じしんのはなし⑦

こんばんわ。

今夜は主宰を務めるHigh-Cardの殺陣ワークショップがあります。
刀や槍を使ったアクションに触れる機会。なかなか珍しいことだと思うので興味があれば、ぜひ。
毎週やってます。

さて、続きですね。告知が混ざりすみませんでした。明日も告知ありますよ笑

2015年の秋。

一つの目標が叶う日が来ます。
西田大輔さんが2007年に演じた役を自分が演じるという機会です。

参加したWSの卒業公演。
ジャンヌダルクを題材とした作品でした。
僕が任されたのはジルドレという役です。
知る人ぞ知るジャンヌダルクの盟友であり、当時の元帥と呼ばれる人です。

有名な騎士を演じることよりも何よりも、憧れ続けた西田大輔さんの演じた役。
憧れを詰め込んだ、その想いを掛けた公演でした。

憧れは僕にとって解けない呪いや消えないこだまのようなものだと思っています。

憧れを抱き、こうなりたい。あの人みたいになりたい。そんな強い思いは、そうあれない自分を否定し、傷つけることがあります。

2012年に憧れに蓋をして背を向けてから何者にもなれなかった自分。期待に応えられなかった自分。夢を諦めた自分。

誰よりも強く否定しなければ先に進めないような想いを抱いていました。

どんなに諦めたことを正当化しようとしてもだけど諦めた。勝手に辞めた。と聞こえるような気持ちになる。

アホくさいし、自分に酔ってるようにも見えますが、自分にとってはやめてからの3年間はなんの折り合いもつかないただ、苦しいだけの期間でした。

演じること、全うすることでなにかを変えれるかもしれない。

そんな気持ちで出来ることの全てを叩きつけるように、公演にのめり込みました。

あなたはこんな風に見えていた。
こんな風に自分を巻き込んだ。
こんな姿に憧れた。

お客様ありきですが、この人に見てもらえるのは最後かもしれないという思いがありました。

だからこそ、この時だけは自分の為だけに演劇をしました。

自分の気持ちに嘘をつかずに、憧れ続けた人への感謝と呪いとこだまをかき消す為の、挑戦でした。

劇中に、本気でそばにいたかったら強くなれ。という台詞がありました。

そうあれなかった自分への思いや、色々な想いがありました。

たくさんのかっこいい、所謂おいしい台詞がありました。その中でも、この言葉は自分にとって大切なものでした。

この公演が終わってしまったら自分はどうなるんだろうというくらい夢中で過ごした数日間。

物語の終わりとともに、僕に太陽であれと言ってくれた生涯唯一の人との航海が終わりました。

僕はまた、1人になりました。

だけどそこからまた、新しい航海がはじまるなんて思ってませんでした。

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