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2人親に対して、幼児3人という絶望。乗り越え方のヒントは、ラグビー日本代表にあった。

9月に3人目が生まれた。そのため現在育休中である。(正確に言えば、午前中と夜中は仕事してるが、基本的に家庭や子どもが優先だ)東京の友人達からは「子ども3人は未知の領域」と言われていたが、確かにヤバい。両実家ともに離れており日常的に助けてくれる親がいない中で、僕と妻だけでは明らかに回っていない。3人でようやく人口増加とは、無理ゲーすぎる…。

これから我が家がどう乗り越えるかは、日本社会がどう出生率を上げるかとニアリーイコール。つまり重要な問題だ。

しかし、僕のオヤジ世代にこの危機感を共有するのは難しい。特に80-90年代の地方では「3人なんて普通でしょ」という感覚があった。たしかに今振り返ると、3人兄弟なんてザラにいて、4人や5人子どもがいる家庭も別に珍しくはなかった。むしろ一人っ子は稀な存在だった。今はものすごい勢いで一人っ子が増えている肌感覚がある。一体どうして、こんなにも違うのだろうか。

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ところで、話は変わるが、ラグビー日本代表の躍進がすごい。子どもの相手をしており、ハイライトで見ただけだが感動した。そのとき僕は「ああ、こういうことかもしれない!」と思った。

僕は10年間くらいサッカーをしていたが、プレーしてるときに監督からよく言われたことがある。「数的優位をつくれ」と。

「数的優位」とは、特定のスペースで相手よりも味方の方が多い状況を作り出すこと。それによりチームに有利な状況をもたらすことだ。まさにラグビーはいかに数的優位をつくかのスポーツだし、日本代表がアイルランドに対して決勝トライを決めた瞬間はオーバーラップによる数的優位による勝利だった。

一人一人の身体面や技術面で劣るチームが勝つためには、数的優位な状況を作り続けることが重要。つまり能力の差よりも、人数の差のほうが全然大きいのだ。

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さて、話を戻すと、3人の子育てが無理ゲーなのは、反対に「数的不利」だからだ。我が家の場合、親2人に対して4歳以下が3人。日本代表レベルであっても、2人で3人の攻撃からゴールを守るのは難しいように、どんなに頑張っても子どもからすれば、完全にガラ空き状態なのだ。一方でオヤジ世代は三世帯家族だったから、だいたい大人4人に対して子ども3-4人。それならなんとかなるはずだ。

こういう問題は、介護などの社会保障などにおいてもよく「支える側/支えられる側」という話が出てくるが、実は平均した数字では大事ではない。むしろ人口構成も家族構成もすぐには変えられないわけで、そこに頭を悩ませてもしょうがない。

数的優位も、単純に外側に攻撃側の人数が防御側より上回るという話ではない。むしろ現代の戦術においては「いかに局地的に色々なシーンで連続的に起こすことができるか」が重要らしい。そう考えると子育ても同じかもしれない。

数的優位の作り方はシーンごとに違う。全部を任せられる人なんて親くらいしかいないが、朝夕の送迎、夜の食事や寝かしつけ、週末の遊び、と分解していけば戦い方はある。ペナルティで相手よりも少ない人数での試合になったときこそ、局所的に数的優位を作り続けることで負けない戦いにできるように、大事なのはそのシーンごとの状況だ。

時間のあるお年寄りが子どもの送迎や公園での観察をしてくれるだけで助かるし、近所でみんなで集まって食べる夕食会があるとかなり負担を減らすことができる。または家庭独立型のシェアハウスも一つの解かもしれない。僕は夕方のピークタイムを一時帰宅して、寝かしつけ前までやってから夜に再び出社(orテレワーク)する働き方を採用しているが、そういう働く時間もフレキシブルにしたい。国内時差だ。

絶望的な状況でも何かがあるはずだ。オーバーラップすることで数的優位をつくりだし、逆転のトライを決めた日本代表に勇気をもらいながら、3人子育ての戦い方を見つけたい。

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というわけで、【11/9(土)】にnoteを運営するピークオブケイク社で、「親になってからの仕事と自由と家族のかたち」高木新平×田中伶×徳瑠里香 というトークイベント(無料)を開催します。友人の徳さんの出版を記念して。こういう家庭内の本音は表に出づらいからこそ、独りで抱え込みがちだけど、本当はもっと話したほうがいいんだよね。父親もぜひ!!

https://note.mu/events/n/n6fd75cb7e14e