という言葉が大嫌いだ

          「就活イベントの参加特典」だけでいくら稼げるのか挑戦してみた ~就活サイトごとのまとめ情報もあります~

          今回は読み易くするために目次を設定しました。内容や詳細を早く知りたい方は「この記事の目的」からお読みください。 この挑戦を試みた僕の背景就活はお金がかかる。 やれ電車賃が高いだの。やれスーツのクリーニング代が高いだの。やれ企業に訪問すると近くのカフェでコーヒーを飲んで落ち着いてしまうだの。人によって理由は様々だ。 この記事を書いているのは2019年の10月中旬で、僕を含めた一般的な大学生はインターンシップや企業説明会に参加している程度の「まだ選考が始まっていない時期」だ

          「就活イベントの参加特典」だけでいくら稼げるのか挑戦してみた ~就活サイトごとのまとめ情報もあります~

          モノクロだった僕の大学生活とこれからの社会に大切なもの。

          僕の大学生活は退屈だ。建前上は自分で選択した授業を履修しているのだけど、結局は卒業のために出席しているから熱が入らない。あまりにも暇すぎて教授の顔を眺めていると、視界がぼやけて肉まんにしか見えなくなってくる。 よく見ると、頭のてっぺんから上に向かって数本の白髪が伸びているのがわかる。この白髪が肉まんの湯気で、ふくよかな輪郭はたっぷりの肉が詰まった具材だろうか。夏が終わり、これからますます涼しくなると思うと、僕は無性に肉まんが食べたくなった。 「はい、今日の授業はここまで。

          モノクロだった僕の大学生活とこれからの社会に大切なもの。

          ラオス旅行記#4『僕はラオスでゾウ使いの免許を取得した』

          ラオスに来てから4日が経ち、次第に暇を持て余すようになってきた。ふらふらと寺院を巡って無常を感じたり、物珍しそうにナイトマーケットへ足を運んで結局冷やかして帰ったりと、町でできることはほとんどやった気がする。 この3日間は暇になればカフェに入ってラオスの美味しいコーヒーをすすっては、店内のソファで休憩していた。冷静に考えてほしい。3日もだ。はっきり言ってこれは暇すぎる。 体力が有り余っている男子大学生4人組がカフェに入り、まったりとコーヒーやスムージーを飲みながらおしゃべ

          ラオス旅行記#4『僕はラオスでゾウ使いの免許を取得した』

          ラオス旅行記#3『メコン川の先にある洞窟へ』

          メコン川は時の流れを遅くする。 バリ島のように国旗の主張にうるさくなく、クアラルンプールのように線路の網が張り巡らされているわけでもなく、ただルアンパバーンという町はひっそりと川沿いでじっとしている。 AIやIOTの技術が急速に進歩するこの時代でも、じっとこの川を見ていると、水の流れに身を任せて思う存分郷愁に浸ることができる。 人々はメコン川に寄り添って生活し、メコン川は人々の笑顔を豊かにしてくれる。 僕はこの川を一隻の小さな船に乗って上流へと進む。片側に寄れば転覆し

          ラオス旅行記#3『メコン川の先にある洞窟へ』

          ラオス旅行記#2『温かいホテルのスタッフと僕らのおばあちゃん』

          窓から差し込む朝日がまぶしい。ルアンパバーンで迎える初めての朝だ。ここに来るまでの疲労で頭がボーっとするが、気を引き締めて起き上がる。 朝食の時間は午前8時。僕たち4人は重い瞼をこすりながらホテルのテラスへと向かった。 僕らが宿泊したホテルはワンサワットホテル(Vangsavath Hotel)という。町の中心部から少しばかり距離があるが、旅行代理店の人が言うにはそこそこのグレードらしい。初めてホテルを訪れたときは、顔が面長な女将が優しい笑顔で僕たちを出迎えてくれた。彼女

          ラオス旅行記#2『温かいホテルのスタッフと僕らのおばあちゃん』

          ラオス旅行記#1『冒険の始まり』

          僕は今、ベトナムのノイバイ国際空港からラオスのルアンパバーンへ向かって天空を飛行している。飛行時間はたったの1時間。この機体は横一列に4人までの座席しか配置されていない超小型機で、これがラオス公式の国際線になる。 僕と3人の友人は5月から計画していたラオス旅行をついに開始した。日程は2019年9月1日から9月6日までの6日間。この6日間は拠点をすべてルアンパバーンに置き、僕たちは最終日のフライト時間までルアンパバーンに滞在することになる。 なぜラオスに行くことになったのか

          ラオス旅行記#1『冒険の始まり』

          これで夏バテ解消?完全栄養食のラーメンとは!?

          今年の夏も例年通りアチィですよ。皆さま、アチチすぎて夏バテになってはいませんか。もしあなたが夏バテになってしまって、「毎日のご飯は素麺にネギを刻んで入れれば栄養満点だ!」と自分に言い聞かせて素麺をすすっている私の同士であるのなら、よく聞いてほしい。 そんなもの、カロリーと塩分、それから微量のビタミンしか取れないぞ!もっと体に必要な栄養素はたくさんあって、それらを摂取しないと夏は克服できないぞ!これはもちろん、筆者である私自身にも心を鬼にして叫んでいる。 そんな同士たち(筆

          これで夏バテ解消?完全栄養食のラーメンとは!?

          やっぱり僕はナスを嫌いになんてなれない

          ナス、それはみずみずしさのおかげで体を冷やす効果を持ち、多くの日本人に受け入れられている夏野菜。先日の僕が参加したBBQでは、このナスが網の端で取り残され、皆でじゃんけんをして負けた人が食べるという、罰ゲームのような存在になってしまった。 僕はじゃんけんで勝ち、このナスを食べなかった。満腹だったから、仕方なくじゃんけんに参加したのだし、もし少しでも余力があれば、喜んでナスを食べていたはずだ。そうやって、僕は頭の中で食べない理由を正当化したが、どこかに安堵している自分がいた気

          やっぱり僕はナスを嫌いになんてなれない

          「無駄な日」なんてあるのかな

          一日一日を大切に過ごしたい。毎日やることを決め、自分の成長の糧にしたい。そんなことを思いながらも、ただ何もなく今日が終わってしまうというのは、なかなかもったいないことだと思う。だが同時に、これはよくあることだとも思う。 大学生活の夏はもう戻ってこないのだから、せっかくだし自分がやりたいと思っていることは経験しておきたい。なんて、意識の高いことを思いながらも、先日はよくわからないまま一日を過ごしてしまった。 僕は暇な日のことを「暇日」と呼んでいる。これは、過ごし方によっては

          「無駄な日」なんてあるのかな