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【東南アジアより暑い日本】ビジネスマナーに規制緩和を。

1990年代。世界各国で地球温暖化が叫ばれ始めた頃、とある国際機関のレポートでは「日本は亜熱帯化する。東南アジアのような高温、スコールの地域になる」と警鐘されていたらしい。その当時、僕も「そんなバカな」と思っていたが、本当にそうなった。むしろ今では、夏40℃近い気温になることも日常的。ゲリラ豪雨という名のスコールも降りまくり。たった十数年間で、東南アジアよりも亜熱帯地域になってしまった。

毎年、夏が来るたびに「こんなに暑かったっけ?」と思うが、四季のおかげで感覚が麻痺しており、うまく思い出せない。しかし誰に聞いても「暑くなってるよ」という。大事なのは気温より体感温度なので、きっと夏は毎年暑くなっているんだろう。そう考えると、ある日突然やってくる地震や津波はもちろん脅威だが、温暖化のようなジリジリと生活に溶けて迫ってくる自然変化は、対応が遅れるので逆に危ないと思う。実際に熱中症にかかる人は増えていて、先週だけでなんと1万人以上が病院に搬送されたらしい。これはもう災害だと思う。

しかし街を歩いてると、どういうわけか上下黒スーツに身を包んで闊歩しているサラリーマンが少なくない。なにを守っているのか分からないが、明らかに体力を消耗してるはずだ。(この気温の中、真っ黒な上下長袖を着るのは、真冬を半袖短パンで過ごせ、と言ってるのと同じレベルだと思う。)ただでさえ生産性の低い日本。早くサラリーマンをスーツから解放しないと、気温が上がるたびに生産性が下がっていくだろう。

そう考えると、いま直近で規制緩和が必要なのは、業界云々というよりも、なんとなく共有されている“ビジネスマナー”なんじゃないかと思い始めてきた。かつてネクタイを付けなくてもいい「クールビズ」というキャンペーンがあったが、それでは足りない。むしろ「NOスーツ」を基本にしたほうがいい。我慢競争のあまり余裕がなく相手への気配りもできないんじゃ本末転倒だし、スーツじゃなくても品のある格好というのは存在する。しかしもしNOスーツを実施したとしたら、一時的にヤバい格好の人は続出するだろう。それを周囲が優しく受け容れ、みんなでセンスを伸ばしていくことが重要だ。結局は、寛容な社会だけが進化を選べるのだ。