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和菓子と洋菓子

和菓子といえば何を思い浮かべますか?
まんじゅう、桜餅、大福、どら焼き、団子、カステラ...
カステラ...?
となった記憶はないだろうか。
和菓子か洋菓子かの論争の際、
真っ先に槍玉に挙げられるのがカステラだ。

全国和菓子協会のHPには、

ポルトガル人やスペイン人により南蛮菓子が渡来します。ボーロ、カステイラ(※カステラのこと)、金平糖(こんぺいとう)、ビスカウト(※ビスケットのこと)、パン、有平糖(あるへいとう)、鶏卵素麺などで、現在でも食べられている和菓子の原型となりました。
http://www.wagashi.or.jp/monogatari/shiru/

wikipediaには、

ポルトガルから伝わった南蛮菓子を元に日本で独自に発展した和菓子である。

もともとポルトガルのものだから洋菓子!
日本風にアレンジされているから和菓子!
上の説明を見ると、どちらの言い分も正しく聞こえる。

現代のスイーツは実に複雑だ。
一般的な和菓子や洋菓子の他にも
生クリーム大福に抹茶のティラミス、
アイス最中など和スイーツなる言葉が生まれている。
先日の記事でも紹介したネオ和菓子も時代を象徴した言葉だ。

もともと「和菓子」という言葉は
明治時代に「洋菓子」の対比として生まれた言葉である。
それ以前は菓子・もしくは果子と呼ばれていた。
(詳細は全国和菓子協会のHP参照)
内と外に分けられたこの2つの言葉は
150年を経て、時代に合わなくなってきている。

もともと日本の菓子文化はその時代ごとに
他国の文化の影響を受けて、自国の文化の中に吸収し,
その時代に合った新しい「菓子」として昇華させてきた歴史がある。
常に意味が変化してきた「菓子」という言葉を、
明治以前の歴史として「和菓子」という言葉で定義した。
それ以降の和菓子に関しては全国和菓子協会のHPの上でもほとんど言及されていない。

古典和菓子と明治以降の現代和菓子。
上生菓子に代表される茶の湯文化で育まれた和菓子や
家庭で友人を誘い珈琲のお供に食べる和菓子。
クリスマスに家族で楽しむショートケーキも、
バレンタインに恋人に送るチョコレートも、
そのどれもが素晴らしい日本の菓子文化である。

日本の菓子を再定義するときが
近づいている。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!