親が余命宣告されたらやっておくと良いと思ったこと

父親が入院したのは76歳の時。
僕はその時42歳になったところ。仕事はそこそこ忙しい。「その時」と書いたのは既に過去の出来事だから。既に父は他界しました。
働き盛りの人の親が入院するとどんな事が待っているのか。そして僕自身が後悔した事など、まとめておきたいと思ってコレを書いてます。

この時には父は定年退職し、時間は自由な生活を送っていました。
母は脳の病気が重なり、介護を受けながら身体のリハビリと治療を受けられる病院へ既に入院していました。ここへのお見舞いが父の日課。
そんな父が入院し余命宣告を受ける。僕らの生活は一気に変わった。

やっておくと良いこと(1)
休日に実家の用事(お見舞いも含め)を済ませようとしたり、休日を平日休んだ仕事の振替日として使ってしまうと休みが完全になくなる。
身体が持たなくなるので、必ず自分の休日は作った方が良い。

やっておくと良いこと(2)
余命宣告半年くらいなら(病気の内容にもよるけど)まだ動けることが多いから、本人が行きたくないと言っても、旅行やらちょっとリッチな食事などに連れ出した方が良い。これは本人のためというより僕らの思い出のため。
これくらいのワガママは聞いてもらった方がいい。後悔してる。

やっておくと良いこと(3)
余命宣告半年くらいなら、まだまだ悲観する事はない。なにかの弾みで危険な状態になる可能性もあるけれど、比較的体調は安定していることが多い。あまりに心配しすぎると、精神的にも看病する側の身体がもたない。

やっておくと良いこと(4)
余命宣告「1月」となったら、60日くらい休める体制が作れると良い。会話や意思疎通が難しくなるのも、このあたりからでした。ただ、調子の良い悪いで程度も変わるので出来る限り一緒に過ごしたいと思う。
仕事が止まっても良い体制を40日。亡くなった後の葬儀などを終えて落ち着くまでに2週間程度。60日は確保出来ると一緒に過ごす時間を大切にできる。

やっておくと良いこと(5)
「そんなに長い期間仕事を休めない」これが多くの方の中での現実。だから余命宣告「1月」となったタイミングで1週間くらい寄り添って思い出話をとことんする時間があると良い。後悔の無いように。
父の場合、「その日」が来る前1週間は会話は出来なかった。そうなってからでは遅い。

やっておくと良いこと(6)
その日が近いことを仕事関係の方と共有すること。危険な兆候が見えたと連絡を受けた時に駆けつけられる体制づくりは整えておくこと。
最近は「死」という状態を迎える前の段階で若干強制的にキープさせる医療技術はある。「○時間で到着します」と伝えれば、お別れの瞬間に立ち会える可能性は高い。あくまで「死ではない」状態なので会話などは難しいかもしれない。

やっておくと良いこと(7)
亡くなる前に葬儀屋は決めておく。最期の時間を大切に出来るし、感情的に不安定なタイミングで慌てる必要がない。金額の目安もわかっていることで、経済的な面でも後で後悔することがない。
父の時には「あそこでやりたい(手続きなどはしてない)」という希望を聞けていたので、姉と事前に伺って料金や内容を確認することが出来た。事前に手続きも行えたので、料金が安くなった上に事後の連絡もスムーズでした。

やっておくと良いこと(8)
親戚などの連絡先の確認。我が家の場合、例えば父の兄妹関係への連絡は父の妹へ連絡することで、全ての兄妹と甥姪へ伝わる様にしていた。母方の兄妹へも窓口を1つ決めて、もしもの際には連絡をとってもらう手はずを組んでおいた。こうした仕事の分担を事前に確保出来ると本当に安心できる。
ちなみに我が家は家族葬でした。(親族のみ参列し、近所などにも事後連絡としました。)

やっておくと良いこと(9)
父の友人や元同僚への連絡をどうするか。を本人確認しておくこと。これは元気な時に確認したい。笑い話のノリで「親父の葬式には友達とか呼びたい人いる?」って事前に確認できれば、連絡先なども確保できる。
我が家は家族葬をとったことで、ここは省く形になりました。

やっておくと良いこと(10)
葬儀のマナーが難しい。特にお経をあげて頂くお坊さんへの接し方やお布施の包み方、名目、渡すタイミングなど全く分からなかった。
父は事前に戒名を頼んでいたお寺があり、そこでいつも祖父母(既に他界)のお経などを担当してくれていたお坊さんに色々と頼むことにした。
このお坊さんが僕らと同年代ということだったので、背伸びせずに分からないことは「教えて下さい」と直接聞きながら進めていった。先に失礼がある旨を伝え侘びた上で、指示を仰ぐことで結果的に失敗は無かったと思う。これはこれで良かった。(田舎など古い風習が残ってるエリアでは難しいかもしれない)

やっておくと良いこと(11)
喪主は挨拶が多い。僕が喪主を務めたのだけど「通夜の夜」「告別式」「初七日(火葬後に当日行った)と2日間で3回行った。
家族葬ということもあり、参列者はほぼ同じだったので、3回共に同じ内容にならない様、「それぞれの目的」を確認しておくと難しくはない。
ちなみに葬儀屋さんがベースとなる文章を考えておいてくれるけれど、覚えようとすると緊張しがちなので、目的を考慮した上で全てアドリブとしました。
例)通夜→参列のお礼と通夜ぶるまいの連絡、告別式→参列のお礼と火葬場へ行く人行かない人の段取り説明、初七日→参列のお礼と全てを無事に終えた連絡。な感じでした。

やっておくと良いこと(12)
葬儀を終えてからの手続きが多い。死亡届けなど本当に重要な事は葬儀屋さんがやってくれる。ネットを見ると「死んでから何日でこれをしなきゃいけない」という情報が多いけれど、大概は慌てる必要が無いものが多い。死亡届と火葬許可書さえ出ていれば大丈夫。あとは淡々と確実に行えば良い。
姉が「手続きが遅れて年金の不正受給とかで逮捕とか心配…(本気)」と言ってたけど、それは無い。電話一本で手続きは始まり、書類などは先方から届いてから対応すれば良いだけ。

やっておくと良いこと(13)
仕事などの休みを葬儀の予定でとってしまう人がいるかもしれない。父が亡くなってから1週間は葬儀や手続きなどでバタバタ。2週間経ったタイミングで僕は疲れが出てきた。仕事に復帰することが、いつものリズムを取り戻すきっかけになるだろうけれど、あまり無理せず休みを取れると良い。

やっておくと良いこと(14)
冷たい言い方かもしれないけれど、とにかく「自分を大切にしましょう」。亡くなった方を想う気持ちと時間も大切にするためにも、まずは自分を大切にすることが重要。
死後の手続きなどは、時に後回しで良い。生きてる人間が無理して体調崩してはもともこもない。

とにかく自分を大切にしましょう。


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