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【殺した相手の姿に変わってしまう狂った世界にて】漫画『常人仮面』感想

閉鎖された田舎、突如襲い掛かってくる化け物、誰かを殺すと殺した相手の姿に変わる謎の現象…

小学館が配信しているマンガのWEBサイト『裏サンデー』にて絶賛連載中の漫画『常人仮面』。原作者は一路一いちろはじめ、作画を担当するのは『ブルーフォビア』の鶴吉繪理つるよしえり

ジャンルとしては日常SF漫画なのかな?
ちょっとまだジャンル分けできる状態ではないと思う。先日、コミックス1巻が発売され購入したので、今回はその感想を述べていきたい。

帯の文字のデザインが格好いい。少しオモコロの恐山さんっぽい。

《あらすじ》

舞台は木々が生い茂る片田舎。
高校生男女の登校場面から物語は始まる。
2人の名前は克人こくと(以下コクト)と克己かつみ(以下ツミ)。

コクトとツミ。ツミは美人らしいので双子のコクトもイケメンだと思われる。ちなみにコクトはシスコンでもある。

2人は双子の姉弟でコクトは心臓に持病を抱えているらしい。

クラスでは文化祭の出し物を決めている。いつもの日常風景だ。
だが、その最中に地震が起きる。揺れ自体は大したことがなかったが太陽の様子がおかしい。違和感はあるものの誰も深く気にすることはない。

学校からの帰り道。2人は鳥居に首吊り用の縄が掛けてあるのを目撃する。
そして、その鳥居の陰から得体のしれない化け物が出てきて2人に襲い掛かってきて…という風に物語は始まる。

※下の裏サンデーのサイトから1話の試し読みもできますよ。

《感想》

正直言うと、1話目を読んだ辺りではそこまでハマっていなかった
(上記サイトで1話試し読みができるけど、自分だったら1話読んだだけではスルーしてたと思う)。

1話目だから当然だが、全体像が掴めず戸惑っていたというのもある。
後、ヒロイン枠のツミが自分のことを名前呼びするのが好きじゃない。

作者には申し訳ないけど、個人的に自分のことを名前呼びする人は現実でも創作でも好きではないのだ。

そういうこともあって、最初は連載してるから一応チェックしておくか、みたいな位置付けだった。

内容に引き込まれたのは2人が高校に戻る辺りから(話でいうと3話辺り)。
この作品、基本はシリアスだけど、要所要所に笑えるやり取りがあるのが特徴的。

ギャグというよりはシュール系の笑い。その可笑しさがここら辺から本格的に発揮されてくる。

例えばクラスメイトの紹介があるけど、いちいち全員通り名が用意されているのだ。
・非モテの化身
・存在感と髪が薄い
・色気も素っ気も置いてきた…etc
まるで有吉のあだ名付けみたいである。

一番笑ったのが重吉じいさんと堂本先生の下り。この場面読んだときに、「この漫画を追っていこう!」って決めた。

深刻さと可笑しさ、その2つがシリアスな世界と同居して独特の世界観になっている。そこが自分にハマった。

で、本編はまだ本当に序章という感じで、少しずつ色んな事が明らかになっていく。

ネタバレにならない程度で言うと、コクトはツミを守るために化け物を殺してしまうのだが、その途端、コクトの姿が変わってしまう。

どうも殺した相手の姿に変身してしまう現象が起きているらしい。

この仕掛けが今後、大きく活かされているんだろうなということが想像できる(恐らくクラスメイトたちも巻き込まれていくんだろう)。

そもそも化け物たちが何処から現れたのかということも気になるし、2人が住んでいる世界の違和感についても色々なことが明らかにされている。

まだ1巻ということでこれからどう展開していくのか楽しみということでこれからも追っていきたい。

※鶴吉先生の『ブルーフォビア』(全2巻)。


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