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【ひつじが日報】190714

暦の上で三連休二日目。

京都猿基地で知り合って、歌詞考察合戦や度々お話していた仙仁透さんが京都から遊びに来てくださるとのことで、前日からそわそわしていた。

粋。これぞ、粋。

京都にいる知人の中でも一二を争う賢人でもある仙さんとお話することが純粋に楽しみだったのもあるが、僕が別途水面下で動いている対談百人斬りの一人目として打診していた。二つ返事で快くご了承くださって、そもそも慣れない対談、限られた時間で何を話そうかとあれやこれや考えてたらいつの間にか朝になっていた。

その後いつの間にか昼になり、急遽待ち合わせ場所に指定した唐人町の『とらきつね』さんにて落ち合う。福岡に着いてから待ち合わせまでの間に福岡市美術館に行ってたとのこと。ノープランの旅程で急遽福岡市美術館を選ぶのがやはり素晴らしい。うらきつね(古書店)で本を数冊買ったのち、散歩しながら雑談。

歩きながらも所々気になったデザインを写真に収めていた。目的地まで思いの外距離があり「沢山歩かせてごめんなさい」というこちらの声がけに対して「250km以上移動したので、ここからは誤差の範囲です」と切り返すセンス。細かくは数えてないけど、道中5万回ぐらい脱帽した。

薬院大通にある『ここにかたる。』さんで小休止。と思いきや、ここでも語り倒した。トータルで5時間強喋ってたので開店前に若干声が枯れていたが、ネタは全然枯れなかった。前日に聴いた講演会の話から派生して、これからは無駄(ノイズ)に意味づけされたもの(意味のある無駄)が求められる。なんて話で口火を切って以降色々な切り口から舌戦繰り広げた。

どの切り口で切っても切れ味が抜群で素敵だった。

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「スパイスカレーの作り方」みたいなマニュアルはすでに世の中に沢山あるけど、本当に教えるべきはジャガイモの切り方で、それすらできない人がやれクミンだのターメリックだの使ったところで美味しいカレーが作れる訳が無いよね。

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カレーの作り方を知ってるのにシチューを作れないみたいな場面を目の当たりにすると「なんで?」と思うが、そういう抽象化(本質に辿り着く)できてない状況って日常生活の中で多々見受けられるよね。

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お煎餅の醍醐味は「硬さ」にあるのに、噛めないから柔らかくペースト状ないし粉末状にして食べてもらう。食べれるかもしれないけど、それだと顎は鍛えられないし、お煎餅の良さはいつまでも伝わらないよね。

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超抜粋するとこんな感じ。全部同じ問題を料理の話で例えているけど、物事の抽象化ができるからこのやりとりが成立する。別に全部料理についての話をしてる訳じゃないし……さてこれは一体なんの話でしょう?

あとどれも投げて終わりじゃなくて、「じゃあジャガイモの切り方はどうやったら教えられるか」「じゃあカレーを作れる人はどうやったらシチューを作れるようになるか」「じゃあ顎の力を鍛えるためにはどうすればいいのか」と建設的な議論に着地するのも仙さんの素晴らしいところだと思う。

おかげでとても有意義な時間を過ごせた。

ほくほくとした気持ちで開店。

久しぶりに色んな方々が顔を出してくださり賑わっていた。誤解されないように「数日前は本当に全然人が来られなかったんですよ」と皆様にお伝えしていたが、これは確実に余計な情報だったと深く反省している。

連休真っ只中ということもあり、京都(仙さん)の他にも山口や三重からわざわざ福岡白金まで遊びに来てくださる方々がいた。勿論それも嬉しかったけど、その方々がたまたま隣に座った福岡(ご近所)の方とお話をしているのが何よりだった。冒頭少し間に入ることはあるけど、話が弾み出したらそっと離れること(弾まなそうだったらずっといる)を意識していて、昨日は途中から店主ほぼ空気と言っても良いぐらいにそれぞれがそれぞれで話したり読んだり遊んだりしていた。素敵。

こういう空気感はなかなか言語化できないし、実際に味わってもらうに越したことはない。一つ前の日報で「言語化大事!」と言っておきながらこういうことを言うのもなんだけど、やっぱりなんだかんだ現場に勝るものはない。

なのでこちらはひつじがに足を運んでくださる方々にその空気感を存分に味わって貰うために環境を整える。その上で足を運んで貰えるように試行錯誤する。この日報も含めた文章情報はそのための手段にすぎない。SNSで仲良くなって終わり、じゃダメなんだ。なんて話を三重から来られた方としていた。

どれだけ綺麗事を言っても、実際に来てもらわないとこういう会話すらできない(このやり取りをSNSでするのは本末転倒)しひつじがも霧散してしまうので、来ていただけてお話できて本当によかった。

これからも目的と手段を履き違えないようにしながら、福岡の素養の高さをこれでもかとアピールしつつ(昨日は完全に岩谷さんのおかげ)、結果ひつじがに来て貰うためにあれこれ策を講じていきたい。目指せ文化の中枢。

助言随時募集してますので、どうぞ一緒に楽しみましょう。

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