No.32 カロリーメイト「夢の背中篇」

https://m.youtube.com/watch?v=KqJInhMIEhA


[企業・商材について]

手軽に食べられる栄養食品。競合商品の多くが袋型のパッケージであり、箱型なのはカロリーメイトだけ。

また、「夢の背中篇」がオンエアされたのは、2016年11月。カロリーメイトは2012年以降、「受験生を応援している」というメッセージを発信してきた。


[ターゲット]

受験生。また、受験生の両親や、過去に受験生だった人も含まれる。


[企画の思考プロセス]

2012年以降の広告展開によって、「カロリーメイトは受験生を応援している」ということが多くの消費者に知れ渡っている。

ターゲットにカロリーメイトを選んでもらいやすくするために、「他の栄養食品ではなく、カロリーメイトを選ぶ理由」を具体的にしたい。

競合商品の多くが袋型のパッケージなのに対して、カロリーメイトは箱型。そのため、親から、受験生の子供に向けたメッセージを箱に書き込むことができる。このことは、「カロリーメイトを選ぶ理由」になり得る。

デリケートな受験生とその両親の多くはコミュニケーションに悩む。頑張っている子どもに対して、親はどんなふうに言葉をかけたら良いかわからない。そんな中、箱に応援のメッセージを書いたカロリーメイトを手渡すことは、一手間が感じられるのでメッセージが伝わりやすい。加えて、手紙などに比べてラフさがあるので、心理的なハードルが低く、行動に移しやすい。

カロリーメイトを通した親子感のコミュニケーションを表現することで、カロリーメイトを選んでもらいやすくする。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

箱型であることを活かしながら、親子感のコミュニケーションを表現することで、カロリーメイトを選んでもらいやすくする。


[演出のポイント]

◼︎「大丈夫」というメッセージが共感を得やすい。

受験生にとって、「頑張れ」や「受かる」という言葉はプレッシャーになりやすい。それよりも、現状を肯定してくれる言葉をもらえたほうがありがたく感じる。パッケージに書かれた「大丈夫」という言葉は、まさに受験生が言ってほしい言葉であり、ターゲットからの共感を得やすいCMになっている。


[自分がクリエイターだったら]

◼︎母親のナレーションを変える。

母親のナレーションの「頑張れとは言わない。頑張ってたことは知ってるから。」を変えたい。このセリフだと、実際「頑張れ」と声をかけてしまった親や、その受験生から共感が得にくい。親は後悔をしてしまうし、受験生から親への反発心が生まれかねない。「頑張れ」と言った後の言葉としても違和感のないセリフにしたい。そのため、「頑張れとは言わないほうがいいのかな。頑張ってたことは知ってるから。」に変える。


◼︎カロリーメイトを渡すカットで「大丈夫」の文字のアップを見せたい。

息子がカロリーメイトを渡された時に「大丈夫」の文字に気付くカットを入れたい。続けて、会釈程度で玄関を出ていくようにする。このタイミングでは「ありがとう」とは言わない。実際、思春期の息子にとって母親に素直に「ありがとう」というのは照れ臭い。その後、元のCMと同じように母親のナレーションと共に過去の映像が流れる。ここでCMの受け手は、息子の辛さや母親の思いを知る。その後、息子が再び「大丈夫」の文字を見て、母親へ「感謝を伝えておかなければならない」と思いなおして「ありがとう」と伝える。以上のように変更することで、ターゲットからの共感をより得やすくなると考える。

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